白い月

白い月

祥月

2017-03-11 21:46:13 | 心事ポエム
尋常では無い 

あの日の春の大雪
                  

残余の旅の始まりとも知らず

雪原を逃げ回るうさぎのようだったわたし


時の雫ふりほどきながら

白い息を吐き散らし

埋もれ木に爪をはがされ 

血を滴らせ

目を塞ぐ蒼い風に 

追いつめられ 

身をすくめ

ひたすら

百難と対峙する無碍の日もやがて終わる


薄墨色に滲む月翳を透して

今何が起きているのか

夜の闇に紛れ込み浮遊し続ける

ひとひらの雪片を捜している今日は

嗚呼  あなたの祥月


矜持 

2017-03-04 08:37:39 | 心事ポエム
終らない夢を見続ける


掬い取られ罅割れた日常は 灰にまみれたまま

あえてするルーテイン 

憐れみのまなこは開いたまま 決して閉じない・・・

暗闇から差し出された苦渋の盃も躊躇わず飲み干す

溢れる泪も拒絶しない 

素顔を晒す・・・ 

特別なことではない

人の世で繰り返されるありふれた茶飯事

シナリオは書き継がれ 拡散し 無為の壁が延々と延びる


拘りもなく あまねく地を照らし 

宙を巡り やがては翳り傾く日輪の正気


《再びの明日よ 約束の地よ平らかなれ》

正義はいつも血を浴びる 

傷ついた無辜のたましいよ

正道を行く人よ 斜陽目指して歩く人よ

間もなく美しい季節が来る筈と嘯く月