「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

英国に留学して放射線研究に取り組む日本人医師ブログ

一つの時代の終焉

2018-12-21 | 2018年イベント
羽生さんが今回の竜王戦に敗れ、ついに無冠に転落しました。数年前から勝率も振るわず、いつかこういう日が来ることは判っていましたが、やはりある種の寂しさにも似た感傷を覚えます。私は日本将棋連盟からアマ三段の免状をもらっているような将棋ファンでして、子供の頃は祖父と一生懸命に将棋でばかり遊んでいた記憶があります。羽生善治という人は、そんな私にとって、子供の頃からのヒーローなのです。

英国に滞在しているからかもしれませんが、私は将棋という江戸時代から続く伝統文化を非常にユニークなものと感じています。コンピュータの発展もありましたが、人間同士がしのぎを削って戦う盤ゲームとして、やはりある程度の文化的な価値をおくべきでしょう。まだ高校生の鬼才・藤井聡太七段も出てきて、今後の第一人者を担う人材になると目されています。能、歌舞伎、俳句のように、伝統芸能の一つとして、これからも保護すべき営みなのではないかと思っています。

30年近くにわたって将棋界に君臨してきた羽生世代の象徴である、羽生さんのタイトル失陥をもって、一つの時代が終焉をむかえました。そして、社会全体としても、平成という時代が終わろうとしています。個人的に、正直、喪失感を覚えています。平成という時代の終わりと共に、「自分の中の何かが終わってしまった」ような奇妙な錯覚に囚われているのかもしれません…

女性はコミュニケーション能力が高い? 順天堂大学の見解について

2018-12-16 | 2018年イベント
金曜日からずっと身体が痛いです。スカッシュという室内テニスみたいな競技を初めてやったんですが、童心に戻って遊んでいたら、かなり疲れてしまいました。でも、面白かったです。その後、水泳をやって、サウナにも入ったのですが、もう完全に身体がボロボロです。運動にはそれなりに自信もあったのですが、そんなちっぽけなプライドはあっさり粉微塵になりましたね。

さて、順天堂大学の入試得点操作に関する報道を、英国から拝見していました。「女子のコミュニケーション能力が高いため、面接で不利になる男子の点数を補正した」と説明し、医学的な検証の資料として順天堂大学が論文を提示してみせたとのことで、ちょっと興味深く思いました。もちろん笑止であります。
まさか三流私大が医学部入試でアンフェアなことをした理由として自分の論文を挙げられるとは、米国の研究者もまったく予想だにしなかったでしょうね。論文を提示してみせただけでアホなマスゴミを煙に巻こうとしたのかもしれませんが、曲がりなりにも大学というアカデミックな機関が行った対応としては、はっきり三流でしょう。

医学部医学科は、本来は自然科学の一分野である医学が学べる場所であると共に、臨床のプロフェッショナルである医師が養成される場所でもあります。
臨床はペーパーテストとは違います。必ずしも正解が用意されているとは限らない。どの答えを選んでも間違いということもあるでしょう。そんな場合に医師が果たすべき責任とは、よりマシな間違いを犯すことであり、マシであったとしても、間違いは間違いに過ぎないとちゃんと認めることです。われわれ医療従事者にとって、無責任とは、分からないことを分からないと告白することではありません。間違いに過ぎないものを正解だと正当化してしまうことです。
つまり、今回、順天堂大学はアンフェアなことをしていたのですから、アンフェアだったとちゃんと認めて、結果的に騙していた受験生諸君にお詫びをすべきだったでしょう。間違いを間違いとちゃんと認めることができなかったような大学に、教授たちに、果たしてちゃんとした臨床のプロフェッショナルを養成できるのかどうか、私は疑問です。

最近、日本の私立大学の医学部入試において、次々とアンフェアがまかり通っていたことが明らかになっています。私も、医師の端くれとして、非常に残念に思っています。

クリスマスプレゼント from Japan

2018-12-14 | 2018年イベント
本日、東日本大震災被災地から、豪勢なクリスマスプレゼントが私宛に届きました。すこし早いけど、予め何も伺っていなかったので、このサプライズにはとてもビックリしました。
でも、嬉しかったな、とっても…
私は中世の価値観「ご恩と奉公」で生きている人間なので、こんなことされたら、絶対に恩返ししなくちゃいけないという気持ちになってしまいますね。ホント、ありがたいことです。それにしても、こんなに日本の食材を送ってきてくれたのは嬉しいけど、よく税関突破できましたね。
なまらビックリしたよ~、もう。

