「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

英国に留学して放射線研究に取り組む日本人医師ブログ

日本皇族の英国留学について

2018-06-03 | 留学全般に関して
皇太子家の長女の愛子さまが今夏にEton College(イートン校)へ短期留学する予定であるという報道を見ました。
昨秋から秋篠宮家の次女の佳子さまがUniversity of Leeds(リーズ大学)に留学していますが、これからも日本皇族による英国留学の歴史は続いていくのでしょうか。

皇太子もMerton College(オックスフォード大学を構成するカレッジの一つ)に留学していましたし、皇太子妃もハーバード大学卒業後にBalliol College(同じくオックスフォード大学)に留学していたそうですね。秋篠宮文仁親王もSt. John's College(同じくオックスフォード大学)に留学していました。他にも英国に留学していた皇族は少なくありません。彬子女王はオックスフォード大学で博士号(D.Phil.)を取得しました。こうして見ると、留学先として英国を選ぶ例がかなり多いような気がしますね。

なぜ英国なのか。コレガワカラナイ。

皇族としての「ある種の外交」としてならば英国に限らず世界各国に留学した方が良いような気がしますし、学術的な留学であるならば英国以外にも優れた学術機関は米国はじめ他国に数多くあるわけですから自然とばらけるはずでしょう。したがって、考えれば考えるほど、「英国だけでなく色々な国々へ留学するのが普通ではないのか?」と思うのですが。
はっきり言って、英国集中というのは異常でしょう。
たしかに英国は決して親日国家ではなく、日本国内に居てはおそらく気付かない(気付けない)であろう「日本に対する世界の厳しい視線を知る」という意味では、皇族教育にとっては良いのかもしれませんが。

個人的には、皇族が知的好奇心に溢れているのは素晴らしいことであり、国外留学によって世界各国の情勢を肌で感じる刺激は総じて有益でしょうから、「留学大いに結構」と思います。
しかしながら、どうせ留学するならば、皇族として、自身にとっても周囲にとっても有意義な選択をしてもらえればとも思います。もっとはっきり言うと、「国益」につながるような留学をして頂きたいと思うのです。たとえば、米国、中国に留学する皇族がもっといらっしゃっても良いでしょう。あるいは、シンガポールや中東で学んで頂いても良いでしょう。もしかしたら、アフリカの国も良いかもしれません。いずれに留学したとしても、そこでしか学べない「何か」があるでしょうし、日本の皇族がわざわざ留学することによって国際関係にも良い変化が生じるかもしれません。

皇族たるもの、伝統(?)、格式(?)、箔付け(?)とやらも大事なのかもしれません。英国が持つ長い伝統はそういう意味では魅力的に見えるのかもしれません。
しかし、先日、英国のヘンリー王子は、元女優とはいえアフリカ系米国人の血筋の一般女性と結婚しました。嫡系のウィリアム王子も同様に一般女性を伴侶に選んでいます。英王室は、身分や格式などに囚われない、新しい「王室像」をすでに示しています。
世界には新しい時代の風が吹いています。

これからの時代、皇族が国外へ留学する時、英国だけを選択肢とするのはいかがなものでしょうか。僭越ながら、我が国の皇族にはぜひ広い視野から道を選んで頂きたいと思っています。


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