このところ、IPS細胞を利用した網膜再生の治験開始やアルツハイマー病対策薬
のダウン症患者への治験開始など、新たな「治験」が始まっています。
実は私が厚生労働委員会の委員として所属していたときにも「治験を各方面に広げ
るべき」という意見が多くありました。
最近の治験の広がりは、あらゆる病を持つ患者やその家族にとって希望の光となっ
ていることと思います。
例えば、ダウン症は、先天的な染色体異常が原因とされ、日本では1000人に一
人の割合で生まれるとの報告があります。
ダウン症は成長期には心疾患や知的な発達の遅れがあり、成人する頃には引きこ
もったり、日常生活が難しくなるなどの症状が見られます。
今回の治験では、これまで特定のアルツハイマー病に使われていた薬をダウン症患
者を対象に投与し、成人後の生活能力の低下を改善することが目的とされます。
今後、こうした治験が実を結び、ダウン症の患者やその家族が、僅かではあっても
将来の不安を払拭することができ、QOL(クオリティーオブライフ)の向上に繋
がっていくことを期待したいと思います。