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昔の投手の情報を書きたいと思ってます

村上俊義

2017-03-13 16:38:26 | 日記
1964年

自由契約の宣告を受けた村上俊義投手を西宮市宮西町、夙川(しゅくがわ)苑アパート16号室にたずねて現在の心境をきいてみるとー。阪神香櫨園近く、夙川の堤防下にある文化住宅ふうのアパート、その二階いちばん奥が村上投手の住まいだ。「村上俊義、和美」の表札もまだ新しい。ガウン姿であらわれた村上は、さる十一月三日に生まれた長男、貴(たかし)ちゃんの寝顔をみながら「本当に考えてもいなかったことです」と、さびしそうな顔つきでこんごのことについての話をはじめた。「トレード要員、もしトレードの申し込みがなければ自由契約にするー一応トレード要員ということですが、もうお前はいらんということでしょう。ボクも、こんな商売ですから、ある程度の覚悟はいつもしています。女房にもいって結婚しました。しかし、今シーズンはこれまでの欠点だったコントロールもよくなって12勝した。自分でもピッチングというものがある程度わかったし、これをきっかけに・・・と思っていた矢先でした。こどもも生まれたことだし、はやく契約をすませて故郷の福岡県の両親に孫をみせようと考え張り切って出かけました。ところが自由契約でしょう。ショックでしたネ」村上は一気にしゃべった。「やる気がない、二軍ではよくとも一軍では通用しない。といったことがいわれているようだし、藤本監督はウチは投手陣が豊富だから、村上自身のためを思ってトレード要員にしたといっているともきいた。でも、やる気がなくて12勝もできるでしょうか。一軍で通用するかどうかということも、実際にやってみなくてはわからんでしょう。昨年までは腕、腰と故障がちだったので、こんどこそ機会を与えてもらっていいと思っていた。しかし、九州地区のオープン戦も、ちょっと投げただけで、すぐ帰される始末。力を発揮する間もないですヨ。いろいろいいたいことはありますが、球団がいらないというならどうしようもありませんがネ」いまさら文句をいっても仕方ないというのが村上の心境である。自由契約までの条件であるトレードについては「申し込みがあれば球団から連絡するということになっていますが、ボク自身はまだまだ野球をつづけたいから、トレード話さえあれば喜んで応じますヨ。でも相手がなければ仕方がないし、自分で話を進めるといってもルートがありません。当分はこどもの相手をして申し込みを待つつもりですが、ダメだったら故郷に帰って商売でもしなくてはいかんでしょう。残念ですが仕方がありませんヨ」トレード申し込みにすべてを託している村上だが、この希望はかなえられるだろうか。

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