ギターインスト仲間が、先日、2万3千円のカポを買ったとのこと。それを聞いたもう一人がまた買った。SHOWCASEというメーカー製。音がいいという。
2万ではとても手がでないが、これと似たもの(PAIGEというメーカー製)を以前音楽仲間からいただいていたが、脱着が面倒臭いので使っていなかったものがあるので、この際なので、それ以外の手持ちカポと合わせて比較してみた。
左から右に向かって:SHUBB製2個(上がローラーつき、下が最近のコストダウンバージョン)。PLANET WAVE製NS PRO CAPO。G7TH製 PERFORMANCE2 CAPO。右上:PAIGE製。右下:YAMAHA CP100。ゴム製のカポもありますが、手元にクラシック用しかなく、今回オミット。左の3種類はひらがなの”つ”形状。ゴムで弦を押えます。一番右は共に、輪っか状で上はビニール、下は樹脂?。左の3つと右下は、弦押さえ幅が結構広いです。右上は細めで、SHOWCASEはさらに細かったように思います。AMAZONで買うといくらか、書いておきました。
結果です。○、△、Xで表しました。MARTIN D-28(1971年製)の3フレットに装着し、開放弦 6弦、3、2、1弦のアルペジオ(Em)を弾きました。違いが顕著に出たのは、高音成分(倍音)の減衰速度です。○は高音の余韻が長く残ります。Xは高音成分がすぐに無くなります(低中音成分が残る)。△は比較的長いですが、やはり高音成分の方が早く減衰します。○は低中高全体の音が伸びて、一緒に小さくなって行きます。右下のYAMAHA製も高音成分が結構残るのですが、余計な響が加わって音色が着色された感じで△をつけました。
ギターインストのように響を残しながら、伴奏とメロディーを弾いていくスタイルには、これはもう、このPAIGEが良いと思います。すなわち同じ形状のSHOWCASEもいいと思います。歌の伴奏でジャカジャカ弾くようなスタイルでは、差はほとんど気付か無い。あえてよーく比較するとなんとなくわかります。気にしなきゃ気にならいが、気にしだすと物足りないかもしれない。
SHOWCASE製、PAIGE製、どちらもちょっと脱着が面倒臭いのが玉に瑕ですが、音は良い。YAMAHAは変な音色がつくので、カポ有無でイメージがずれます。ひらがな”つ”形状品は、脱着が容易でお手軽、ジャカジャカやるなら気にならない。
エンジニアなので、理屈を考える。ズバリ、弦押さえの材質とサイズ・形状だと思います。ゴムで比較的サイズがあるので、弦の線方向の動きを許容し、その分弦がフレットと接して入る所がコスレ、弦振動を抑制し音が小さくなる。高音成分(倍音)で顕著になる。ゴムのサイズを見ると、Xは厚く、△は薄いです(YAMAHAは除く)。PAIGEとSHOWCASEは、弦押さえ部は丸棒で、ビニールのチューブで覆われています。弦と接する所が点接触に近く、フレットと同じなので、このカポとフレットで弦が同じような力具合、同じような押さえ具合で、押さえられています。弦の線方向の動きがより抑制されているのでは無いでしょうか。
いやー、カポも奥が深いね。しかし2万円はいかんせん高い。このPAIGE製でもかなり良いと思います。ただ、PAIGEはネック押さえ部が鉄のママだったので、古くなった革製の手袋を切って貼り付けました。傷つく心配が無くなりました。また、弦押さえ部のひっかけるループ状の金具がかなり硬かったので、CRC−556を吹き付けそこそこ使えるレベルまで滑らかにしました。
で、ここで気付きました。私は、インスト系はカポは使わない(笑い)。ジャカジャカ系の歌で使うぐらい。ちゃんちゃん!