楽農倶楽部(別館)

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穀物から燃料(バイオエタノール)をつくるべきではない

2008年05月03日 18時47分19秒 | 環境・農林水産業
 バイオ燃料の生産によりかえって環境問題が悪化すると言う話があります。
 例えば次のような記事ですね。ρ(・・。)

バイオ燃料生産目的の土地開墾で温暖化が加速、研究発表 国際ニュース : AFPBB News
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2347998/2613788
■開墾により大量のCO2が排出
 熱帯雨林、草原、湿地などを開墾することで排出されるCO2の量は、バイオ燃料を使うことで削減されるCO2総量をはるかに上回る。
 バイオ燃料の原料となるトウモロコシ、サトウキビ、大豆などを栽培するために新たに土地を開墾した場合、化石燃料をバイオ燃料に代替することで削減されるCO2排出量の17-420倍のCO2が大気中に排出される。つまり、新たに「バイオ燃料由来CO2債務」を抱えることになるのだ。
 炭素は地中のほか、寿命を終えた樹木や植物にも蓄えられており、CO2として大気中に放出されている。土地の開墾は、大気中へのCO2排出量増加につながる。この増加分を、開墾した土地で生産した原料を用いたバイオ燃料で相殺するには、数年、場合によっては数百年かかる。


 この記事間違ってはいないのですが、すべてのバイオ燃料にあてはまることではありません。
 バイオ燃料の原料にトウモロコシ、サトウキビ、大豆などを使えばそうなりますよって話なのですよね。(・。・)b
 トウモロコシやサトウキビからつくられるバイオ燃料はバイオエタノールです、大豆などの油からはBDF(バイオディーゼル燃料)がつくられます。でも、バイオ燃料ってバイオエタノールとBDFだけでしたっけ?
 バイオメタノールと言うアルコール燃料もありませんでした?

 マスコミの情報に踊らされやすい方々は、マスコミのバイオエタノールの報道ばかりを見て、バイオアルコールと言えばバイオエタノールしかないと勘違いしてる人が多いのですが、そのような方々が上のニュース記事などを読むとバイオ燃料懐疑論に走ったりしています。(-_-;)
 環境問題を考えるなら、マスコミの情報を鵜呑みにしちゃいかんと思うのですがね。
 (`□´)コラッ! 足を引っ張るな!

 メタノールは木材から昔多くつくられており「木精」と呼ばれます。そしてエタノールは酒に含まれているアルコールであるから「酒精」と呼ばれています。
 つまり、食べられない物からもアルコールをつくることができるのです。しかも、食べ物からつくるより効率良くですね。

メタノールとエタノール
http://www.mech.nias.ac.jp/biomass/murakami-book-methanol-and-athanol3.htm
情報元:
長崎総合科学大学 工学部 機械工学科
http://www.mech.nias.ac.jp/
メタノールの製造方法とその利用
 メタノールの原料としては、現在工業的には、殆どが天然ガスが用いられており、残りは石炭とナフサである。メタンが主成分の天然ガスを触媒の存在下で水蒸気または酸素と反応させて、一酸化炭素(CO)と水素(H2)を主成分とするガス(合成ガス)とし、これをまた違った触媒を用い、高圧で反応させてつくる。草や木のようなバイオマスを原料にする場合にも、ガス化したあとは基本的には天然ガスと同様の工程で合成するが、現在商用機はなく、パイロット規模での開発実証段階である。


 商用的に問題があると言うわけではなく、バイオメタノールの需要がないから今のところ実証段階と言うのが現状です。
 この辺ρ(・・。) をご参考に。

高速ガス化によるバイオメタノール製造一貫システムの開発(PDF)
http://www.mhi.co.jp/technology/review/pdf/423/423130.pdf
 バイオマスは,再生が可能なことからカーボンニュートラルであり,バイオマスをエネルギー資源として
利用することは,これからの地球環境保持に有効な手段のひとつとなる.我が国の廃棄物系バイオマス資源の賦存量は年間2 600 万kl(原油換算)と推定されているが,そのうちエネルギー資源として利用されているのは,バガス,パルプ黒液などごくわずかであり,バイオマス資源を大量に高効率でエネルギー転換できる技術の開発・実用化が緊急の課題である.
 バイオマス資源は発生地域が分散しており,形状・性状が多種多様なため,地域特性や原料特性に応じた利用形態を選定しなければならない.そのために利用技術も直接燃焼,ガス化,炭化あるいは発酵と多様に開発が進められている.
 本稿では,供給量に季節変動のあるバイオマスを使いやすい形で貯蔵・輸送を可能とする,バイオマスのガス化によるバイオメタノール製造技術について述べる.


