上田貞次郎と保守主義・自由主義・社会主義
「学者は実際を知らず、実際家は学問を知らず、政治は産業を離れ、産業は社会にそむく、これじつに産業革命の波涛に漂える現代日本の悩みではないか。吾人はこの混沌裡にあって、企業より社会を望み、社会より企業を覗い、眼前の細事に捉われずまた空想の影を逐わず、大所高所より滔々たる時勢の潮流を凝視して、世界における新日本建設の原理を探らんとする。吾人のにくむところは虚偽と雷同とであり、吾人の戒むるところは煩瑣と冗長とである。吾人が訴うるところの読者は純真にしてかつ聡明なる満天下の青年識者である」。