驟雨

行き詰まる無為の時

土を弄り　花芽を摘み　花びらで傷口を拭う

澄む水をまき散らし涙もろい邪気を消す

変異を告げる気配も消す

謎めく円環

飽くなき変節

微菌の執念

揺れるゴンドラに苛立つ日輪

何処かで　

誰かが　

何をした？

縁起にひかれ節操をなくしたか

束の間の寝落ちの刻

驟雨の音さえ届かなかった

打つべき手も聴覚さえも失った月が朱い