QAZのつれづれ日記

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神戸みやげの瓦せんべい

2013年05月17日 | グルメ

妻が中学の同窓会出席のため西下し一泊、母と私から餞別代りのお小遣いをがっちりせしめてルンルン気分で行って帰ってきました。
一応「おみやげは何がいい?」と聞きますので、神戸っ子の私は「瓦せんべい」をリクエストしておきました。

神戸みやげにはどんなものがあるでしょう。
神戸発祥の洋菓子にはアンテノール、モロゾフ、ゴンチャロフ、ユーハイムなど、これらは東京でも手に入ります。 
本高砂屋の金つば・銀つば、有馬温泉の炭酸せんべいなども有名です。
灘の銘酒では沢ノ鶴、白鶴、菊正宗、剣菱など全国区です。
食料品・お惣菜では灘の名産甲南漬、大井肉店の神戸牛、ドンクのパン、神戸コロッケ、老祥記の豚まん、いかなごのくぎ煮などでしょうか。

私は子供の頃からピーナッツ味の障子(格子)せんべいと並んで瓦せんべいが好きでした。
上京してからも帰神するたびにJR神戸駅そばの菊水の瓦せんべいをよく買い求めていました。


菊水総本店の瓦せんべい(他の店の類似品と区別するため、この店では神戸せんべいと呼んでいますが)は明治元年創業、2010年に業績不振から一旦店は解散しますが、すぐまた残った元従業員の熱意で再開されます。

初代店主と楠木正成、湊川神社との縁は深く、楠木正成を祀る湊川神社社殿建立の際に瓦を寄進する習わしにちなんで瓦型のせんべいを作り正成の勇姿をそこへ焼き入れた瓦せんべいを創出し、その功績から有栖川熾仁親王より菊水の姓を賜ったそうです。

ところで、今回妻の買ってきた瓦せんべいはいつもの菊水のではなく亀井堂総本店のものでした。
亀井堂総本店は明治6年創業、新しく考案したせんべいに楠公を焼きつけて自らの趣味であった古代瓦の収集にヒントを得て屋根瓦の形に整えました。
また似た名前の店に亀の井亀井堂本家もあり、こちらは亀井堂総本店からのれん分けされた店のようです。

同じ瓦せんべいでも菊水総本店と亀井堂総本店、亀の井亀井堂本家とは流れが別のようです。
味は良く似ていますが、同時に食べ比べたことはありませんので微妙な味の差はよくわかりません。

楠木正成を祀る湊川神社は地元神戸では楠公(なんこう)さんとして親しまれ、菊水総本店からも近い場所にあります。
楠公さんと言えば楠木正成・正行(まさつら)父子のこの世の別れを歌った唱歌「桜井の訣別」を思います。


桜井の訣別
作詞:落合直文
作曲:奥山朝恭

青葉茂れる桜井の
里のわたりの夕まぐれ
木(こ)の下蔭(したかげ)に駒とめて
世の行く末をつくづくと
忍ぶ鎧(よろい)の袖の上(え)に
散るは涙かはた露か

歌詞は6番までが良く知られていますが、15番まであるそうです。
「仕えまつれよ国のため」などの歌詞は今の時代に合いませんが、親子の別れの情は名旋律に乗ってひしひしと伝わってきます。
この5月24日から湊川神社では楠公祭が執り行われます。



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