多分駄文のおじさん日記

我輩は駄文を書くおじさんである。旅、音楽、MLB、株式投資、etc., 日々想いつくままに思いを巡らすのである。

ビンタン島: バンヤン・ツリー・ビンタン Part-4

2005-01-08 15:38:02 | Weblog
このバンヤン・ツリーで最も印象に残ったのは、横長に大きく拡がる敷地の中央部にあるTheCoveレストランの隣にある小型・円形のプールであった。

森を遠慮がちに切り開いた傾斜地部分に、木越えに南シナ海を見下ろす絶好のロケーションにあるこのプールは、深い青色をした神秘的な芸術品だ。

プールの青、海の乳白色がかった水色と、それより更に薄い空の水色、プール縁りの漆黒色、そして樹木の茶色と深緑、更に、プール水面に映る木々の影の薄黒色がほど良く調和して宝石のような輝きを放っている。ひと目このプールを見た瞬間から、何か一気に魅入られてしまった。まさにプールであってプールでない、記憶の中に深く残る宝物を見つけたような気分であった。

選ばれた人だけが訪れる、というような雰囲気のホテルであり、あまり客人で混雑する場所は少ないのだが、このプールを見て我輩と似たような心境になるのでもあろうか、このプールは泳ぐプールではなく、見るプール、とでも言うのであろうか。或いは、その美しさをそこで泳ぐことによって汚したくない、というようなメンタリティを惹起する部分もあるのだろう、此処で泳いでいるものは誰一人居なかった。 

これまで見たプールの中では最も美しいものであった。

ビンタン島: バンヤン・ツリー・ビンタン Part-3

2005-01-08 14:06:44 | Weblog
アジアン・リゾートの華はやはりビーチであり、これなしに有力ホテルは客を呼べない。
ホテルはそのために如何にその場をリラックスした、優雅な空間とするかに手腕を振るう。またダイビングやその他マリーンスポーツが楽しめる施設の有り様を競う。超一流ホテルのビーチ施設はいつも何かで心地よい驚きを提供してくれる。
その期待感を持つだけでも、良いホテルに来訪する価値があるものだ。

ここバンヤン・ツリー・ホテルは、ビーチそのものはさほど評価として最上級を与えられるほどではなかった。
海水の透明度とか、熱帯魚の生態が直接楽しめるシュノーケリング等は残念ながら楽しめなかったので、数少ない減点ポイントとなった。半年前に行ったサイパンの海での高いポイントと比べるとやや退屈ではあった。

でも、もしかして、この「退屈さ」がいいのかもしれない...。
大きく広がる砂浜に打ち寄せる波の行き来をぼんやりと見ているだけでも、東京の異常な時間の流れようとは全く異質なゆっくりと流れる時間を体感することが出来る。
太陽の陽射しで乾いた咽喉をビールで潤おし、うとうとまどろむことの何と贅沢な時間のことよ。

ビンタン島: バンヤン・ツリー・ビンタン Part-2

2005-01-08 01:04:32 | Weblog
宿泊した部屋の特異崇高な空間に大いに感激したおじさん二人組であったが、一息つくとホテル敷地を色々探索してみようということになった。H兄も我輩も、どちらかというと、始終動いていないと気が済まない性質の人間だ。

敷地はアジア的な緑の豊富な空間である。ホテルの住人も殆どすれ違うことは稀であり、自分達がこの広大かつ静寂なる空間を支配する特別のゲストである、という妙な優越感をくすぐられる。

上の写真は、部屋の近くの通りで偶々見つけたモニュメント。
「見ざる言わざる聞かざる」だ。日光東照宮の左甚五郎作の同名の彫り物があるので、あれがオリジナル、「見ざる言わざる...」はてっきり日本産なのかと思っていたが、こんなところにもあった。英語では何と言うのであろうか?

辺りを散策すると、時々インドネシアの民族衣装風なホテルユニフォームを纏った従業員とすれ違う。概ね皆若く、純真そうに見える。ホテルの教育というか方針が良いのであろう、客とすれ違う時には必ず胸の前に両手を合わせ合掌スタイルでこんにちわを現地語で言い、微笑んでくれる。その様がわざとらしくなく、汚れのない純粋な挨拶に見えて、好感を誘う。
挨拶ひとつだけで心が和むことなどありえない日本と違った新鮮な感覚で、ここにも、Something special なところを感じさせられる。 
やはり現地のベストホテルを選んだ、ということは、色々な意味で良い気分になるものだ。
なお、後でホテル室内に備え付けてあるブロシャーを読んで知ったが、この従業員の挨拶はこのビンタン島があるインドネシアの流儀ではなく、タイ流であるという。シンガポールではないが、ここも「ごちゃ混ぜ」である。