ORGANIC STONE

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ツンデレ探偵はサイコパス:「シャーロック」(2010~)

2012-05-09 20:57:20 | 映画:英国TVコメディ・ドラマ
コナン・ドイルの生んだ世界で最も有名な探偵シャーロック・ホームズ。BBCの「シャーロック」はベネディクト・カンバーバッチ&マーティン・フリーマン主演のシャーロック・ホームズ現代版アダプション。1編90分、1シーズン3本のTVドラマつまりBBC版サスペンス劇場である。IMDbでは10ポイント満点中9.1ポイント、テレビシリーズでこれほど面白く中毒性のあるシリーズは滅多に無いんじゃないか。同じシャーロック・ホームズでもグラナダ版は原作に最も忠実な冷静沈着インテリの鷲鼻ホームズ、映画版はエンタメ性を強調したダウJrキャラそのままの陽気で憎めない武闘派ホームズ、こちらBBC版はお坊ちゃん風反社会性人格障害(サイコパス)的変人ホームズ、と分類出来る。どのホームズも原作のホームズをそれぞれに解釈しているのだけど、3者ともそれぞれ面白いのはシャーロック・ホームズというキャラクターとその世界観自身がいかに魅力的かということの裏返しだろう。

このBBC版、シャーロック・ホームズが現代に生きていたらという設定である。第一話が原作「緋色の研究」のアダプションで、その原作を踏まえつつ現代に見事にアレンジされたストーリーや設定に驚愕・・・まさに驚愕したんであります。ウホホッと。しかも映像はモーショングラフィックを生かしハイスピードカメラを使ったスタイリッシュなもの。現代版シャーロック・ホームズは高級そうな服を着て最新のテクノロジーを駆使し、自分のwebサイトを持ち、人の携帯電話を見るだけでその人の家族の事情まで推理する。原作では懐中時計とかでしたな。それを端正なルックスのベネディクト・カンバーバッチが上記のグラナダ版、映画版より明らかに性格の悪いエキセントリックな変人キャラで演ずる。一言で言えばこのシャーロックはツンデレです。ツン9割デレ1割。ベネディクト・カンバーバッチはアラン・リックマンそっくりの超バリトンなので吹き替えじゃなく見て欲しいなあ。。。背も高く目立つ風貌のベネディクトに対してジョン・ワトソン役のマーティン・フリーマンは彼十八番の凡人キャラを生かした地味ワトソンで、毎回ホームズに振り回される。が、このワトソン君は女好きという設定。

要所要所に原作からのアダプションを入れていて原作を読んでいる人は2度面白いはず。。シャーロックとワトソンが1話につき1回はカップルと間違えられたりするのも現代アダプションならではのおもしろネタ。私の持っているのはシーズン1&2のUK版。現在UKではシーズン3が始まったばかり。日本ではBSで去年シーズン1が放映されてい、今年シーズン2が放映予定。DVDも出るけど一万円近いのでレンタルをお勧め。



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