③弟の大海人皇子が自分の妻にしていた額田王(ぬかたのおおきみ)を、とりあげて自分の妻にした
額田王は最初、大海人皇子(のちの天武天皇)の目にとまった美少女で、2人のあいだには十市皇女(とおちのひめみこ)まで生まれたにもかかわらず、大海人皇子の兄である中大兄皇子(のちの天智天皇)はいつのまにか額田王を自分の妃(きさき)の一人にしてしまいました。
茜草指 武良前野逝 標野行 野守者不見哉 君之袖布流
あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖ふる
[作者]額田王
訳:あかね色に輝く、紫草のはえている御料地に、行くところ、ああ、あなた、そんなに袖をふらないでくださいまし、野の番人に見られてしまうではありませんか。
「袖ふる」とは、この時代、恋愛の意志表示でした。つまり、好きだよー、ってことです。
ここでいう「君」・“あなた”とは、大海人皇子のことをさします。
標野というのは宮廷の御料地のことです。
紫草、という根から紫色の染料をとる薬草の群生地に行くところなのでしょう。
これは相聞歌で、次の歌が続きます。
紫草能 尓保敝類妹乎 尓苦久有者 人嬬故尓 吾戀目八方
紫草(むらさき)のにほえる妹(いも)を憎くあらば
人妻ゆゑにわれ恋ひめやも
[作者]大海人皇子
訳:紫草のように美しくはなやかな愛しい人よ、あなたがいくら人妻であるからといって、どうしてわたしが恋せずにいられるだろうか。
額田王は、宮中で神に仕える役目の采女(うねめ)でしたから、別格の自由な妃でした。
有名な長歌を一つ、挙げておきます。
味酒(うまさけ)三輪の山
あをによし 奈良の山の
山の際(ま)の い隠るまで
道の隈(くま) い積もるまでに
つばらにも 見つつ行かむを
しばしばも 見放けむ山を
こころなく 雲の 隠さふべしや
【反歌】
三輪山をしかも隠すか雲だにも心あらなも隠さふべしや
[作者]額田王
(原文・・・
味酒 三輪乃山 青丹吉 奈良能山乃 山際 伊隠萬代 道隈 伊積流萬代尓 委曲毛 見管行武雄 數々毛 見放武八萬雄 情無 雲乃 隠障倍之也
【反歌】三輪山乎 然毛隠賀 雲谷裳 情有南畝 可苦佐布倍思哉)
学校で習ったんですけどね。
長歌とは五七五七……五七七となっている歌です。短歌が五七五七七ですからね。一番短い長歌は五七五七五七七となります。
ただ、この長歌は古い形をとっていて末尾部分が五三七となっています。
さて、長歌にはふつう終わりに「反歌」といって長歌をまとめあげる短歌がついています。
「味酒」と「あをによし」はそれぞれ枕詞です。
三連目と四連目、それに五連目と六連目はそれぞれ対句となっています。
また、この【反歌】は二四切れとなっています。
反歌を訳すと、
訳:三輪山をそんなふうに隠すのか。せめて雲だけでも思い遣りがあって欲しい。隠してよいものか。いやいけない。
なんか、三輪山とか大和三山とかについていろいろ語りたいんだけど、ヘタリアのアニメの感想を書きたいので、それは省略~。
額田王は最初、大海人皇子(のちの天武天皇)の目にとまった美少女で、2人のあいだには十市皇女(とおちのひめみこ)まで生まれたにもかかわらず、大海人皇子の兄である中大兄皇子(のちの天智天皇)はいつのまにか額田王を自分の妃(きさき)の一人にしてしまいました。
茜草指 武良前野逝 標野行 野守者不見哉 君之袖布流
あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖ふる
[作者]額田王
訳:あかね色に輝く、紫草のはえている御料地に、行くところ、ああ、あなた、そんなに袖をふらないでくださいまし、野の番人に見られてしまうではありませんか。
「袖ふる」とは、この時代、恋愛の意志表示でした。つまり、好きだよー、ってことです。
ここでいう「君」・“あなた”とは、大海人皇子のことをさします。
標野というのは宮廷の御料地のことです。
紫草、という根から紫色の染料をとる薬草の群生地に行くところなのでしょう。
これは相聞歌で、次の歌が続きます。
紫草能 尓保敝類妹乎 尓苦久有者 人嬬故尓 吾戀目八方
紫草(むらさき)のにほえる妹(いも)を憎くあらば
人妻ゆゑにわれ恋ひめやも
[作者]大海人皇子
訳:紫草のように美しくはなやかな愛しい人よ、あなたがいくら人妻であるからといって、どうしてわたしが恋せずにいられるだろうか。
額田王は、宮中で神に仕える役目の采女(うねめ)でしたから、別格の自由な妃でした。
有名な長歌を一つ、挙げておきます。
味酒(うまさけ)三輪の山
あをによし 奈良の山の
山の際(ま)の い隠るまで
道の隈(くま) い積もるまでに
つばらにも 見つつ行かむを
しばしばも 見放けむ山を
こころなく 雲の 隠さふべしや
【反歌】
三輪山をしかも隠すか雲だにも心あらなも隠さふべしや
[作者]額田王
(原文・・・
味酒 三輪乃山 青丹吉 奈良能山乃 山際 伊隠萬代 道隈 伊積流萬代尓 委曲毛 見管行武雄 數々毛 見放武八萬雄 情無 雲乃 隠障倍之也
【反歌】三輪山乎 然毛隠賀 雲谷裳 情有南畝 可苦佐布倍思哉)
学校で習ったんですけどね。
長歌とは五七五七……五七七となっている歌です。短歌が五七五七七ですからね。一番短い長歌は五七五七五七七となります。
ただ、この長歌は古い形をとっていて末尾部分が五三七となっています。
さて、長歌にはふつう終わりに「反歌」といって長歌をまとめあげる短歌がついています。
「味酒」と「あをによし」はそれぞれ枕詞です。
三連目と四連目、それに五連目と六連目はそれぞれ対句となっています。
また、この【反歌】は二四切れとなっています。
反歌を訳すと、
訳:三輪山をそんなふうに隠すのか。せめて雲だけでも思い遣りがあって欲しい。隠してよいものか。いやいけない。
なんか、三輪山とか大和三山とかについていろいろ語りたいんだけど、ヘタリアのアニメの感想を書きたいので、それは省略~。
当事者三人の前であり、あやういといえば危うく、おおらかといえば大らかな世のことでした。