楽農倶楽部(別館)

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中国の木材事情

2008年04月20日 18時17分11秒 | 環境・農林水産業
 毛沢東が農場を視察して、スズメが籾をついばんでいる姿を見て、「害鳥だ!」と言いました。
 その後、中国ではスズメを国を挙げて駆除することとなりました。
 スズメの食害は無くなりましたが、スズメが食べていた害虫が天敵を失って大発生しましたので、余計に米は穫れなくなりましたとさ。


 d(・・。)これ、中国共産党の知的レベルの低さを物語る有名な話です。
 ちなみに、つくり話ではなく実話です。

スズメ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BA%E3%83%A1
 穀物を食害することから、古来より農民に敵視されてきたが、繁殖期には虫を捕食して害虫を減らすうえ、雑草の種子も多く食べる。中国では毛沢東の指示で米へ被害を与えるスズメを根絶してしまおうという「スズメ撲滅運動」が大躍進政策で行われた。その結果、たしかにスズメによる被害は減ったが、代わりに害虫が大発生し、結局収穫は大幅な減少に至った。大躍進政策における様々な無理により結果的に計数千万人の餓死者が出たとされるが、スズメ撲滅運動はその失敗例の一つとして取り上げられることが多い。

 ちなみに、この大躍進政策の時に木材の乱伐が多量に行われ、中国の森林も大きく荒廃いたしました。

大躍進政策 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%BA%8D%E9%80%B2%E6%94%BF%E7%AD%96
大製鉄・製鋼運動
燃料の確保
農村部等、ほとんどの地方では木炭を燃料としていたため、必然的に土法炉の燃料にも木炭を使用することになった。この事は、木炭を生産する目的で、中国全土で樹木の大規模な伐採が開始されることを意味した。伐採の対象は事実上、無差別・無分別であり、果樹園の果樹・園芸用の灌木も例外ではなかった。
   ・
結果
   ・
また、この時の製鉄事業により大量の木材が伐採された為、今でも中国では毎年洪水が発生している。しかも農民が大量に駆り出されたため、管理が杜撰となった農地は荒れ果ててしまい、ノルマ達成のために農民の保有する鍋釜、農具まで供出されたために、地域の農業や生活の基盤が破壊されてしまった。


 反省する能力の無い者を愚か者と言いますが、現在でも中国の森林の乱伐は進んでいます。

チベットの環境破壊 日本への影響不可避 亡命政府駐日代表「深刻な森林伐採」 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/080417/sty0804170822003-n1.htm

 チベットなどの森林を乱伐してもまだ足りず、中国が海外から不法に伐採された木材でも買い漁っているのは環境問題を考える者にとっては常識と言える話です。

BurmaInfo: アジアの木材を吸い上げる中国(ニューズウィーク、2003年1月24日)
http://www.burmainfo.org/env/recklessharvest_jp.html
 アジアの森林は驚くほどの速さで破壊されているが、今それは中国のせいだとされている。過去30年間で、日本の木材需要がフィリピンとボルネオの雨林の破壊につながった。環境保護論者らは、なんとも皮肉な成り行きも手伝って、今度は中国が残りの森林を破壊するのではないかと恐れている。1998年に森林破壊によるひどい洪水被害に見舞われた中国では、政府が長江と黄河の上流域での森林伐採を禁止し、他の地域でも伐採量を大幅に減らすよう命令した。しかし、こうして中国が国内での自然災害を防ごうとするにつれ、国外で大災害が起きている。国内での供給量の不足を補うため、中国はビルマからシベリア、インドネシアの森林を、大部分は不法伐採によって伐りつくしているのである。「悔しい状況だ」と北京のある森林保護専門家は述べる。「伐採禁止措置は中国の環境には良いのだが、国外の森林破壊につながっている。」
 中国はほとんど一夜にして、米国に次ぐ世界第二の木材輸入国となった(中国が輸入する未加工木材は1998年から3倍以上に増え、1500万立方メートルに達する)。非常に大きな原因のひとつが国内の伐採禁止措置だ。中国は現在、消費する木材の半分しか自国で生産していない。原因は他にもある。中国の新興中流階級が新しい家を購入し、政府が巨大な土木事業を行うにつれて国内消費量が急増していることだ。中国の世界貿易機関(WTO)加盟で木材輸入関税の大部分がゼロとなり、輸入が増加した一方で、パルプを始めとして紙、家具、装飾品の輸出が急拡大した。そのほとんどは欧米向けだ。WWF(旧、世界自然保護基金)北京事務所の森林プログラム代表、ズ・チュンカン氏は「雨林の破壊は中国だけのせいではない」と述べる。「生産者から消費者まで、皆に責任がある」


