「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

英国に留学して放射線研究に取り組む日本人医師ブログ

大谷選手のサイクル安打達成の凄さについて

2019-06-14 | 雑記
野球というスポーツは英国では全くといっていいほど人気がありません。スポーツとしての知名度はある程度はあるものの、「ああ、アメリカで人気あるスポーツね」という感じです。野球と似ているスポーツとしてクリケットがありますが、英国ではそちらの方が人気なのです。したがって、大谷選手のサイクル安打達成というニュースに興奮するのは、たぶん、日本から来ている留学生くらいでしょう。
もちろん、私もその1人です。

私は少年野球をやっていて、県大会を何度か制覇したチームに所属していました。知人で甲子園に出場した者もいました。したがって、野球の世界において、大谷翔平選手がどれほど特異な存在で、今回のサイクル安打がどのくらい凄いのか、薄々ではありますが理解することができます。甲子園に出場することがどれほど難しいか、NPBプロ野球選手になって活躍するのがどれほど難しいか、MLBで活躍するのがどれほど難しいか、そのハードルの高さがなんとなく感覚でわかることが出来ますから。さらに、投手としても、打者としても活躍するのは…。
まあ、ここで彼のすごさを詳しく説明することは省きますが。
とにかく、彼は凄いのです。

この「どのくらい凄いのかが判る」というのは、意外と大事であるような気がします。
例えば、私は芸術関係に疎いので、ピカソの画を見ても、どこがどう凄いのかがよく判らず、困惑することがあります。また、モーツアルトのレクイエムを聴いても、どこがどう凄いのかが、イマイチよく判らないのです。
「凄いものが、どう凄いのか、理解する」というのは、なかなかどうして難しいのかもしれませんね。

研究の世界もそうです。おそらく世間一般の方は、例えば日本人で初めてノーベル生理学・医学賞を受賞した利根川進博士が「どう凄いのか」がイマイチ判っていないのではないかと思います。医学研究者になると、免疫や分子生物学が専門でなかったとしても、彼の業績の偉大さがすこしは判るので、そのあまりの頂の高さに呆然としてしまうのですが。

凄さが判るようになるのは、ちょっと、大変です。


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