「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

英国に留学して放射線研究に取り組む日本人医師ブログ

City of Belfast Youth Orchestraの演奏を聴きにUlster Hallへ

2019-06-16 | 留学全般に関して
6月15日夜にベルファストの中心部にあるアルスターホール Ulster Hallで、ベルファスト市若手オーケストラCBYO (City of Belfast Youth Orchestra)の演奏を聴きに行きました。
お目当てはアントニン・ドヴォルザークの『新世界から From the New World』(交響曲第9番)。私はこういう演奏会に積極的に足を運ぶような人間ではないのですが、友人やら同居人やらに連れられて、ここ最近はこの街で演奏を耳にすることが多いです。ドヴォルザークという名前を知らなかったとしても、誰もが一度は必ず耳にしたことがあるであろう『新世界から』を第一から第四楽章まで聴いてきたのでした。

時には昔の話をしましょうか。
私は小学生の頃に一時期ピアノを習っていました。しかし、親には申し訳ないような気もしますが、当時の私はまるで微塵もピアノに興味がなく、小学校の音楽のテストでひどい点数をとったものでした。そのうち野球や将棋に関心が出てきて、一方でピアノは完全に忘れられていきました。実家には誰も弾かなくなったピアノが今もポツンと残されています。
あの頃の私には、音楽を楽しむことが出来なかったのです。

だから、正直、私にはオーケストラとして演奏が上手いのか下手なのかはよく判りません。リズムや音階が合っているような合っていないような、ただ、なんとなくその調べに身を委ねてきただけです。すこし皮肉なことに、大人になってしばらくしてから、すこしずつ音楽を楽しむことが出来るようになってきた気がします。

それにしても演奏している楽団の皆さんの楽しそうなこと、楽しそうなこと。
「人生を楽しむとはこういうことさ」と。
なんだか、そんなことを言われたような気がしました。

大学内にはあまりBrexitの混乱はなく…

2019-04-10 | 留学全般に関して
英国に戻ってから体調は悪いままで、困っています。とはいえ、今秋の大学院修了に向けてやらなければならないことははっきりしており、おちおち寝てはいられません。本学もそうですが、英国の研究大学の場合、博士論文は200頁以上ということになっていますから。

Brexit(英国EU離脱)をめぐる騒動もいよいよ大詰めですが、学内にはあまり混乱の気配はありません。私の大学院の友人達もEU出身者ばかりですが、皆さん「なるようになるべ」という感じで自然体でいます。私のボスも英国紳士の1人として以前はよく「Brexitは愚かしい」と嘆いていたのですが、最近ではもう「どうにもならない」という感じで、あまり話題に出しません。
う~む、個人的には、今回のBrexitは個人的には世界史に残るかもしれないイベントだと思うのですがね。現地では意外と盛り上がっていないような印象がありますね。
先月、大学から「Brexitあるけど、混乱が生じないように努めます」という趣旨のメールがありました。今のところ、大学側の思惑通り、あまりたいした混乱は生じていないようですね。

今日も大学院のEU出身の友人L君と話をしたのですが、彼もBrexitのことよりも、博士号取得後の就職先が正式に決まっていないことを嘆いていました。まあ、とりあえず、自分の目先のことの方が大事だよねえ。うん。

8年が過ぎて…

2019-03-11 | 留学全般に関して
天が涙を零したのでしょうか。
今日、東日本大震災で大きく傷ついた宮城県には雨が降りました。

あの日3.11から流れた月日「8年間」を長かったとみるか、短かったとみるかは人それぞれかもしれませんが、私自身はあっという間だったような気がします。東日本大震災と福島原発事故によって私の近しい身内には死者、行方不明者はありませんでしたが、あの出来事によって私の人生を大きく変化したような気がしています。8年前の私に今の私のことを想像出来たかといえば、まず無理でしょうね。

本日、献花をさせて頂く機会がありました。私の前にすでに多くの花々が供えられていました。
あの日の悲劇によって命を落された多くの方々のご冥福をお祈りいたします。

久しぶりに論文が通った…

2018-12-18 | 留学全般に関して
恥ずかしながら、今日はイン・キー状態になって一時的に部屋から閉め出されるという失態を演じました。ジョギングのために部屋を出る際に、色々と考え事をしていたら、ついうっかり鍵を部屋の中に置いたまま外に出てしまったのでした。部屋を借りた不動産屋さんでスペアキーを借りてなんとか生還しましたが、顔から血の気が引く思いでしたね。英国に住んで2年以上が経ちますが、鍵を持たずにフラフラと外に出てしまったのは初めてです。