 国内外の森林を破壊しながら安く買い叩いた木材と、安い中国人労働者の人件費による製品で外貨を稼いでいるのが中国と言う国の姿なのですな。
 この辺の事情を知ってから、Letter from Yochomachiのご隠居さんの次の記事を読んでみましょう。

Letter from Yochomachi
余丁町散人の隠居小屋 - Blog
NHKクローズアップ現代:「中国に資源ゴミが買い取られてしまう」と危機感を煽る!
http://homepage.mac.com/naoyuki_hashimoto/iblog/C1310380191/E20080414201240/index.html
NHKは例によって「中国にやられてしまう、たいへんだたいへんだ」と大騒ぎしている:

クローズアップ現代
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2008/0804-3.html
崩壊するリサイクル
~資源ごみ 中国流出の衝撃~
日本が官民をあげて培ってきた「リサイクル」のシステムが今、中国のマネーパワーによって根底から揺さぶられている。今年発覚した製紙メーカー各社の再生紙偽装。その背景には、日本の古紙を中国企業が途方もない高値で買い集め、日本の製紙会社が「買い負ける」資源争奪戦の実態がある。さらにペットボトルなどの資源ゴミも中国への流出が加速。日本の再商品化業者が相次いで倒産し、国内リサイクルの輪が断ち切られる恐れが強まっている。空洞化が進む日本のリサイクル業界。一方、低賃金による人海戦術と最新の技術導入を梃子に、リサイクルビジネスの覇権を狙う中国。二カ国の実態をルポする中で、希少化する"ごみ再生資源"をどう確保していくのか考える。

アジア全体で考えれば立派なリサイクルの輪が完成している。何が問題なのか?

 d(・・。)、中国の木材事情を知っていれば、これがいかに稚拙で噴飯物の発言かがわかりますね。

そもそも「お上」の旗振りで無理やりでっち上げた日本の高コスト「リサイクルシステム」とやらは、経済合理性からほど遠いものだったのである。

 「ここ↓」と言うことで、武田邦彦教授のペットボトルの話をご隠居さんは紹介しているが、武田邦彦教授の紙についての記事もあるからそちらの方を紹介する。紙とペットボトルでは事情が異なりますからな。
 ちなみに、「ここ↓」をクリックしても出てくるのはご隠居さんのいい加減な記事。読むだけ時間の無駄かもね。( ^▽^)

武田邦彦 (中部大学): ジックリ考える 紙のリサイクル(3)
http://takedanet.com/2008/01/post_ff16.html
 一つは、「自由な国際資源流通」の中に、日本だけが「統制経済化の紙の資源の流通」が始まったことだ。だから、自由と統制がぶつかってギクシャクし出した。2008年に露見した製紙会社の偽装の根本原因がここにある。
 もう一つは、「ちり紙交換」という民が担当している時の方が、少なくとも古紙をちり紙が交換できた。つまり、古紙は「価値があるもの」だったのだ。少ないとはいえ、ちり紙交換が来てくれるとトイレットペーパーを2巻きぐらいは置いていったものだ。
 ところが「官製リサイクル」もしくは「環境運動家が指導する紙のリサイクル」が始まると、それに直接的な部分だけで税金を500億円も使うようになった。市民から見れば「それまでは古紙を出してトイレットペーパーをもらう」から「古紙と税金を出す」に変わったのだ。
 もし、古紙に価値があるなら、ちり紙交換が正しい。「価値があるからリサイクルしよう」といって税金を取るのは正反対だ。


