白い月

白い月

厳冬

2020-02-08 08:07:08 | 再録
嗚咽する月は
いつも取り残される 
いつも・・・だ

変異を加速しながら増殖するいのち
海に漂いながらも今を生きている

逃げ足の速い残余の日のときめき
見残した夢を探して
甘い声を待つ間の焦燥
老いの日を重ねて何処へ行くつもりか

まさぐる指の関節が硬い
粉を吹く樹氷の健気さが爪を割る
フロストフラワー咲く朝のため息も凍え
羽毛に包まれたままの蒼い吹雪は
月が釣り上げたようだ