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「輸出戻し税」って知ってました?

2008年03月23日 10時47分59秒 | 政治・経済
 消費税が増税されるとトクをする方々がいらっしゃるそうです。
 不思議な方々が世の中には存在するものですなぁ。(゜-゜;)ウーン

消費税法
http://www.houko.com/00/01/S63/108.HTM
(輸出免税等)
第7条 事業者(第9条第1項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が国内において行う課税資産の譲渡等のうち、次に掲げるものに該当するものについては、消費税を免除する。
1.本邦からの輸出として行われる資産の譲渡又は貸付け
2.外国貨物の譲渡又は貸付け(前号に掲げる資産の譲渡又は貸付けに該当するもの及び輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(昭和30年法律第37号)第8条第1項第2号(公売又は売却等の場合における内国消費税の徴収)に掲げる場合に該当することとなつた外国貨物の譲渡を除く。)
3.国内及び国内以外の地域にわたつて行われる旅客若しくは貨物の輸送又は通信
4.専ら前号に規定する輸送の用に供される船舶又は航空機の譲渡若しくは貸付け又は修理で政令で定めるもの
5.前各号に掲げる資産の譲渡等に類するものとして政令で定めるもの
【令】第17条 ・第19条
2 前項の規定は、その課税資産の譲渡等が同項各号に掲げる資産の譲渡等に該当するものであることにつき、財務省令で定めるところにより証明がされたものでない場合には、適用しない。


 太字で示した輸出業者の方々がなぜ消費税が増税されるとトクをするかを理解するには、まずは消費税の流れを知らなければなりません。
 次のページの図1を観てください。

輸出企業に消費税が還付されるしくみ(PDF)
http://hb8.seikyou.ne.jp/home/o-shoudanren/hayasi.pdf.pdf

 「製造業者」「卸売業者」「小売業者」の各段階で、

    「売上げにかかる税」-「仕入れにかかる税」

分を「消費税」として納税しています。
 最終段階の「消費者」は売り上げがありませんから、「売りあげにかかる税」はありません。「(購入代金)仕入れにかかる税」を消費税と言う形で前の段階である小売業者に支払うことになります。

 輸出業者の場合、最終的な消費者が国外であります。
 日本の法律を根拠として国外の消費者に消費税を払わすことは問題がありますから、輸出業者がその売り上げに対しての「売り上げにかかる税」を免除される理由は納得できます。

消費税法上の輸出取引
   ・
 消費税法7条に、「本邦から輸出として行われる資産の譲渡又は貸付については、消費税を免除する」という規定があり、消費税が免除されています。これが「輸出免税」といわれる規定です。
 この規定はGATTにより規定された消費地課税主義を根拠にしているといわれています。海外の消費者に国内の消費税を負担させてはだめだ、ということです。また輸出企業の価格競争力を阻害しないというのも、その根拠のひとつになっています。
 つまり輸出の売上げは課税売上げだか、消費税が免除されるということです。
 これをさして、輸出の売上げには0%課税されているということがあります。


 しかし、「仕入れにかかる税」まで負担する必要が無いと言う考え方には疑問が生じます。

還付の仕組み
 さてここからが本題です。
 ここに輸出の売上げを当てはめると、どうなるか。ある輸出企業AがBという企業から商品を1050円で仕入れて、海外に2000円で輸出したとしましょう。課税売上げは2000円ですが、消費税は免除されているので、課税売上に係る消費税額は0円です。課税仕入は1050円で、課税仕入に係る消費税額は50円です。すると消費税の納税額は0円引く50円でマイナス50円になります。つまり50円が輸出企業Aに還付されるのです。
 これが輸出企業に消費税が還付される仕組みなのです。

 また輸出取引の場合、国庫に一旦入った税金(上記の例ではBが納付する消費税)が輸出企業に還付金として国庫から出て行くになり、結局国庫には一円も入らないのです。ここも他の国内の取引と大きく違うところです。


 図2もご参考に。
 単純に、「売り上げにかかる税」-「仕入れにかかる税」がマイナスになるからと言って、還付されなければならないって性質のもんじゃないと思うのですよね。消費税って。

 あきらかに国内のエネルギーや物を輸出業者だって消費してるわけですし、売り上げはないにしても、国内の消費者も消費税を負担している。
 企業の売り上げには法人税などが負担となるが、それはまた別の話しだし、売り上げなんて会計上の処理次第で法人税などは安くできるのだしね。

強者のための税制
 トヨタのような巨大企業の場合、中小下請け企業からの仕入代金の価格決定権を事実上もっていますので、上記のような取引において、1050円の仕入代金を000円に値引きすることもあるでしょう。そうした場合でも、輸出企業には約47円の還付金が入ることになります。このような場合の還付金は実態として「輸出助成金」ともいえるのではないでしょうか。
 消費税の税率アップを経団連が主張するのもうなずけます。
 いずれにしても、消費税は転嫁の実態からいって経済的弱者から強者への所得移転を促す大企業優遇の税制といえるでしょう。


 トヨタの場合、国内で販売される自動車は消費税は負担するが、輸出する自動車については消費税は負担しない。
 輸出量が大きければ大きいほど、消費税のカラクリで儲かる。

 グローバル!グローバル!と経済バカどもが騒ぐはずですわ。(ノ_-;)ハア…

 ちなみに、「輸出戻し税」で検索すると次のようなページが見つかります。

消費税増税と「輸出戻し税」再論 - ■財務アナリストの雑感■  シーズン2
http://blog.goo.ne.jp/dancing-ufo/e/eeeb2fd45f98b2ef8fad06958f529156

輸出戻し税、見直しが必要
http://www.h4.dion.ne.jp/~ikenn/204.html

きっこのブログ: 経団連は売国連
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2006/12/post_8a0e.html

<不公正税制>輸出上位10社で戻し税1兆円/消費税収の23%が大企業へ トヨタ1社で2,291億円【全商連】 gataro
http://www.asyura2.com/07/hasan53/msg/750.html

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
決めるのは奴らだ (FC)
2008-03-24 08:38:16
>空楽さん
どこまでこの国は腐ってるんでしょうか?
派遣社員の問題でも、御手洗某の会社が率先してやっていて、批判が出てきたら「全員正社員に採用」とか言って矛先をかわそうとしています。
消費税は、受益者負担だと言いますが、買い物した人は負担するのに、収受者が誤魔化している。
個人商店などで「年間○○円以下免税」とかありました(金額は忘れましたが)
仕入れ段階で収めているからどうのこうのと言ってるけど、おかしな制度です。
戻し税は、つい最近「詐欺事件」があったので覚えております。
日本は脱税については非常に甘い国です。
ましてや、制度的な欠陥(誰かのご都合に合わせたもの)は、堂々とまかり通っています。
知らないことは恐ろしい。
警鐘を鳴らす人が増えないとちっとも良くならない。
声を挙げていこうと思います。
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