 バイオメタノールは廃棄物としてのバイオマスからつくることができるのですな。ゆえに、食糧問題にはまったく関係がない。
 日本においては生きている木を伐り出さずとも、木材輸入業者を甘やかした結果、国内において利用されていない間伐材などを原料にすることもできるし、木材としての利用価値のない倒木などでも構わないのである。
 CO2が温暖化の原因かどうかは「?」であるが、人工林の場合、管理することによって森林が活性化し、CO2をより吸収してくれるようになる。
 そして、バイオメタノールを利用することにより、地方の主要産業である林業の活性化にもつながるのですな。

 さて、エタノールですがサトウキビのようにその糖質を利用してエタノールを製造するほうが、トウモロコシのようにデンプンを利用してエタノールをつくるより効率が良いと言うことも、常識として知っていただきたいと思います。

エタノールの製造方法とその利用
 一方、エタノールは工業用には石油化学工業の基本素材であるエチレンの触媒を用いた水和反応でつくる。ただしこの方法でつくられているエタノールは世界で5%程度にすぎず、残りは、サトウキビ、テンサイなどの糖質、とうもろこし、小麦などのでんぷんを原料とした発酵によっており、現在、でんぷんと糖質との比は六、四である。つまり、ビールや酒を造るのと同様の、酵母菌を用いた西暦前からの由緒ある古典的な手法である。メタノール合成には触媒が不可欠であったが、この発酵も、酵母という微生物がもっている、酵素の生体触媒作用を利用した反応である。用途先としては燃料が七割でその殆どは自動車用であり、二割が飲料、残りは工業用である。ブラジルではサトウキビを原料に、自動車用として年間 1500万㌔リットルが生産されており、これは世界の生産量の三割強を占めている。ついで多いのは米国で、こちらは殆どがトウモロコシを原料としている。
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 エネルギー収支、つまりアルコールのもつエネルギーとそれをつくるために必要なエネルギーの比が当然気になるところであるが、エタノールの場合、原料に大きく依存する。サトウキビでは、エネルギー的にはかなりのプラスだが、でんぷんの糖化過程が必要なとうもろこしを原料とする場合、製品としてできるエタノールのエネルギーは、とうもろこしの育成・収穫・収集、発酵・濃縮など製品化のために投入するエネルギーと、それほど変わらず利得は少ないようである。もっとも、この必要なエネルギーを石油などの化石燃料に求めず、原料の残部や太陽光発電で補えば全体として意味がないことはない。一方、メタノールの場合は、雑草や木質材料が原料にでき、かつ工業的な手法で製造できるからかなりプラスであろう。


 ラム酒などはサトウキビに含まれている糖質を酵母菌で発酵させてアルコールをつくります。(ちなみに奄美の黒糖酒にはなぜかこうじが...--?)
 穀物やイモ類などデンプンを原料とする場合、こうじ菌で糖化させてから、酵母菌でアルコール化となります。
 穀類やイモ類からつくると、非常に手間がかかるのですな。
 バイオエタノールの効率の悪いことは酒のできる過程を勉強してもらえば理解できると思います。

 つくづく思うのですが、廃棄物からアルコールを製造できるのに、何ゆえに食い物から燃料としてのアルコールをつくることに力を入れる政策を米国などは行っているのでしょうか?
 裏があると思いませんかね?

 環境でメシ食ってる連中も多い時代です。
 裏が読めなきゃ、環境問題は語れませんぞ。!(・。・)b

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追記:
 貴重な穀物からは呑むためのアルコールをつくるべきです。
 燃やすなんて勿体無い。(⌒^⌒)b


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