実は、昨夜、久しぶりに自分が書いた論文が採択されました。
おそらく、約1年ぶりくらいだと思います。医者になってから、こんなに長い間論文が出なかったのは、初めてでした。何のために留学しているのかと、すこし苦しい思いをしていたし、焦りや嫉妬がなかったとは言えません。もちろん、本命の論文はまだ通っていませんし、現在進行中の実験で得たデータで新しい論文が書けるでしょうから、もっと研究留学の成果は上がるだろうとは思いますが、それにしてもようやく苦境を脱しつつある感じです。

私も叶うことならばNatureやScienceなどの注目を集めるジャーナルに研究成果を発表したかったのですが、自分の力量不足で、なかなか良いジャーナルに論文を通せずにいました。研究者は「Publish or Perish(論文を出版せよ、さもなくば滅びよ)」という世界で生きていますから。結果が認められなければ、論文にならなければ、滅びるしかないのです。私も滅びるしかないというか、もう放射線の研究をやめるしかないかなという思いは今も残っていますが、それでも最後まで努力を続けたいと思います。
幸いというべきか、来年帰国した後の職場には目処がつきつつあり(まだ確定した訳ではありませんが)、放射線を使った研究を続けようと思えば続けられるはずです。そういう環境がまだあるのであれば、頑張るしかないでしょう。

すこし体調も良くなってきました。
なんとか新年を明るい気持ちで迎えることができそうですね。

音楽は絶えない

2018-12-11 | 留学全般に関して
本日は、心機一転、友人とコンサートを聴きに行きました。といっても、本学の学生有志による演奏会です。本学には音楽部が設置されており、主にそこに所属する学生さん達による活動が盛んなのです。友人はギターリストでもあり、とにかく音楽大好きな人なので、あちこちの音楽イベントに参加しています。そして、時折、思い出したかのように私を誘ってくれるのです。
持つべきものは、やはり、友かな。

彼は私と違って、学位取得後も、同じラボにポスドクとして留まるつもりみたいで、この英国北アイルランド首都の街が気に入ったみたいです。実は、彼は幼年期に戦争体験(内乱体験)があるようです。私も詳しいことは聞きませんが、20世紀末に東欧で幾つかの国々が独立した時に、彼はその地で過ごしたのでした。
音楽と平和を愛する苦労人の彼は、紆余曲折を経て、この街に辿り着きました。そして、今は欧州の製薬企業からのフェローシップを得て、本学大学院医学博士課程の学生をしています。すでにアルツハイマー患者における網膜の変化から幾つかのバイオマーカーを見出していて、それは新しい診断法の構築に結びつく成果になるかもしれません。

それにしても、音楽は良いものです。
学生さん達が奏でる演奏は、決してプロのような巧みさはありませんが、それでも伸び伸びとした自由がありました。ささくれた心を優しく慰めてくれたのでした。私も色々なことがあるとはいえ、生きてさえいれば、また新しい明日があることを知っています。だから今夜は音楽の調べに身を委ねながら、明日がきっと良い日になることを祈ったのでした。

ジョギングを本格的に再開

2018-11-30 | 留学全般に関して
謎の症状が出現して、最近、困っていました。私も医師の端くれとして、色々と自己診断を試みたのですが、いかんせん専門外領域ですし、各種検査ができないので、正確な診断がつきません。今すぐ死ぬわけではないので様子をみていますが、すこし困っているのはたしかです。運動不足も原因の一つにあると思われるので、最近、ジョギングとウォーキングを再開することにしました。

私は高校時代は陸上部だったのでした。医学部時代はフルマラソンを走ったこともあります。ということで、あまり治安が悪い都市ではないので「まあ、大丈夫じゃろ」と手ぶらでジョギングしています。好きなのはラガン川沿いの道ですが、大学周辺を中心に適当に走っています。

