「愛蔵版 第67期 将棋名人戦七番勝負」(毎日新聞社)

          

 昨年の将棋の名人戦はNHKBSで7局とも全て見ました。その後、雑誌の「将棋世界」でも棋譜と解説を数号に亘って読みました。

 それでもですがこのような単行本が私のような素人には必要です。一局を14譜に分割して解説してもらうと本当によく分かります。毎日新聞社伝統の(好手◎ 悪手× 疑問? 作戦▽ !勝負手)の表記は勝負のポイントが明確で理解を助けてくれます。
 この解説を読んで初めてあの7戦で起こったことがよく分かりました。途中で差が開き始めたことは大盤解説や控室の評価の紹介でテレビでも分かるのですが、どの一手が勝負の分かれ目だったのか、それがどういう意味を持つ一手だったのかはこの本を読んで初めて納得できました。実力伯仲しているように見えたのに実は力の差があることも明確です。
 特にテレビでは冷静に見えた郷田九段の気持ちの揺れ動き、侍のように泰然としている強さと一方での想定と異なる展開・駒位置での脆さが臨場感溢れるタッチで再現されていて改めてドキドキしました。これは楽しかったです。


 さて今年の名人戦が4月8日から始まります。羽生名人対三浦八段です。三浦八段については正直あまり知りません。居飛車党で重厚な棋風と読みました。首を捻って盤面を睨んで考え込んでいる仕草の印象が強いです。羽生名人は先週のNHK杯決勝も勝って健在です。振り飛車の久保棋王に王将戦は負けましたがオーソドックスな棋風の居飛車党にはまだまだ強いのではないでしょうか。入れ替わりがあるほうが面白いので三浦八段応援ですが、羽生名人の4勝2敗での防衛予想です。


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