中野英伴撮影/大崎善生文「棋神」

            

 将棋写真の第一人者による写真集。羽生、谷川、中原、大山を始めとした歴代の名棋士達の主にタイトル戦における思考中の様子を捉えたモノクロ画像が集められています。

 これまで知らなかったのですが将棋世界で名著と紹介されていて手にしたものです。大判、2800円です。

 正直、映像世代の我々は、タイトル戦の中継やNHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」といった番組でトップ棋士達の劣勢時の苦渋の表情や秒読みの中での詰む詰まざるやの鬼気迫るドキドキの攻防を映像で観ているので、この写真集に収められたカットに改めて驚くことはないのですが、白黒で捉えた静謐な一瞬一瞬に惹き付けられるものがあります。

 大山、中原、米長時代の重厚な雰囲気は今からは想像できないのですが歴史を感じます。現代でも旅館の和室、畳という空間で将棋盤に向かう姿は実に絵になります。佐藤康光九段、故村山聖九段、三浦弘行八段、山崎隆之七段などの和風の写真が特に印象的です。


 森内新名人の誕生、羽生棋聖防衛とタイトル戦が次々と開催されています。新年度の順位戦も始まりました。羽生世代、久保二冠、渡辺竜王、山崎・橋本・松尾・阿久津の中堅七段、広瀬・豊島・佐藤らの若手世代、2011年度は誰が活躍し、目立つのでしょうか。まだまだ強いですが羽生世代が若手に負けるのも普通の光景になってきました。この2~3年でタイトルホルダーが一気に交代となるかもしれず、目が離せません。

 それと真夏のファンのお楽しみ、東急東横店の将棋祭りが今年も8月1日(月)~8月3日(水)に開催されます。楽しみです。


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