「第69期将棋名人戦七番勝負全記録」

               

 もう前のことになりますが今年の将棋の名人戦は森内九段が4勝3敗で羽生名人を下し、名人位を奪還しました。

 この7戦の模様は当日、テレビとネットで観戦して、その後、「将棋世界」の解説も眺めていますが、最終的にはこの単行本を読んで完結します。

 私のような素人は、10~14分割しての詳細の解説、勝負どころの説明がないと正直よく理解できません。どの手が優勢の起点になったのか、どの手が失着だったのか。単行本でじっくり熱戦を振り返ります。

 いろいろと書かれているとおり最近は羽生名人の衰えを感じるというか、全盛期を過ぎたのではと首を傾げる将棋をたまに見るようになり、この名人戦についても正直、一局一局では若干盛り上がりに欠ける戦いになった印象もあります。秒読みが始まってもまだどちらが優勢か不明という混戦は(今回に限らず)最近少なくなっています。羽生さんの震える手はもう見れないのでしょうか。
 それでも居飛車の本格派の対戦、伝統の一戦で将棋の純文学たる矢倉を3局も観られるのは幸せ、ワクワクします。昨年が横歩取りシリーズで矢倉が一局もなかったので尚更です。

 名人戦の主催が毎日新聞と朝日新聞の共催になったので、この本を朝日新聞版で買うのは初めてです(昨年は4戦で終わったので読んでいません)。私は毎日新聞将棋欄伝統の〇好手、△作戦、?疑問、×悪手(マークは違うかも)を使った表記が分かり易く好きなので、それがないのは残念ですが(解説も若干玄人向けのような・・・)、ようやくあの震災後の4月から始まったシリーズで何が起こっていたのかを少し理解できました。


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