福島市の公共施設で高濃度の放射性セシウムが検出されていたことが8日、NPO法人「市民放射能測定所」の調査で分かった。市立図書館の駐車場では1キロ当たり43万ベクレルを超えるなど、子供が日常的に出入りできる敷地で高濃度の汚染が判明した。
8千ベクレルを超す汚泥は、特別措置法で国が処理することになっており、同測定所は9日、石原伸晃環境大臣に実態調査を求める要望書を提出する。
調査は4月末から今月にかけて、県立図書館・美術館、市立図書館の駐車場8地点で土壌を採取して行われた。福島第1原発事故に伴う土壌汚染を測定したところ、7地点で1万ベクレルを超えていた。中でも市立図書館駐車場の植え込みで43万ベクレルを超す高い数値が検出された。
土壌汚染の報告を受けた福島市は7日、付近を立ち入り禁止にするなど現地調査を始めた。同測定所の丸森あや理事長は「高濃度のセシウムが検出された場所は除染が終わったことになっている公共施設だ。市民が普通に歩く場所であり、靴にも付着するおそれがある。ホットスポットが再形成された場合、行政はその対策と対処を速やかに行わねばならない」と話している。 (2013.5.9 )