上の写真は、本学に属するカレッジである、ストランミリス・ユニバーシティ・カレッジ Stranmillis University Collegeです。このストランミリス・ユニバーシティ・カレッジはプロテスタント派の学生が通うカレッジになっています。よくジョギングなどで正門前を通過します。
このカレッジの立ち位置がいまいちよく判らんのですが、たぶん大学を構成する学寮ではなく、独立した学術機関でありながら学位認定を本学に委ねているパターンなのではないかと思います。英国は「カレッジ College」の意味が広すぎて、私のような日本で生まれ育った者には、すぐにピンと来ないのですね。たとえば、イートン校 Eton Collegeみたいなパブリックスクールもカレッジですし、オックスフォードやケンブリッジみたいに英国の伝統的なカレッジ制を持つ大学の各学寮をカレッジと言ったりもします。ケンブリッジのトリニティ・カレッジ Trinity Collegeは日本でも有名ですね。

(この建物は何なのだろう?)とか思いながら、ちんたらと街をジョギングするのも楽しいものです。2年以上も留学していますが、今でも、新しい発見があります。

英国の路駐事情

2018-11-13 | 留学全般に関して
はっきり言って、英国は路駐が多いです。
というか、基本的に公道を駐車場だと考えています。法律的にも、駐車禁止エリア以外の路駐はOKとなっています。とはいえ、私のような観光客目線でよく写真を撮っている者にとっては「あの車邪魔だな~」と感じることが少なくないですし、おそらく実際に日本から観光でいらっしゃった方々も「英国は路駐が多いな」と感じることがあるのではないでしょうか。
上の写真のように、住宅街になると道の両脇は路上駐車中の車で一杯になります。



それでは、どういう場所が駐車禁止なのかと疑問に思われるかもしれませんが、簡単に申し上げると黄色二重線の場所は禁止と考えればいいみたいです。私は英国では車に乗りませんし、交通ルールも詳しくは判りませんが、黄色二重線の場所(幹線道路、交差点付近、重要施設の周囲など)に停めている車はまずありません。



実際、大学などの周りでは、車を利用する方々のために公道に面して駐車スペースが最初から上の写真のように用意されています。もはや駐車場兼道路という感じですね。一時的に大学施設に立ち寄る方々や、その施設に勤務している方々などによって利用されていますね。

私も英国に留学してから2年以上が経ち、すでに路駐を当然だと思うようになりました。車庫証明などがきっちりしている日本と比較すると、英国は本当に適当に車を停めまくっているような気もしますが、そういった文化の違いにも慣れてきました。
もし、日本から英国にいらっしゃってレンタカーなどで観光される方々は、どうかお気をつけ下さい。最初は戸惑うかもしれませんから。

遙かなるベルファスト?

2018-11-06 | 留学全般に関して
私はずっと不満に思っていることがあります。ズバリ、「どうして誰も訪ねてこないんだよ!」ということです。
例えば、うちの医局の方々は誰も来ません。うちの医局の方々は誰も来ません。とても大事なことなので二度書きました。もう私がこちらに留学して2年以上になるのですが、日本の知人としては母校医学部関係者1名しかこれまで訪ねて来ませんでした(家族も一度英国へ来ましたが、彼らはあくまでロンドン観光をしただけでした)。
いや、ホント、これはどういうことなんでしょうかねえ?

たしかに上の地図を見て頂ければ判る通り、英国北アイルランド首都ベルファストはアイルランド島側にある都市なので、日本から来る場合には例えばロンドンで飛行機を乗り継ぐ必要があります。現在、日本からアイルランド島に直行する便はありませんから、アイルランド首都ダブリンに来る場合でもどこかで乗り継ぐ必要があるのです。
たしかに、面倒と言えば、面倒かもしれません。しかし、気合でなんとかなる範疇です。つまり、来ようと思えば、気合で来られるはずなのです。

では、何故、ほとんど誰も知人が訪ねてこないのか?