世界初のゲノム編集ベビーを誇る中国人科学者

2018-11-28 | 2018年イベント
28日に香港で開催された学会会場に登壇した賀建奎 He Jiankui氏は「HIV感染が起きないようにゲノム編集した双子の女児は誇りだ」と述べ、同時に「大学には知らせず」にヒト受精卵に対するゲノム編集を行ったことを認めました。LuluとNanaという2人の赤ちゃんは健康な状態で産まれたとのことです。さらに、もう一組が現在妊娠中だとか。

わ~、世界で初めてなんて凄~い(棒読み)。
とでも言えば良いのでしょうか。ご本人はHIVに感染している親から産まれた子供がHIV感染しないようにゲノム編集することが出来て大層ご満悦のようです。たしかにHIVは脅威ですが、ゲノム編集技術も安全性にはまだ懸念があるわけです。しかも、ゲノム編集で本当にHIV感染を防げるのかどうかも疑問です。

Crisperと呼ばれるゲノム編集技術は2012年に開発されました。
開発をめぐっては特許裁判が起きましたが、現状ではジェニファー・ダウドナ Jennifer Doudna教授と、エマニュエル・シャルパンティエ Emmanuelle Charpentier教授の2名の女性研究者が最初に開発したと見做されています。この2人はノーベル賞以外の主な国際学術賞を総なめにしており、近いうちにノーベル賞も受賞するかもしれません。Crisperとは、もともと大腸菌の繰り返しDNA配列の発見から発展した技術なのですが、それを最初に報告したのは大阪大学の石野良純(現・九州大学教授)らでした。したがって、ゲノム編集技術の発展には、日本の貢献もあったと言えます。近年では、理論的にはCrisper/Cas9という高精度なゲノム編集技術がヒト受精卵にも応用できるのは判っていました。

しかし、実際に強行するとは…。
それも所属学術機関などに黙って実施しているわけで、恣意的に倫理委員会などのコントロールを受け付けない状態で、他を出し抜く形で実行しているわけです。つまり、この中国人は確信犯といえますね。たしかに「世界初のゲノム編集ベビー」はもしかしたら世界史に残る出来事かもしれません。しかし、こういう形で実行した研究者を認めるのは抵抗感があるというのが正直なところです。

中国で初の「ゲノム編集」ベイビーの誕生か!?

2018-11-26 | 2018年イベント
「中国でヒト受精卵にゲノム編集を施した双子の女児が生まれた可能性がある」と、BBCを含む世界中のメディアで報道されているようです。本当だとすると大変センセーショナルな事件で、もしかすると世界史に残るようなレベルかもしれません。

今回はHIV感染が起きないようにゲノム編集を行ったとのことですが、いわゆる「デザイナーベイビー(望みのままにゲノム編集を施された赤ちゃん)」に該当する可能性や、長期の安全性がまだ確立されていないゲノム編集技術をヒトへ施した点が生命倫理への配慮・モラルを著しく欠いている恐れもあり、少なくとも英国のアカデミアにおいてはかなり衝撃的な内容として伝わっています。

すでに理論的には可能な技術となっていた「ヒトに対するゲノム編集」ですが、欧米を中心に法規制が進められるなど慎重な議論が続いていた段階で、それらを出し抜くように臨床試験としてヒト受精卵のゲノム編集を実行してしまうところがいかにも中国らしいような気がします。日本でも現在法整備の準備段階であり、ヒト受精卵を用いた「研究レベルでの利用を可能とするかどうか」がまず議論されているところだったようです。

今回、禁断の領域に足を踏み込んだかもしれないと言われているのは、中国の南方科技大学(広東省深圳市)Southern University of Science and Technology in ShenzhenのProf He Jiankuiの研究グループです。もし本当ならば「世紀の大事件」になるかもしれませんが、しかし、大学当局は「把握していなかった」という意味不明の供述をしており、これから調査委員会が立てられるとのことです。大学関連者らが軒並み関与を否定しているとのことで、疑惑が疑惑を呼ぶというか、状況は混迷しています。それらの混乱も含めて、本件はいかにも中国らしい様相となっています。

正直、本当かどうか疑わしいですが、「理論的には出来るだろう」という点が不気味な説得力を持たせているのも事実です。

International Men's Day 2018 国際男性デー

2018-11-19 | 2018年イベント
本日11月19日は「国際男性デー International Men's Day」と呼ばれており、私の所属する医学研究所でも関連イベントが開催されました。といっても、皆で騒いただけですが。うちの研究所内には男性特有の癌腫である前立腺がんなどを研究するグループもあり、もともと11月をモベンバー Momemberとして、男性の健康維持に関する啓蒙活動など展開する期間に充てているのです。
国際的には、「男性と女性のジェンダー・バランスを是正しよう」という動きは年を経るごとに活発化しており、近年ではMomemberなどの取り組みなど、このようなジェンダー・バランスに配慮しつつ、性への理解を深めるためのイベントも各国で行われるようになりました。私が英国に来て驚いたことの一つが、このMomemberの大々的なイベントでした。なかなか日本では見られない景色でしたから。

