白い月

白い月

旅に聴く Ⅳ

2014-09-28 15:22:30 | 心事ポエム
万丈の波瀾

束の間息をひそめる


深化し 得心する

加齢による変容の猛々しさ


疲れた躰を運ぶ舟

光の街で傾く月


死者の住む杜を背に

不測の空間に立ち往生する


水鳥が群れている

今朝の冷気は海から来た


割り当てられた出番を待つ旗がなびく

すべての法楽、未知の悦楽


代価無しには得られない苦界に生きる人々

何処に居ても同じ ルーテインも同じ


今こそが《その時》のアイビー。

剥がれ落ちるのを待つ間の差し色は虚飾


又の日を夢に 今のままがいいと願う

掻き集め 袋に詰める何物も無い旅の終焉

天心

2014-09-15 21:36:20 | 心事ポエム
時の極みに居て        

囁き交わす光りの朝


昨日何をしたか

何をしなかったか


寸時に消える夢まぼろし

唐突な問いに絶句する


終わりの始まり

この身を浸す水鏡澄む


天心の月が見る夢には

色も 声も無かった


信じていても

語ってはいけない魂の遊離


心意気だけで

高みを目指す内気な蔦よ


笛吹く風がはらむ過去

実生となって地に満ちていく。




2014-09-04 13:51:22 | 心事ポエム
こわばりが
ゆっくりと溶けていきました

とりとめのない無聊の身を
眼を伏せて息しているだけのわたしに
差し出された贈り物

ゆめのなぞ 
ゆめのふしぎ

きりのなかのけはい、
はくいきよ、そよかぜよ。

ショウロウはぎは
ぶじににみをむすびましたか?
ぼうぼうたるつちにかえっていきましたか?。

朝霧漂う明け方に
父の夢を見たのです

仕立ての良いロングコートは薄い翳の色
見え隠れしながら わたしの夢の中に入ってきた

かろがろと花座に棲み 
優しい言葉を紡ぎ
死を語り 謎を光らせ 
眼差しは紛れもない                        

やわらぎ溶けていく私のまぶた。

見えているのに 捉えられない・・ 
夢の渦に溺れ もがきながら哭いているのだが 
何故か苦しくも、哀しくも無く幸せに満たされていました。