私の人望がないから、友達居ないから、孤独死まっしぐらだから、という理由はすぐに思いつきますが、いやいや、ちょっと待って頂きたい。そもそも、この街にはほとんど日本人がいません。アジア人を見かけても大体中国人です。彼らは地球上のアジア人は中国人しかいないとでも思っていやがるのか、私を中国人と決めつけて「ニーハオ」と話しかけてくることがあるほどです。
つまり、日本人がもともと来ないのです、この街は。地理的にはともかく、心情的にもとても遠く、遙かなる場所にあるみたいなのですね。

しかし、結局振り出しに戻るのですが、それでも「私がいる間に知人の皆さんは是非ベルファストを訪ねて来てほしい」と思います。張り切ってご案内しますよ。
だって、寂しいんだもん。

2018-19年度開始

2018-09-30 | 留学全般に関して
ついに2018-19年度が始まりました。私もようやく英国に戻ってきました。
一応、3年という予定で留学をしていますから、今年度が最後の年になるはずです。基本的に英国滞在中は、まるで世捨て人のように、ただ自宅とラボを往復する日々が続きます。日本で医者をやっている時と比べると、えらい違いですね。決して楽しくはないのですが、やるしかありません。私には為すべきことがありますから。



アイリッシュのアルコールと言えばマグナーズ・サイダー Magners Cider

2018-07-08 | 留学全般に関して
たしかに私はよくパブでギネスを飲むのですが、「こいついつもギネス飲んでんな」などと言われたので、たまには他のアイリッシュの飲み物を紹介しようかと思いました。アイリッシュと言えばギネスと同じくらい有名なのがマグナーズ・サイダー Magners Cider(上の写真)です。
サイダーと言っても、日本で言うところのシードル(リンゴ発酵酒)なので、アルコールが入っています。つまり、お子ちゃまは飲んじゃ駄目なのであります。

マグナーズはアルコール4.5%くらいなので強くはないのですが、フルーティーな味わいがあってジュースみたいです。昨年までBelfastに留学していた女性も口当たりが良いからということでよく飲んでいらっしゃいました。ギネスなどの黒ビールの味わいがすこし苦手な方には良いかもしれませんね。
どこのパブにも置いてあるし、TESCOなどのスーパーでも売っていますし、英国、アイルランド共和国のどこでも手に入る印象です。とてもポピュラーな酒と言えるでしょう。値段もリーズナブルです。

私もマグナーズ好きです。

夏の果物 フラットピーチ

2018-06-06 | 留学全般に関して
もはや夏というべき暑さで、大学へ歩いて行くだけで汗をかくような日が続いています。将棋の羽生さんが5連敗をしていて精神的にも辛いのですが、今年もこの時期の花粉症が本格的に始まってしまい肉体的にも辛いです。最近、英国での暮らしが最近はすこし苦痛になってきました。出来るだけ早く日本へ帰って、のほほんと暮らしたいものです。

英国では不便に思うことも多いのですが、英国の方が明らかに物価が安くて、有り難く感じることもあります。例えば、果物類はこちらの方が安いと思いますね。
夏が近づくとピーチが旬の季節を迎えるのは日本もそうですが、こちらでも6月くらいからフラットピーチ Flat peachesがスーパー店頭に並びます。上の写真は最近購入したフラットピーチの6コ入りで、価格は£49でした。つまり、1コが約10円ちょっとですね。
フラットピーチは日本では蟠桃と呼ぶそうですが、こちらに来てから好きになり、よく購入しています。よく地元のスーパーなどで売っているあんパンみたいにすこし平たい形をしていますが、桃らしく甘くて美味しいです。
フラットピーチにかぎらず、他にも色々な果物が安く手に入るのは嬉しいですね。

桃と言えば福島の名産品です。東北に居た頃に私が勤めていた病院の事務の方がよく福島の桃をお裾分けして下さったのですが、とても美味しかったのを思い出します。みんな、元気にしているといいなあ。

日本皇族の英国留学について

2018-06-03 | 留学全般に関して
皇太子家の長女の愛子さまが今夏にEton College(イートン校)へ短期留学する予定であるという報道を見ました。
昨秋から秋篠宮家の次女の佳子さまがUniversity of Leeds(リーズ大学)に留学していますが、これからも日本皇族による英国留学の歴史は続いていくのでしょうか。

皇太子もMerton College(オックスフォード大学を構成するカレッジの一つ)に留学していましたし、皇太子妃もハーバード大学卒業後にBalliol College(同じくオックスフォード大学)に留学していたそうですね。秋篠宮文仁親王もSt. John's College(同じくオックスフォード大学)に留学していました。他にも英国に留学していた皇族は少なくありません。彬子女王はオックスフォード大学で博士号(D.Phil.)を取得しました。こうして見ると、留学先として英国を選ぶ例がかなり多いような気がしますね。