日本社会はいまだに全体的に男尊女卑、あるいは一部で過剰なフェミニズムがあるように思います。つまり、やや極端なきらいがあるというか、すこしバランスが悪いような気がしています。
ジェンダー Genderとは、社会的・心理的な性別のことであり、生物学的性別であるセックス Sexとは、意味が異なります。たしかに男性と女性は生物学的にはっきり異なる点がありますが、それらの差異をどう捉えて、社会的にどう受け入れるかというジェンダー的な観点や考え方は、私たちの努力によっていくらでも補正できることでしょう。そして、それぞれの個人の努力を通じて、社会全体としてジェンダー・バランスに深い理解を持つことが出来るようになるのでしょう。
私の知人の女医さんが、以前に「日本は働く女性にとってはちょっと息が詰まるようなところがあるから…」と仰っていました。たしかに職場における産休や育児休暇など、社会制度の運用において工夫できるところは多々ありますし、もっとはっきり言えば、多くの人たちの意識の中に(無自覚に)男尊女卑の傾向が有るようにも思います。まだまだ、日本の社会の中でもジェンダーをどう考えるべきかというのは、変化の余地が大きいように思われます。

International Men's Dayなどの機会を通して、私たちの社会の在り方をたまには省みるのもいいかもしれません。私たち医学者は男性の健康問題を考えさせられる日として好適であると思っていますが、もちろん、もっと大きな観点から「男性とは何か?」を考えてみるのもありでしょうね。

3.5%と0.5% ~大学院リサーチフォーラム2018

2018-11-09 | 2018年イベント
今日は例年通りに本学医学系大学院フォーラムが開催されました。平たく言うと、大学院博士課程に在籍する学生が発表したり、討論したり、勉強したりする会ですね。私も自分の発表をすこしだけお話させて頂きました。しかし、このリサーチフォーラムのメインは何かというと、おそらく学生の発表ではありません。大学院側が最も注力しているのは、ここ数年、「博士課程修了後の就職」についてですね。本日も、リサーチフォーラムの中で教育講演があり、「いかにして大学院修了後に就職するか(主にアカデミア以外の分野で)」というテーマで多数の演題がありました。

今日、改めて教えてもらった3.5%と0.5%という数値があります。
これらが何を示すかというと、英国における博士号取得者の就職率を意味しており、それぞれ全アカデミックポストに就く割合と最終的に教授になれる割合です。つまり、博士課程を修了してPhDを取得した者が200人いたとしたら、そのうちの僅か7人だけが大学などのアカデミアで正規雇用終身ポストを得ることができ、さらに僅か1人だけが教授になれるということです。

マジすか!?(゚Д゚)
そんなに狭き門なの?

正直、私のように日本の医学部を卒業して医師免許を取得し、医局に所属している者にとっては全く関係が無い話ではありますが、改めて高等教育(Higher education)を終えた人たちの就職の厳しさを垣間見たような思いがしました。
そういう背景を知ると、私に対して「医者だからイイよな~」とやっかみ混じりに絡んでくる人たちの気持ちがちょっとだけ判るような気がしますね。とはいえ、私だって、それなりに努力して日本の国公立大学医学部に入学(私立の医学部には絶対に行きたくなかった)、6年間の専門教育を経て医師国家試験合格、2年間の卒後研修、さらに後期研修までしている訳です。「たとえ研究がうまくいかなくても、つぶしが効くからいいよな~」などと舐めたことを言われると、ちょっぴり腹立たしいですね。じゃあ、あんたも医者になれば良かっただろうと。
もっと正直に言えば「甘ったれるなよ、小僧」という感じでしょうか。

私の場合、大学院博士課程修了後は、日本の医局に戻ることになるかと思います。
問題は私がやりたい研究を続けられるかどうかですが、就職そのものについては心配していません。たとえ医局内において研究できないポジションに就いたとしても、臨床に従事することでおまんまを食えるだろうとは思います。
ただ、できれば今の研究を続けたいですね…


フルマッチングおめでとうございます!

