明日は明日の風が吹く

60にしておひとりさまに。
この先、どんな人生になるのやら?

ひと月ぶりの面会

2023-10-19 | 母との確執
サ高住に入居した母に、ひと月ぶりに会いに行った。
このひと月で電話で話したのも一回だけだし、
「アンタ、誰?」と言われるかと思ったが大丈夫だった。

デイサービスには約1年半通ったし、ケアマネさんは毎月訪問してくれたのに、
とうとう最後までひとりのスタッフさんの顔も名前も覚えられなかったのだ。
孫やひ孫の名前はもうとっくに忘れている。

「どう?ここにはもう慣れた?」
「うんまぁまぁやな」

食卓と椅子(一脚だけ)、ローテーブルやキャビネットなど
家から運び込んだ見慣れた家具が置いてある。
前の広いリビングよりこじんまりと居心地良さそうだ。
入所時はコロナ騒ぎでゆっくり部屋の中を見る余裕もなかった。

会話はほぼ私が質問して母が答えるが、どれも当り障りのない答え。
ほんとに私とわかってる? あまり目も合わせない。

「何か欲しいものやしてほしいことがあったら、
 〇〇さん(義妹)かスタッフさんにちゃんと言うんよ」
まず自分からは言わないことはわかっているが、一応言っておく。






テーブルの上に塗り絵の本があった。こないだ私が買ったもの。
「あら、一枚も塗ってないやん」
「もうちょっとしたらやるわ。まだ二日やからそんな気にならへんねん」
「??? 何が二日?」
「まだここに来て二日しか経ってないから、どうにも落ち着かん」

( ̄□ ̄;)!!

「今日は10月の17日よ。ここに来たのは9月の26日。もう3週間経ってるんよ」
「えー、そうやった?」
やっちまったぜ、という顔の母。話題を変えてくる。

「知らん人が部屋に入ってくるねん。黙って入ってきて、私のモノを盗っていく」
「誰が入ってくるの?職員さん?それともほかの利用者さん?」
これには答えず、
「ノックも挨拶もせんと勝手に入ってくるんよ」
「何を持って行かれたん?」
しばらく部屋を見まわして、「ティッシュ。ティッシュの箱」
「ふーん。今度入ってきはったら、やめてくださいって言いね」

見回して目に入ったのがティッシュの箱。作話っぽい。
でも物盗られ妄想は前からあるし、怒り顔で真に迫った話し方をする。
「前はお父さんの大理石の時計を盗られたし」
大理石の時計?何だそりゃ?
これ以上妄想が昂じなければいいが。

感情が露わになったのはこの時だけで、
あとは何を思っているのかどう感じているのか、
居心地いいのか悪いのか、表情からは読み取れない。

爪が伸びていたので、切ってから帰った。
おそらく部屋を出た瞬間にもう私が来たことは忘れているだろうね^^;