楽農倶楽部(別館)

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「日本は開国によって豊かになった」 (゜Д゜) ハア??

2008年05月18日 17時53分41秒 | 政治・経済
 ご隠居さんの歴史の知識では、幕末の開国により日本は豊かになったそうな。(-_-;)
 ほとんど脳みそが腐っているとしか思えませんな。(ノ_-;)ハア…

Letter from Yochomachi
余丁町散人の隠居小屋 - Blog
5/16 Today 下田の黒船祭り:開国で二倍に増えた日本の人口
http://homepage.mac.com/naoyuki_hashimoto/iblog/C111252006/E1591810931/index.html
黒船祭りの日程は例年このあたり(ここ)。黒船に無理やり開国(国際貿易)をさせられるはめになった日本だが、おかげで豊かになり人口も急増した。結果オーライでおめでたい。現在のFTA交渉も同じようなもんか。

 ご隠居さんが開国により豊かになったとする根拠は、たぶん次のところでしょう。

FTAとかWTO交渉での外国の要求は、国内の人間にとっては昔のペリーが來て日本に要求したこととそう変わらないようにとらえられることがある。いつの時代でも攘夷派はいるものだ。でも開国のおかげで日本はえらく得をしたことも事実。人口だって一挙に二倍に増えた(それまでは国内生産食糧の絶対量で人口の上限が決められていたのだが、そういうことが無くなったからいっぺんに増えた)。まあ、そういうことがあるから、お祭りをやる。「黒船祭」ってこと。

 確かに開国後に日本の人口は増えた。でも、貿易によって豊かになったと言うご隠居さんの説は眉唾である。
 ちなみに、当時の貿易では海外から食べ物を輸入してはいないのですな。
 ρ(・・。)こちらのページの下の表にありますように、輸入品は産業革命により量産が可能となった綿織物や毛織物で、当時の貿易相手国である英国のお家芸的な商品ばかり。
 そして、それを輸入するためにどのような問題が発生したかと言えば...

侍歴史 五品江戸廻送令
http://y-hyouma.hp.infoseek.co.jp/history/gohinkaisou.html
五品江戸廻送令
<概要>
 万延元年(1860年)閏3月に、幕府が出した法令。内容は、生糸・雑穀・水油・蝋(ろう)・呉服の5品に限り、いったん江戸に送って需要を満たした後、横浜に出荷するように命じているもの。
 1859年に横浜・長崎・箱館の3港で貿易が始まると、多量の金が流出するとともに、生糸をはじめ製品の原材料が輸出されていった。貿易商人、在郷商人らは産地で物資を買い集め、直接横浜などの開港地に送って取引をしたため、問屋などが打撃を受けると共に国内で物資が不足し、物価の高騰がはじまった。この法令で幕府は江戸の物資不足・物価高騰を解消しようとしたのである。
<結果>
 五品江戸廻送令は自由貿易を侵害するものだとして欧米列強や在郷商人の反対を受け、ほとんど効果はあがらなかった。
 開港当時の1859年と比較すると、幕府が崩壊した1867年には、米の値段は約7倍、生糸は約4倍、蚕卵紙(さんらんし:蚕蛾を紙にのせて、卵を産みつけたもの)はなんと約10倍に跳ね上がっている。


 豊かになったのは貿易に関わった連中ばかりなり。(-_-;)
 多くの国民は貿易により苦しめられることになりましたとさ。

 だいたい、日本の金が幕末に多量に海外に流出することになったのも、学校教育で教わるような内容の話です。

金の流出と対策
 開港以来、日本から多量の金が流出していた。この原因は、日本の金銀比価がほぼ金:銀=1:5であったことに対し、世界の標準が金:銀=1:15と、日本では金の価値が世界標準の3分の1だったためである。外国人は自国で銀を金と交換するよりも、日本で銀を金と交換したほうが3倍も得なので、こぞって日本で金銀交換を行ったのである。幕府はこれまでの天保小判(縦62mm)から万延小判(縦約36mm)へと改鋳して金の質を下げることで対応した。しかし、小判の質が落ちたことによって、国内の物価高騰には拍車がかかることになった。


 d(・・。)この金の流出の件で、幕末の歴史を齧ったことがある者なら知ってるのがこの人。

小栗忠順 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%A0%97%E5%BF%A0%E9%A0%86
安政7年(1860年)、遣米使節目付(監察)として、正使の新見正興が乗船するアメリカ海軍軍艦ポーハタン号で渡米。随行艦として咸臨丸に勝海舟が乗っており、奉行従者には福沢諭吉がいた。2ヶ月の船旅でサンフランシスコに到着し、歓迎される。代表は新見正興であったが、目付の忠順が代表と勘違いされ、行く先々で取材などを受け、新聞などにも忠順の名が上がっている。勘違いの理由として、多くの同乗者は異人と接したことがなく困惑していたが、詰警備役として異人との交渉経験がある忠順は落ち着いていたために代表に見えたと言われている。またフィラデルフィアでは小判と金貨の交換比率の見直しの交渉に挑み、小判と金貨の分析実験を行った。翌日、多くのアメリカ新聞は絶賛の記事を掲載する。そして忠順がアメリカの造船所を見学した時、日本との製鉄技術の差に驚愕と感動を覚え、記念にネジを持ち帰った。その後ナイアガラ号に乗り変え、大西洋を越えて世界一周し、品川に帰国。