2018-10-20 | 2018年イベント
福島県原発事故後も相双地域において中核病院として唯一診療を継続した病院である「公立相馬総合病院」が今回なんとフルマッチしたと聞きました。おめでとうございます!
フルマッチというのは、来年度の初期臨床研修医の募集定員数に対して充足率が100%以上のことを言います。公立相馬総合病院の定員数は3名なので、来年度は新しい研修医が3人着任する予定であるということです。たぶん、3人とも医師国家試験を突破して着任したら、3人の新研修医というのは病院で初めての出来事になるはずです。あの規模で3人も研修できるかどうかという問題はあるかもしれませんが、教育病院としては順調に推移しているといえるでしょう。
本当におめでとうございます。英国から応援しています。

医学部入試不正の問題 ~昭和大学編

2018-10-15 | 2018年イベント
*読者の方からコメントがあり、赤字部分を後日追加しました。

15日に「6年前から得点操作をしていた」と、昭和大学とかいう大学の医学部が記者会見しました。

どうやら多浪生を入学させたくなかったみたいですが、当然、募集要項に堂々と「本学は2浪以上の方は入学させたくないので、2次試験の得点を操作します」と書いてあるはずもなく、彼らが行っていたのは実にアンフェアなことでした。東京医科大学と同様、受験生という立場の方々に対して、一方的にずいぶんと惨いことをしていたように感じます。
年齢が高い(といっても他と比べて数歳程度でしょうけれど)方を医学部にとりたくないのならば、いっそ防衛医科大学みたいに堂々と年齢制限すればいいのに。
私はアンフェアなことをする連中が大嫌いなので、この私立大学のことも好きにはなれません。

患者さんもさぞかし迷惑なことでしょう。

「先生はどちらの医学部の出身ですか?」
「昭和大学です」
「……(この医者は大丈夫なのかな?)」

という会話が今後出てくることになるのでしょうか…
不正に医学部に入学し、不正に医師になった人たちが今までにどれほど多くいらっしゃるのか存じませんが(当然そのような公開データは存在しないので)、患者さんがそういう医者に身を任せる気にはなれないというのは当たり前の気持ちでしょうね。

また、昭和大学と東京医科大学の行為は医師全般への信頼性を損なうものであったと思いますし、卒業生の先生方にとっても(不正に入学していない方々にとっては)無念なことであったでしょう。

少なくとも6年前から得点操作していたのが事実であるならば、現在、昭和大学医学部に在籍している医学生たちはアンフェアな選抜方式で入学したということになります。ほとんどの学生さんたちには罪がないことではありますが、すこし厳しいことを申し上げれば、そういう医学部の卒業生らに医師国家試験の受験資格が本当に与えられていいのかどうか、しかるべき場所でちゃんと議論されるべきなのかもしれません。
なぜならば、募集要項に書いていないようなアンフェアなことを平気でやっている医学部が、「ちゃんと学生に医学部6年間の正規課程の教育を行いました」と言ったところで、誰が信じるのでしょうか。「またどうせアンフェアなことをやって、ちゃんと正規課程の教育ができていないのではないですか?」と問われても仕方ないでしょう。そして、そのように医学部6年間の正規教育がちゃんと行われたかどうかが信頼できない医学部で学んだ方々には、本当に正規の医師国家試験を受験する資格はあるのかということです。

実際、一部の私立大学の医学部は留年生がとても多いですし、医師国家試験合格率もきわめて低調です。医学生の選抜や育成に問題がある可能性もあり、そのような私大医学部に対して、税金を国からの補助として投入することにどこまで正当性があるのか。私には時々よく判らなくなります。
いっそ、でたらめなことをやっている医学部は廃止したらどうでしょうか。最近、新しい私立医学部も2つ作ったことですし、逆に減らすことを考えてもいいのではないでしょうかね。

怖いのは、これが氷山の一角にしか過ぎず、さらに他の医学部の入試に不正があったいうことが今後続々と見つかるかもしれないということです。正直、まだまだありそうな気もします。

今年2回目となるRoyal Wedding

2018-10-12 | 2018年イベント
12日にウィンザー城 Windsor Castleで今年で2回目となるRoyal Weddingが挙式されました。
今回の主役はお姫様です。エリザベス女王の孫に当たるユージニー王女Princess Eugenieが、一般人(?)のJack Brooksbank氏と結婚したのでした。王位継承権を有する王族の結婚ですから、BBCをはじめ各報道機関で盛大に報道されています。先日結婚したばかりの次男ヘンリー王子とメーガン妃も参列したのとことです。
現君主の孫(次男の娘)ということで、日本の皇族で言えば、秋篠宮家の眞子、佳子両内親王と同じ立場の方ということですから、なるほど、かなり王位に近い方々の結婚なのだな~と、ぼんやりとそんなことを思いながら、報道を見ていました。

