「魚よし」(日吉)

          

 これまでのサラリーマン生活の中で最も美味かったビジネス(仕事中)ランチ店は・・・。お偉方のご同伴でご馳走になった高級店を含めてもあれは美味かったなあと忘れられないのは、広島の紙屋町交差点(街一番の繁華交差点)近くの少し古いビルの一角にあった食堂です。今となっては店名も覚えていないのですが、確かその近辺に長年勤務されていた老年の関係者に教えてもらったのだと思います。
 さばの塩焼きの専門店・・・だったと思います。もし他のメニューがあったとしても注文したことはありません。厨房を囲むようにカウンター席が15席ほど。元気のいい女将さんがいて、さばは腹と尻尾とどっちの方がいいか聞いてきます。後はご飯と味噌汁なのですが、味噌汁に卵を落とすのか、その卵はどのくらい火を通すかなど細かな注文ができました。美味かった。焼き魚の美味さに目覚めました。ご飯と半熟の卵入りの味噌汁との三者が完璧にきまっていました。最高。
 「沙華菜」(中華料理)、「一楽章」(カレー喫茶)、「サン・カレー」なども好きでしたが、さばの塩焼き屋に週3~4日は通ったと思います、週5日もありました。料金は覚えていませんが高くはない普通の値段だった筈です。忘れられない(肝心の店名などいくつも忘れていますが・・・)定食屋です。

 前置きが長くなりましたが、以前、不動産屋の担当者から日吉の商店街で美味しい店として教えてもらっていた「魚よし」です。少し高いけど魚がおいしいと彼は言っていました。

 このことを何年振りかに思い出して行ってみました。中央通りのずっと先、大手塾の手前です。店構えがこじんまりとして分かりにくく何度か周回してようやく見つけました。

 店内は奥にまっすぐのカウンターだけです。10席くらい。間接照明で落ち着きがあり、バーの雰囲気です。もしかしたら本当に元バーを居抜きしたのかもしれません。
 温厚な雰囲気の男性が接客、給仕で、見えませんが奥にいる女性2人が調理担当です。手書きのランチメニューがあり、魚料理が6~7種類に揚げ物1種類くらいです。まずはさばの塩焼きです。

 ビールを飲んで暫く待つと、ジュージューと焼き上がったさばが出てきます。口にすると・・・うまい、脂がのっていて堪りません。落ち着いた店内雰囲気とは違和感がある(?)大盛のご飯です。このご飯に辛子明太子のように少しずつさばを絡めながらいただきます。さばも美味いけど、ご飯も美味い。うまい焼き魚にはご飯が必要ですね。しみじみと旨みを噛み締めます。

 定食1050円と少し高いのですが、満足感も十分です。昼に焼き魚なら「魚よし」です。


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