QAZのつれづれ日記

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臨時記号の有効範囲

2017年08月17日 | 音楽

趣味でマンドリンを弾きますので楽譜をよく見ます。
楽譜にはシャープやフラットなど臨時記号が頻繁に出没します。
これら臨時記号のルールについては知っているようであやふやな部分もあったりしますのでまとめておこうと思います。


調号や臨時記号に使われるシャープやフラットなどをまとめて変化記号と称されます。
臨時記号の一つ、ナチュラルを変化記号に含めて説明しているケースも見受けますが、厳密にはナチュラルは変化記号には含まないようです。

臨時記号(本位記号を除く)を付けた音を派生音、本位記号を付けた音は幹音と呼ばれます。
誰でも知っている一般ルールは、調号が転調などで別の調号に変わるまでその楽譜でずっと有効なのに対して臨時記号はその小節限り有効なことです。

しかしここからが段々怪しくなってきます。

まず、臨時記号は同じ小節の同じ音名であってもオクターブ上や下の音には効力がありません。
この場合オクターブ上や下の音に念のためナチュラルをつける場合がよくあります。

このように本来臨時記号を付ける必要がない音に注意を促す意味で付けた臨時記号のことを親切臨時記号(Courtesy accidental)と称されます。
親切臨時記号を付けるのは自由ですが、付け過ぎて煩雑になり迷惑記号になってしまわないよう必要最小限にしておく必要があります。

オクターブ離れた同音名でも8va(ottava/オッターヴァ、オクターブの意)を使って音符が同じ位置に記されている場合は有効になります。
同じ高さの同音名でもピアノ譜のような大譜表などで段が違う場合は無効になります。
高音部譜表(上段)の音に♯がついていても低音部譜表(下段)の同じ高さの同音名には無効だということです。
同じ番号の小節であっても同じ小節内ではないからです。

タイでつながれている場合には、小節線を越えて効力が持続しますがタイのかからない音には効力が無くなります。
見誤りを避けるために次の小節のタイのかかる音に(次の小節が改行されて段が変わるような場合は特に)付け直した臨時記号はその付け直した小節全てにおいてずっと有効になります。
つまり


上の譜例で2小節目第1拍のソは♯のままですが2拍目のソには♯の効力が及びません。


上の譜例では親切のつもりでつけた2小節目第1拍の♯は2拍目のソにも有効になってしまいますので、親切臨時記号を付ける時にはいらぬおせっかいにならないように注意が必要です。

余談ですが調号でシャープのついた音をさらに半音上げるにはシャープではなくダブルシャープを用います。
臨時記号は調号と重複した効力を持たず臨時記号が優先されます。
臨時記号のある音符は調号を無視して読み取れば良いことになります。

関連ブログ:
調名の覚え方 (2016.08.25)



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