奥田英朗「我が家の問題」

             

 奥田英朗のマイホーム・家族小説集の第2弾。第1作の「家日和」は面白すぎて止まりませんでした。期待度マックスで読む前からニヤケてしまいます。ただ、傑作短編シリーズの精神科医伊良部ものも3作目あたりからは正直飽きてしまったので油断はできません。

 「甘い生活?」、「ハズバンド」、「絵里のエイプリル」、「夫とUFO」、「里帰り」、「妻とマラソン」の6編、どれも可笑しく読めます。心の中で抱腹絶倒。家族の中で誰もがどこかで遭遇しそうな事態が起こり、主人公は悩み、解決策を探っておかしな行動をとるのですが、主人公たちが必死であればあるほど笑える。

 悩んだ末にどうなるのか・・・うまいオチがある訳でなく、自然な流れ、結末となるのは奥田英朗風でしょうか。確か、前作はもっとマイホームを持ったことに関連した内容が多かった気もしますが、今回はマイホームというより家族・夫婦の間の問題という関連でまとめられています。

 面白いだけでなく、日本人・家族っていいよなあとしんみりするシーンも適度に入っていて読後感はどれも爽やかです。期待どおりの一冊でした。


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