一枚の板をけずるにしても、
もし道具がよく切れなかったならば、
まっすぐに凹凸なしに平らかに
その板をけずることはできない。
かくて仕事の質は低下する。
質のみならず、
切れない道具で板をけずるならば、
仕事に要するエネルギーが多く浪費せられ、
多く労しながら仕事の質と量とが低下してしまうのである。
世の中には吾々の道具である所の肉体が
錆びた大工道具のように、
いつも不健康で鈍(なまく)らであるがために、
善き仕事をしようと思いながらも
できないで斃れてしまう人が
随分沢山あるのである。
『 生長の家 』 誌 昭和二十四年三月号
「 完全なる生活設計 」 八日の法語 谷口雅春先生