なぜ英国なのか。コレガワカラナイ。

皇族としての「ある種の外交」としてならば英国に限らず世界各国に留学した方が良いような気がしますし、学術的な留学であるならば英国以外にも優れた学術機関は米国はじめ他国に数多くあるわけですから自然とばらけるはずでしょう。したがって、考えれば考えるほど、「英国だけでなく色々な国々へ留学するのが普通ではないのか?」と思うのですが。
はっきり言って、英国集中というのは異常でしょう。
たしかに英国は決して親日国家ではなく、日本国内に居てはおそらく気付かない(気付けない)であろう「日本に対する世界の厳しい視線を知る」という意味では、皇族教育にとっては良いのかもしれませんが。

個人的には、皇族が知的好奇心に溢れているのは素晴らしいことであり、国外留学によって世界各国の情勢を肌で感じる刺激は総じて有益でしょうから、「留学大いに結構」と思います。
しかしながら、どうせ留学するならば、皇族として、自身にとっても周囲にとっても有意義な選択をしてもらえればとも思います。もっとはっきり言うと、「国益」につながるような留学をして頂きたいと思うのです。たとえば、米国、中国に留学する皇族がもっといらっしゃっても良いでしょう。あるいは、シンガポールや中東で学んで頂いても良いでしょう。もしかしたら、アフリカの国も良いかもしれません。いずれに留学したとしても、そこでしか学べない「何か」があるでしょうし、日本の皇族がわざわざ留学することによって国際関係にも良い変化が生じるかもしれません。

皇族たるもの、伝統(?)、格式(?)、箔付け(?)とやらも大事なのかもしれません。英国が持つ長い伝統はそういう意味では魅力的に見えるのかもしれません。
しかし、先日、英国のヘンリー王子は、元女優とはいえアフリカ系米国人の血筋の一般女性と結婚しました。嫡系のウィリアム王子も同様に一般女性を伴侶に選んでいます。英王室は、身分や格式などに囚われない、新しい「王室像」をすでに示しています。
世界には新しい時代の風が吹いています。

これからの時代、皇族が国外へ留学する時、英国だけを選択肢とするのはいかがなものでしょうか。僭越ながら、我が国の皇族にはぜひ広い視野から道を選んで頂きたいと思っています。

英国のソウルフードといえばマーマイト(異議は認める)

2018-06-01 | 留学全般に関して
先のブログ記事で、マーマイトについて触れたら、「センセ、ま~まいとって何すか?」というご質問がありました。マーマイトをご存知ない方がどのくらいいるのか知りませんが、たしかに日本ではあまり見かけない気もしますね。
マーマイトとは、一言で言えば「英国のソウルフード」です。日本で言うところの梅干しみたいな感じでしょうか。みんな大好きwikipedia様によると、下記の通りです。

「マーマイト(Marmite)はビールの醸造過程で増殖して最後に沈殿堆積した酵母、いわばビールの酒粕を主原料とし、主にイギリス及びニュージーランドで生産されているビタミンBを多く含む食品。語源はフランス語で「調理用のふた付き鍋」を意味する「marmite」(マルミット)。本家イギリスのものは濃い茶色をしており、粘り気のある半液状で塩味が強く、独特の臭気を持つ。」

ジョン・ブルの皆さんは、この黒っぽくて粘りがあり、妙な臭いのするゲル状の物質をパンなどに塗りたくって食べるのが一般的みたいですね。私も、英国紳士の端くれ(?)として、時々は食べています。たしかにクセがありますが、マズくはありません(美味いとは言っていない)。ビタミンB群が多く含まれるので美容に良いという話もあります。将来的には世界中の女性に人気がでるかもしれませんね。
食べたことがない方はぜひ「ばがやろぉぉ、早く食え(by 木久蔵)」

メシマズで名高い英国ですが、実に興味深い不思議な食べ物は多いです。スコットランドが誇る「ハギス」なども有名ですね。私はエディンバラでハギスを食べて、色々あってその後吐いたりしましたが、マズくはないです(美味いとは言っていない)。