 その時に使った「はかり」が写真にあるような片天秤のはかりだそうです。
 両天秤の かさ張るはかりしか知らないような欧米人が、着物の懐からとりだした携帯できるはかりで、正確に重量を量って見せたのですから、そりゃカルチャーショックを受けたでしょうね。(^_^;)

 さて、話をもとにもどしますが、当時の貿易で日本が豊かになったと考えることは、まともな思考回路を持つ者には無理なようです。(゜-゜;)ウーン

 食糧の増産が人口の増加につながると言うこともありますが、食糧の増産に伴わない人口の増加もあります。
 日本の場合は当時に「富国強兵」政策と言うものがあり、それが人口増加の一因になったのですな。
 もっとも、「産めよ殖やせよ」と言う言葉が政策として記録に残っているのは昭和14年みたいですけどね。

出産強制・少子化対策の歴史
http://www.tanken.com/umeyo.html
 古来日本では出産できない女性を「石女(うまずめ)」といい、白い目で見てきました。これは日本が農村社会だったからで、人が多いほど家計は楽になるいう明快な価値観があったからです。
 これに対して、たとえば与謝野晶子は、『母性偏重を排す』(1916年)で、次のように言っています。
《我国の婦人の大多数は盛に子供を生んで毎年6、70万ずつの人口を増している。あるいは国力に比べて増し過ぎるという議論さえある。私たちはむしろこの多産の事実について厳粛に反省せねばならない時に臨んでいる》 
 ですが多産の流れは止まらず、1930年代には、日本は毎年100万人ずつ人口が増加していきました。
 ところが日本が徐々に豊かになり、都会に人が集まるようになると、子供がいなくても、特に蔑視されなくなりました。また日中戦争の影響もあって、昭和13年(1938)、突如として人口増がたった30万人という、驚くべき低い数字になってしまいました。
 これにあわてたのが当時の厚生省。人口減少に危機感を強め、昭和14年9月30日、子供を増やそうというスローガンを発表します。それが「結婚十訓」です。厚生省予防局民族衛生研究会が発表した十訓は、以下の通り。
(1)一生の伴侶に信頼できる人を選べ
(2)心身ともに健康な人を選べ
(3)悪い遺伝のない人を選べ
(4)盲目的な結婚を避けよ
(5)近親結婚はなるべく避けよ
(6)晩婚を避けよ
(7)迷信や因襲にとらわれるな
(8)父母長上の指導を受けて熟慮断行せよ
(9)式は質素に届けは当日に
(10)産めよ殖やせよ国のため


 どうも日本においては豊かになるほど、都会化するほど少子化となるようですね。
 ちなみに、富国強兵政策により人口が増えても、食糧の増産がそう進んだわけじゃなく、明治時代から移民政策もありました。
 その辺の事情については、次のブログの記事が詳しいです。

町人の一分 | 少子化社会と町人社会
http://chonin-japan.jugem.jp/?eid=98

 さて、ご隠居さんの記事に戻りましょうか。( ̄∀ ̄*)イヒッ

日本の少子化も資源的制約によるものだ。大都市圏では子育てをするに十分な住環境がないし(住宅スペースが狭い,地価が高いなど)、

 都会の住宅スペースが狭かったり、地価が高いなどの問題は、資源的制約とは普通は言えない。狭い都会に異常に人が集まるからそうなるだけの話である。
 強いて言えば、それが異常に高くなるのは、ご隠居さんみたいな経済オタク連中がそれにバクチ的な投機をするからである。

子育てのインフラが(外国人労働者によるベビーシッターなどが禁止されているので)整備されていない。

 外国人労働者によるベビーシッターが認められている国の場合は多産の国かしらね?( ^▽^)
 だいたい、先進国と呼ばれているような国は少子化傾向にあるのでは?

買わねばならない食料品価格が異常に高いので生活にゆとりがない。だから地方に比べ豊かだと言われる都市部での少子化が著しいのである。

 (´ρ`)ヘー、これでも見るかい?

世界各国の物価(食料品)比較(PDF)
http://www.jcif.or.jp/pdf/bukka2003.pdf

 卵(1個)の円換算価格 日本19円、米国30円
 牛乳(1l)の円換算価格 日本218円、米国190円
 ビッグマック(1個)の円換算価格 日本250円、米国298円

人口減少問題は開国政策で対処するべきだな。

 (゜-゜;)ウーン、石油が高騰して流通経費も増大しようとしているのに、食糧を貿易に依存するのですか?
 下手すりゃ、飢餓でますます人口減少につながるかも知れませんなぁ。

「地産地消」なんかの鎖国主義をやってたら人口はますます減ってしまう。

 鎖国下の江戸時代においては、国内で生産できる食糧にみあった人口であり、それなりに文化的な生活をしていました。
 欧米の侵略活動に対抗するために、富国強兵政策などをとる必要があったから、不自然に人口が増えてしまったのですな。
 その辺の事を考慮すれば人口減少は本来問題ではないのです。

 まぁ、ご隠居さんみたいな経済オタク的な連中は、たかる対象の人数が減れば困ることになるでしょうけどね。
 (" ̄д ̄)けっ!寄生虫めが!

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