このほど、16府県の知事で構成される「全国みかん生産府県知事会議」が『かん
きつ産地の体質強化に関する提案』をまとめ、公表しました。
みかんは身近な果物として広く普及していますが、実は多くの課題を抱えていま
す。
まず、みかんを生産する農家自体が減っていることです。
産地では、いわゆる担い手不足が深刻化しており、その影響から耕作放棄地が増加
の一途をたどっています。みかん畑は、山林の傾斜地を利用することから、実は山林
等の国土保全にも大きな役割を持っており、耕作放棄地の増加は見過ごすことのでき
ない課題です。
また、近年、若年層において食の簡便化(かんべんか)が進み、みかん等のかんき
つ類は「皮をむかなければ食べられないので面倒」という点から消費が伸び悩んでい
るそうです。
そこで、ガンや生活習慣病の予防に一定の効果があるとされているかんきつ類の消
費を伸ばす方法として、学校での食育を推進してみてはどうか、との提案もありまし
た。
そのほかにも、燃料代の高騰によってハウスみかん農家の経営が圧迫されている、
TPP交渉における立ち位置が不明確なので不安、鳥獣対策強化要請などの意見表明
もされています。
このように「みかん」ひとつを例に挙げてみても、実に多くの課題が山積している
ことに気付かされました。
微力ながら、こうした課題の解決に尽力させていただきたいです。