アウル・シティ「オール・シングス・ブライト・アンド・ビューティフル」

            

 先日、横浜のタワーレコードをブラブラしていると、店内のBGMでキャッチーなポップソングが流れていました。早速、スタッフにこれは何か訊くと、アウル・シティというグループのものでした。

 初めて知りましたが、前作が大ヒットしたアーティストのメジャー第2作のようです。試聴したところ気に入ったので前作「オーシャン・アイズ」と最新作「ブライト&ビューティフル」を購入しました。オーシャン・アイズのジャケット写真は、エア・サプライやZARDを思わせる、夏、海、空の爽やか系です。一方のブライト&ビューティフルは田舎の丘陵の絵でほっとするものです。

 アダム・ヤングというアメリカ人による一人バンド、ほとんどを自分で作詞・作曲して、自宅のスタジオでシンセサイザーを鳴らし、サウンドマシーンで打ち込んで録音したサウンドのようです。

 「オーシャン・アイズ」はポップなエレクトリック・サウンド、メロディに浮揚感があるので空でも飛んでいるような気持ちよさがあります。アダム・ヤングのボーカルも優しくて親しみやすさがあり、エレクトリックとうまくマッチしています。本来はコンピュータはあまり好きな方ではないのですがこれは好みの範疇です。

 そして最新作の「ブライト&ビューティフル」です。オーシャン・アイズと比較するとワンパターンではなくて(前作はワンパターンの良さ、魅力あり)、様々なタイプの音楽を志向しています。ただ、不思議な浮揚感は健在で耳に心地よいサウンドは変わりありません。この手のポップなエレクトリック・サウンドは80年代にもありましたが、当時のカッコよさではなくて、ホッとする優しさがあります。時代を反映しているのでしょうか。アウル・シティ、いいですね。安心して聴いていられます。


            


 80年代のエレクトリックサウンドが懐かしくなって、YOU TUBEで昔の映像を見て回りました。スティーブ・ウィンウッドの「ユー・シー・ア・チャンス」がいいですね。それから、バグルス(トレバー・ホーン)の「ラジオスターの悲劇」の2004年プリンス・トラストでのライブ、高レベルで感激です。


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「蒙古タンメン中本」(渋谷店)

          

 久しぶりの渋谷です。以前はよく出掛けていましたが最近は足が遠のいています。

 寄るつもりはなかったのですが折角来たんだから一応、品揃え豊富な本店を覗いてみたくなりタワーレコードです。6階のクラシックコーナー、お客さんが結構多くてほっとしました。
 どうしても聴きたいというより安さに惹かれて、テンシュテットの「グレート・レコーディングズ」ボックスを購入しました。14枚で3190円、1枚当たり228円、最近の昼食代に近いです。じっくり聴いてみて内容が良ければ何か記録を残そうと思います。

 その後、探し物で大型書店に向かったのですが無くなっていました。雰囲気のよい書店だったので残念です。最近の本屋経営は難しいですね。

 それで用事は終わったので、まずダブリナーズでギネスを飲みました。休日の頭のクールダウン、快感です。

 そして、最後は「蒙古タンメン中本」です。以前、看板メニューの蒙古タンメンを食べたのですが、上に掛けられた麻婆豆腐がちょっと好みではありませんでした。ただ、ここは激辛の北極ラーメン(辛さ9)や味噌卵麺(辛さ8)なども名物と読んでいたので再訪です。

 少し警戒して、辛さ8の「味噌卵麺」(850円)です。提供されるとスープの色が真っ赤ではなくてオレンジ色くらいです。少しほっとしました。スープを啜ると・・・辛いけど、なんとか大丈夫です。2口、3口と進めても大丈夫。ただ、麺や野菜を啜る時に唐辛子が飛ぶのか結構むせます。そして、半分近く食べると口の周りが痺れてきました。それでも想像以下です。これなら北極もいけるかもしれません。渋谷店でやっているのか分かりませんが、ネットでは北極の2倍、3倍も注文できると写真を見ました。私も辛いのは好きな方ですが(カレーのココイチだと3辛だと強すぎるのでかわいい方だと思います)、最近の若者のゲキカラ好きは凄いです。

 辛味が強いですがラーメンとしても美味しいです。先週食べた「元祖ニュータンタンメン本舗」と比べると、ニュータンタンの方が好みに近いですが、これはこれでイケます。


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カズオ・イシグロ「夜想曲集 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」

             

 カズオ・イシグロの長編第4作目はあの分厚い「充たされざる者」ですが、いくつか回った書店では見つからず、アマゾンでも発送まで2~4週とあったので、先に最新かつ初の短編集である「夜想曲集」を読みました。

 ・「老歌手」
 ・「降っても晴れても」
 ・「モールバンヒルズ」
 ・「夜想曲」
 ・「チェリスト」

 熟練のストーリーテラーによる音楽が絡む物語となると鉄板で面白い予感はありましたが、1ページ目から引き込まれました。これは楽しい、魅力的。5つの短編のあらすじについては触れないことにします。安心してどっぷりと浸かれますが、予定調和の乱れ、え何?という驚き、感情の微妙なズレ、ちょっとした冒険などがあるのもカズオ・イシグロらしいです。ジャズ、ジャズ、ロック、ジャズ、クラシック。登場する印象的な歌(ディスク)を実際に聴きながら読むと、物語の世界を更に深く味わえて、酔えます。

・チェット・ベイカー「惚れっぽい私(アイ・フォール・イン・ラヴ・トゥ・イージリー)」はアルバム「チェット・ベイカー・シングス」収録。アマチュア風ですが甘く女性的な囁くような歌声、痺れます。
          


・サラ・ボーン「パリの4月(エイプリル・イン・パリ)」はアルバム「サラ・ヴォーン・ウィズ・クリフォード・ブラウン」収録。サラのムードある歌い回し、ホーンの控えめな支え、星空の下のダンス。
          


 この短編集は何か心に引っかかる、この感覚は何なんだろうと後を曳く読み物です。


 例の「充たされざる者」は横浜ダイエーの中のあおい書店で見つかりました。900ページ超の分厚さ、普通は上下に分けるところ一冊です。文庫なのに1,530円。賛否両論あった問題作であることだけ知っています。さて読み終わるでしょうか。



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