 確かに、国の紙のリサイクルは経済合理性が無い。でも、視点がずれていては、その問題を理解することは無理ですね。
 日本人の税金によりリサイクルされた古紙が、中国の企業の利益になっていると言う問題には気がつかないのかな?
 さすが、中国株に無駄な投資をしているご隠居さんらしい。(^0^*オッホホ

 ちなみに、古紙のリサイクルが官主体になってしまった事情については次のとおりです。

古紙リサイクルの現状
http://www.vaw.ne.jp/aso/wknet/html/030126.htm
(O)変な話。それはこういうことなんです。だから社会経済のシステムをそこで上手にね。組み立てないと、必ずしも環境に良いとは限らないことになっちゃうんですね。ただ、全体としては、今、森林破壊が問題になってるわけですから、古紙を利用するというのはね、人の意識の面でもね。社会システムが良くなれば絶対良いわけですからね。その方向で努力するということはいい方向だと思います。
(K)なるほどね。こうして需要が増えれば、価格も上がると思うんですが、あのちり紙交換の業者さんも経営状態は高くなってるわけですか。よくなったわけですか。
(O)それがまたいかんところが難儀なところでね。ちょっとここにデータがあるんですが、僕もそういう業者さんよく知ってるので話するんですが、生活していけない、本当に大変な状況です。新聞でね。いい時に比べて、今の価格3分の1。製紙会社の買い取り価格ですよ。製紙会社が最終的に引き取るわけですね。古紙をね。製紙会社の引き取り価格で言うと、新聞古紙でだいたい3分の1。それから雑誌とかダンボール、今引き取ってくれませんね。というのはね。これもう全然採算取れないんです。雑誌で言うとね。ええ時の今4分の1。それからダンボールは、それ以下。だいたい5分の1から6分の1
(K)ダンボール良いって言われてた時期ありましたけどね。
(O)あったんですけどね。そんなになっちゃってるんですね。それが底値で、ほとんど動いてないです。
(K)きついですね。どうしてなんですか?これ。
(O)おかしいですね。需要があるのにねぇ。おかしいです。はっきり言わしてもらいますけど、これは製紙会社の事実上のカルテルがあるからです。そんなんわからないですよ。製紙会社が一斉に買い取り価格を決めるんですね。そこで、安い価格を決めるわけです。需要が爆発的に伸びてきた。さっきの輸出なんかは 3年ほど前から爆発的に増えてるわけです。増えてるさなかにね。去年だったかな、一昨年だったかな。一斉に古紙の引き取り価格を1円値下げしたんですね。キロあたり1円ね。値下げをした。今言うた3分の1、4分の1になってる言うたのは、製紙会社の引き取り価格でそうですから、輸送コストは同じようにかかるわけですね。しわ寄せはどこへ行くんか言うたらね。本当に末端のね。私たちの家へ回収に来てくれるね、あそこへ全部しわ寄せが言っちゃってるから、もっと価格は下がってる。大変な状態です。
(K)なるほどねぇ。でもね。品薄になってくると取り合いになるじゃないですか。
(O)そうなると、価格に反映する。それは経済原則。ところがね。それもそうはいかない。日本の古紙回収いうのはね。小林さんね。いつごろできたか言うたらね。室町時代。
(K)古いじゃないですか。
(O)その時分からのリサイクルなんですね。まさに、世界に冠たるシステムなんです。ヨーロッパはそういう伝統ないですから、難儀してるんです。紙の回収で。ところがね、日本が古紙回収、さっき言いました60%から回収できるいうのはね。室町時代からのね、伝統的なね。日本の世界に冠たるリサイクルの伝統があって、できてることなんですよね。もう世界に誇るシステムがある。日本の古紙回収システムいうのはね。ところがね。これで処理できないほど、紙が増加してきたいうのがひとつと、それからもうひとつはね。実はね。今言うたカルテルの関係なんかもあって、経営が維持できない。ということでね。非常にダメージが。かつてね。ボランティアなんかで、子どもの団体。少年野球なんかで、費用集めるためにね。もうやめちゃったですよね。
(K)やめちゃいましたね。
(O)とてもじゃないけど、活動費の足しにならんぐらい下がっちゃったんですね。そうなると、ところがね。行政が困るわけですわ。行政たまったもんやない。紙どんどん増えてきたら。ゴミ処理最終責任行政ですから。行政が税金で紙を集めるというふうになってきた。
(K)ありゃ。
(O)そうするとね。
(K)どういうことになるんですか?それは
(O)その紙はどこへ行くか。やっぱり製紙業者行くんです。だからね。その古い古紙のシステムに頼らなくても、製紙業界は行政サイドから紙の供給を受けることができる。だから需給が反映しない。だから税金で集めるのと、それ自体で民間業者が経営勝負するのと、それは勝負になりませんわ。
(K)それは安いですものね。税金で集めた方が。
(O)だからね。ほんまに痛し痒しなんです。今のシステムの中では、行政はそれはもう仕方ないですわ。焼却炉たまったものじゃないからね。税金使って紙集めると。行政がそないして税金使って紙集めた分、民間の業者の経営が圧迫されるというね。非常にまずいことになってるんですよね。そういうこともあって、せっかくその需要は増えてる。古紙がそんだけ利用されてね、外国にも輸出されて、有効利用されるというのは非常にいいことですが、今のシステムでは、なかなか、その古紙の回収で頑張っておられる業者さんのね。利益につながらないというそういう構造があるんですよね。
(K)難しいですねぇ。優れたこのリサイクルシステムって、室町の時代からあるもの残さないといけないんですが、難しい問題あるんですね。
(O)そうなんですね。このままではいけませんから、製造者責任はっきりさせる。だから紙を作る人、紙を使う人がもう回収に必要な費用、税金ではなくって、回収に必要な費用をそこに組み込んでしまう。それをですね。古紙の回収ルートですね。室町時代からあるその優れたルートに出していってね。その回収ルートを守っていくというようなね、社会経済のシステムを構築していかないと、せっかくのね。こういう動きが、リサイクルの推進と言いますかね。環境保護の方向にね、働いていかないということになると思いますね。
(K)具体的なこと言うたら、新聞もちょっと高くなるし、週刊誌も高くなるけれども、それによって回っていくということになれば、これしょうがないですもんね。やらなきゃいけないですよね。
(O)そのコストを誰が負担するかということは、社会全体、特に製造企業の製造者責任をはっきりさせてやっていくというシステムが、これから必要になる思います。


