白い月

白い月

旅に聴く Ⅱ

2014-03-30 09:16:29 | 心事ポエム
消えてしまった駅舎にあった
よく似た木の椅子に
座ってみる

いつも いつもヴレゼを食べる
大根、白菜、とり、藷、セロリ、ニンジン
海からの風がスパイス 

バハマの潮の匂い
天使が集まる砂浜         
わたしはどこまでも生き延びたい


気まぐれな真実
浄められた秘密
手を繋ぐ影は忘れたふり

時ならぬ花時の
不思議が解けぬままに
云いそびれた伝言も・・・

終章の銅鑼が告げる
《終わりの始まり》
今こそがその時 眼を閉じて聴く




キャスタウエイ・ケイ

2014-03-24 21:29:43 | 心事ポエム
未だ雪が・・・

・・・もう花が

こんな時は抜け出すに限る
 

月の夜には魔法が解ける

いのちの重みに傾く舟

ゆるりと動く度に眩暈する


手放してはいけない祝祷の旅

黄色い壁の家

小さな店先に猫がいて爪を磨いている


異国の街 海辺を吹く風が優しい

金色に光る髪もつ天使の群れが眩い

道化の擬人に肩を抱かれる幸せもある


日輪をまとい花の中に居る

隠された人も 消し忘れた記憶も 

この地に今も漂い続けている


わたしは何処へ行くのだろう?

念祷 

2014-03-01 10:07:51 | 心事ポエム
手に持った 蝋燭の先で

変容する大悲の泪したたる

身に覚えのない時の秋波          

吹き込む風を受けて立つ

去り際を心得た

眼施の月は逍遥する

あなたの哀しみは わたしのもの

手をこまねいて

一滴の飛沫の行方に溺れている 

絶え間なく流れ出るこの世の毒

大事な事は聴かされてはいない 

知らされないから知りたくない不遜なわたし

鏡に映る顔が溶けていく

パコが逝った寒い日

遠い日の空も消えた

何を見るために生まれたか

見えないものを観つくしたか 

海を渡るわたしの祈りは届くか今宵