森井教授のインターネット講座(神戸大学大学院工学研究科教授 森井昌克)

1996年から2009年3月まで朝日新聞に連載してました森井教授のインターネット講座のネット版(もどき)です。

読売新聞:『「闇の職安」強盗、主犯格を起訴…大阪地検』へコメントいました.

2007年11月08日 22時06分31秒 | Weblog
11月7日付けの読売新聞朝刊での記事:『「闇の職安」強盗、主犯格を起訴…大阪地検』でコメントしてます.

掲示板の匿名性を犯罪に利用することによって,いくつかの事件が引き起こされています.この対策として,「サイトに有害情報が見つかった場合、そのページからクリック一つで通報できる仕組みなども検討すべきだ」とまとめたのですが,これを説明すると,不特定多数が利用する掲示板は,監視されているという意識を持たせることが悪用への防止策の一つです.必ずではないにしろ,高い確率で犯罪に利用された場合,その利用者は特定されてしまいます.あるいは,重要な手掛かりや証拠となって残してしまうことが常です.このことを周知させ,かつ監視されている意識を持たせることです.たとえば,株式投資に関する掲示板では,「風説の流布」への取り締まりとして,その可能性がある記事を通報する仕組み,たとえば,その掲示板の記事の特定のボタンをクリックすると自動的に通報される仕組みがあります.そして,かならず記事のどこかに,「通報される可能性がある」という注意書きがあります.このようなことを応用できないかということです.もちろん,「闇の職安」のようなサイトが自ずからそのようなシステムを付けるわけがありませんので,ブラウザが,そのような掲示板を特定するか(ちょっと難しいかも知れませんが,不可能ではないはずです),特定できないなら,ブラウザのボタン(機能)の一つとして,通報ボタンを設置して,そのボタンを押せば,閲覧しているサイトの情報を監視組織に通報するような仕組みをはじめから用意しておけばよいのです.用意できなくても,たとえば,政府機関がウイルス対策や危険なサイトを知らせるツールバーの一つの機能として用意すれば良いでしょう.「いたずら」が心配されますが,それよりも防止効果が期待できると思います.