白い月

白い月

泡立つ日々 

2018-03-04 18:35:55 | 心事ポエム
意に添わぬのに とどまり続けた

何処の誰とも似ていないから

置き去りにされてしまった白い月

哀しみを綿毛のように身にまとい

息を吐きかけ 身を細らせながら 宙に解き放つ

欲しいものが無い

観たい風景も

読みたい謌も

渉る川も

分け入って彷徨いたい街並みも

頬を摺り寄せた大樹はもう要らない

消えゆく総てが愛おしい

揺れる波動・・ 流れる水・・かすかなけはい・・ 眩い虹彩・・ 

ほの白い翳持つ円環 

密かに忍んでくる腐臭

時ならぬ蒼い吹雪

泡立つ不穏な心筋

追い立てられた渡り鳥の悲鳴

憬れは何処へ 哀しみは何処へ捨てよう