 官が古紙のリサイクルをする前に何をすべきだったか?
 古紙を買い取る側の製紙会社のカルテルの問題を解決すべきだったのではないでしょうか?
 もちろん、製紙会社のほうにもそれなりの言い分はあるでしょう。
 不法伐採と独裁体制により労働者の人件費を抑えて紙を生産している中国の企業にに技術だけでかなうはずがありませんしね。

 中国みたいな国に古紙を売る場合は、きちんと回収費用を計上して売りつける。
 中国みたいなデタラメな国の製品にはしっかり関税をかける。

 すべきことをきちんとすべきなのです。

日本メーカーは、日本の資源ゴミを原料にして中国で作った製品(段ボール)を中国メーカーから買っているとのこと。

 すべきことをしなかったから、こうなっただけの話である。

日本の製紙業界やリサイクル業界も、やたらニッポンイストのナショナリズムに訴えて何とかしてくれと泣きつく前に、少しは経済合理性の追求をやるべきではないか。

 私企業に公共性を求めること事態に無理があるのであるから、きちんとシステムとして成り立つやり方を、官が考えなければならないのであるが、まぁ、ご隠居さんみたいに目先の金の流れしか読めないような人たちには理解不能でしょうね。

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1 コメント

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盲目の徒 (FC)
2008-04-21 12:49:31
ご隠居に限らず「開き盲」はいっぱいいる。

目潰しを用意しているのに気づかない。

情報化社会と言われてるけど「味噌も糞も一緒」で得する奴が一番喜んでいる。

やっぱり「教育」が大事ですね。

「学習能力」さえあれば、もっと「見える人」が増えるのに・・・・

そうなれば「困る人」が多いのか。
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