今夏に日本に滞在した際、何件かお見合いらしきものを勧められましたが、全部お断りしてしまったのでした。冷静に考えると、自分のような夢追いびとが誰かを幸せにすることなんて出来るはずがありませんから、それで良かったでしょう。女性を不幸にするようなことは、やはり、したくありませんからね。
とはいえ、私の知人の多くもすでに結婚され、お子さんもいらっしゃるわけです。羨ましくないと言えば、それは嘘になるでしょう。私の春はいつ来ることやら…
Royal Weddingを見ながら、ふとそんなことを思いました。

クロアチアで国際学会 ERPW 2018

2018-10-03 | 2018年イベント
アドリア海に面した国クロアチアに来ました。
今週は欧州放射線防護週間 European Radiation Protection Week 2018という欧州主体の国際学会が開催されており、約250人の研究者が集まりました。日本からも数名の参加者がいます。

 


学会会場から歩いて10分程度でアドリア海です。私も学会をサボってすこし時間を作って、あちこち楽しく観光しています。中世の時代に島のてっぺんに作られた教会を中心に広がった街並みは、まるでジブリの『魔女の宅急便』や『紅の豚』に出てくるような、赤茶色の煉瓦作りの屋根が特徴的です。
穏やかな潮風に心が洗われるような気がしました。



今回、欧州の放射線学会連合からのTravel Awardという助成金を頂戴しているため、「行きたくはないけど行くしかない」という気持ちで参加しました。先月から色々と多忙を極めており、正直、疲れていたのでした。英国でゆっくり過ごす時間を取りたいと思っていました。

しかし、来て良かったな~。
アドリアの海はすごく青くて、自分の中途半端な青臭さが恥ずかしいね。

2018ノーベル賞ウィーク

2018-10-01 | 2018年イベント
今年もノーベル賞の季節がやってきました。
正直、私はしばらく日本人受賞者は出てこないだろうと思っていましたが、いきなり生理学・医学部門で本庶佑先生が受賞されたという一報が入りました。かなりビックリしました。
私の以前のブログ記事を御存知の方は、私ががん免疫チェックポイント阻害の分野で受賞者は「アリソン博士一択」と宣言していたことを覚えていらっしゃるかもしれません。あの時はすみませんでした、謹んでお詫び申しあげます。

京都大学医化学教室の悲願をついに本庶先生が成し遂げました。
きっと泉下で早石先生や沼先生もお喜びのことでしょう。

本庶先生のご研究履歴を考えると、明らかに先生のライフワークは「クラススイッチ組み換えの機序の解明」であり、おそらくPD-1の発見はその研究の「副産物」だったはずです。しかし、PD-1発見は後にオプジーボ開発に至り、多くのがん患者さん達を救うことになりました。社会的なインパクトの大きさという意味ではPD-1こそが最大の仕事と言えるのかもしれません。

化学、物理学でも、日本人研究者の吉報があるのでしょうか。
楽しみですね。

神域の島を歩く~南三陸・荒嶋神社

2018-08-11 | 2018年イベント
南三陸の青い海にポツンと浮かぶ小さな島があります。
その島に祭られている神社『荒嶋神社』を歩きました。あの日の津波はこの神域の島も襲い、海に浮かぶ朱い鳥居は流されてしまいました。残念ながら、未だに再建は果たされていません。

青い空と海に心を洗われるような日でした。
色々と思うところはありますが、私の悩みなんてちっぽけなものですね。






箱根~三島の旅

2018-07-22 | 2018年イベント
今日は神奈川県の箱根を抜けて、静岡県三島市まで足を伸ばして、ウナギを食べました。土用の丑の日は過ぎましたが、まあ誤差の範囲ということで。箱根大観山から芦ノ湖が見えました。本当は富士山も見えるはずなのですが、山に雲がかかって見えず。
三島のウナギは有名だそうですね。私は知りませんでしたが。

明日からまたしばらく出張です。
九州に行くのは久しぶりです。


西日本集中豪雨の被害の大きさ

2018-07-16 | 2018年イベント
ニュースなどで西日本集中豪雨の被害が採り上げられていますが、そのあまりの広がりに言葉がありません。21世紀の今日において、豪雨をきっかけにしてここまで大規模な災害になるとは…
護岸工事などは行ってきたのでしょうけれども、被害の大きさをみると、地球の自然の猛威をつくづく感じます。人間の営みなんて小さなものなのかもしれませんね。一方で、猛暑の中で復興に向けてボランティア活動に取り組んでいらっしゃる方々は本当に素晴らしいと思います。
人間の小ささと弱さと、そして強さを感じさせられます。