ボブ・ディラン「インフィデル」


 長らく私にとってのボブ・ディランは、「ライク・ア・ローリングストーン」、「風に吹かれて」などメッセージ色の強いヒット曲を出したフォークロック歌手で、同時代で体験した人には堪らないけど、それ以外の人には合わない音楽というイメージを持っていました。所有しているアルバムも「武道館」、「偉大なる復活」、「アンプラグド」とどれもライブ盤です。ヒット曲が入ってないと聴く価値がないと思っていたのでしょう。頻繁に新作を発表していますが、シングルよりあくまでアルバム中心の作りをしているのでラジオなどで聞いてイメージを覆す機会にもめぐり合わなかったのだと思います。

 それが、たまたまタワーレコード横浜モアーズ店のSACDコーナーで試聴盤にボブ・ディランの昔の作品が多く載っていて、以前レコードで聴いたことのある「追憶のハイウェイ61」を聴いたところイメージとはかなり違うクリアな音で好印象でした。これは面白いなあと思いどれか1枚買ってみようかと探しているとそこでは試聴できなかったのですが、プロデューサーがマーク・ノップラーで比較的新時代の録音の「インフィデル」を買うことにしました。

 もともとマーク・ノップラーが特に好きという訳ではなかったのですが、その数日前に同店のカントリーコーナーで、マーク・ノップラー・アンド・エミルイ・ハリスの「オール・ザ・ロードランニング」というアルバムがロングヒット盤として推奨されていて購入し気に入っていたのです。マーク・ノップラーはダイア・ストレーツの中心メンバーで我々にはスティング(ポリス再結成するそうですね。スチュアート・コープランドのドラム楽しみです)をバックボーカルにした「マネー・フォー・ナッシング」が思い出されますが、今、何をやっているのかは先程のディスクも輸入盤なので分からないのですが、メリハリの利いた渋くてとても味のある音楽でした。

 前置きが長くなりましたが、そういうことで「インフィデル」を購入して、家で聴いたところ、印象とは違うとても聞き易い音楽で気に入りました。ボブ・ディランの歌は詩が重要らしくそちらはまだじっくりとは読めていないのですが、音楽、演奏だけでも十分楽しめる仕上がりでした。


 で、その後、いろいろとディスクを購入して聴きました(下記の11枚)。最近はずっとボブ・ディランを聴いています。

・「フリーホイーリン・ボブ・ディラン」(1963年)
・「時代は変る」(1964年)
・「追憶のハイウェイ61」(1965年)
・「ブロンド・オン・ブロンド」(1966年)
・「プラネット・ウェイブズ」(1974年)
・「血の轍」(1974年)
・「欲望」(1975年)
・「インフィデル」(1983年)
・「オー・マーシー」(1989年)
・「アウト・タイム・オブ・マインド」(1997年)
・「モダン・タイムズ」(2006年)


 「欲望」でサブ・ボーカリストとして参加しているカントリー歌手のエミルイ・ハリスが、先のマーク・ノップラーとのカントリーアルバムで共演しています。マーク・ノップラーはよっぽどボブ・ディランやディランと関わりのあったミュージシャンが好きなようです。


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