留学して2年近くになりますが、英国食文化の真髄、未だ見えず。

英国面に墜ちた留学生

2018-05-31 | 留学全般に関して
先日のブログ記事のタイトルが『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のED曲『フリージア』の歌詞の一部と一致していたからでしょうか、「止まるんじゃねぇぞ…💃」という励まし(?)のメッセージを頂戴しました。オルガ団長の有名な言葉ですね。
私はガンダムシリーズをあまり知りませんし、渡英後に放映された鉄血のオルフェンズはもちろん観ていませんが、オルガ・イツカ団長がある意味で「赤い人」シャア・アズナブル以上に有名なガンダムキャラであることは知っています。今度帰国したら、エヴァンゲリオンやスターウォーズやガンダムに詳しくていらっしゃる医局スタッフに、賛否両論ある鉄血のオルフェンズについて是非意見を聞いてみたいですし、もし時間があればDVDも観てみようと思っています。

また、『銀河英雄伝説』のリメイクアニメが放送されていると伺っています。
銀英伝は、私が思春期の頃に友達から勧められて文庫版を読みましたが、とても面白かった記憶があります。あの友人は京都大学に進学してしまい、高校卒業以降は会っていませんが、彼ならば銀英伝リメイクについて何を言っただろうかと思いました。
私ももういい歳ですが、日本のアニメについては「一つの文化」としてなかなか興味深いと思いますし、かなり好意的に容認しています。実際、外国人と雑談する時、ジブリの映画はもちろんDragon BallやNARUTOやHUNTER×HUNTERなどの有名漫画・アニメの知名度は高く、共通話題として非常に便利です。クールジャパン様々ですね。

さて、いきなりオタクな話をしてしまいましたが、実は日本と英国はこういうオタク的というかヘンタイ的なところがよく似ているように感じています。両文化とも実にユニークですし、やはり大陸国家の文化とはすこし質が異なっている印象ですね。
英国のヘンタイ的なセンスのことをスターウォーズで言うところの暗黒面(ダークサイド)ならぬ「英国面」と呼びます。
ミリタリーマニアの間ではずっと昔から「英国は頭がおかしい」ということが有名だったそうで、実際、軍事史上では英国は数々の変態兵器を建造しています。その他の分野でも、英国は他国の追随を許さない独創性を遺憾なく発揮しています。世界で初めて産業革命を達成しておきながら、機械化と合理化を嫌い、なにより余暇とティータイムを大切にするという英国的矛盾はやはり素晴らしいですね。英国では金曜日の午後からもうお休み気分で騒いじゃうのが普通ですし、スーパーでリンゴをレジで買う前からかじりはじめちゃうのも当然です。
ココが変だよ英国人という点を数え上げたらきりがありません。

はっきり言って、英国はヘンタイです。間違いない。

しかし、英国のちょっと変なところというのは、同じ島国だからかもしれませんが、日本人の私としてはなんとなく理解できるような気がするし、実際、紅茶の素晴らしさがすこしは判るようになりました。つまり英国に毒されてきました。
マーマイトにはなかなか手が伸ばせませんが、メシマズな英国風食事はもはや諦めの境地に達し、Butter(米国的にはバダーという)を「バタ~↑」と気取って発音するジョンブルどもにも慣れてきました。6月から始まるフットボールW杯でもイングランドをすこし応援してあげようかなという気分になっています。
これはもはや英国面に墜ちたということなのでしょうか。

どうしてこうなったor2

Early May Bank Holiday 夏の訪れを祝う日

2018-05-07 | 留学全般に関して
5月最初の月曜日はアーリー・メイ・バンク・ホリデー Early May Bank Holidayです。大学も休みとなります。5月には2つの祝日が英国にはあるのですが、その中の一つであり、夏の訪れを祝う日として各地でイベントが開催されます。
北アイルランド首都ベルファスト Belfastにおいては、今日は残念ながら曇り空となりましたが、私の友人曰く「Belfastにしては上出来でしょう」とのことでした。たしかに長い冬の間はほとんど天気には恵まれず、もはや晴天を期待する気分ではありませんね。
ただ、英国では5月は夏が始まる月になります。日本でも風薫る皐月ですね。これからの季節に期待と言ったところでしょうか。

上の写真はウエストベルファスト方面を鉄道橋の上から見たものです。生憎の曇りですが、冬の間は遠く丘の方に雪が積もるのが時々見えました。あの丘を越えたその先に、世界遺産「ジャイアンツ・コーズウェイ Giant's Canuseway」が広がっています。といっても、あの海岸線まではけっこう遠いのですが。

夏が待ち遠しいですね。