カザルス/マルボロ祝祭管「ベートーヴェン7番・8番」







 ベートーヴェンもモーツァルトもバッハも何も聴きたくないような時期にそういえばと取り出してそれから夢中になって聴き続けることがあるのはこういう内容主義の濃い演奏だったりします。
 チェロの神様と称されたパブロ・カザルスが晩年に招待されて出演、指揮した珠玉のライブの記録。
 スタイリッシュで高速のカルロス・クライバーの真逆にあるというのか旧時代的な表現かもしれませんがなんとも味のある演奏、音楽です。

 日本語盤の解説書などに載っている「全人類的な包容力が音楽の強さを際立たせる」「生命力あふれる強靭な響き」「格調高く年輪を刻んだ」「人間味に溢れた無上の世界観」「剛毅な精神の音楽」といった言葉が大袈裟でなく納得できます。今後も聴かれ続けて欲しい音楽です。


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