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ヒラリー・ハーン「モーツァルト バイオリン・ソナタ第32番他」
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ヒラリー・ハーンについては有望な若手バイオリニストだということは知っていたのですが、ディスクを購入して聴いてみたいほどの関心はありませんでした。所属レーベルの問題もあるのでしょうが、アンネ・ゾフィー・ムターのように組む指揮者が大物ではないこと、華奢で見た目が子供っぽく見えたこともマイナスイメージになっていたのかもしれません。
ハーン女史の実力を知ったのは、たまたま見たNHKのテレビです。今となっては曲名も覚えていないのですが、N響とのバイオリン協奏曲で艶やかで歌に溢れるバイオリンを披露していました。
すぐにハーンのディスクを4~5枚、購入したのですが、著名な協奏曲の数々、バッハのパルティータは悪くはないけどテレビで感じたような魅力は感じませんでした。
最近発売されたモーツァルトのバイオリンソナタで第32番、第25番、第28番、第42番の4曲を収めたディスクです。落ち着きのある自然なモーツァルトです。ただ、若々しい輝きを若干欠いていて物足りないところもある録音です。それでも、これまでの録音と比較するとよいほうだという印象を持ちました。奇を衒った演奏ではないです。カーティス音楽院の同窓というピアノのナタリー・シューと親密で穏やかな演奏を繰り広げています。
テレビで見た印象でしかありませんが、録音よりもっと実力のあるバイオリニストだと思います。あまり室内楽が好きではないというのもあるのですがこれは微妙な演奏です。決定盤が出てくるのはこれからでしょうか。
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