正面衝突（自転車と）

きのう、バイトの帰り、自転車で細い四つ角のところに差し掛かり、いつも通り徐行。突然左側から自転車が出てきたので、止まる。その自転車は、何というのか空き缶とかをたくさん積める仕様になっている後ろの荷台に大きな板みたいのを取り付けたやつで、真っ直ぐ行くのかと思ったらよそ見をしながら右に曲がってきた。

で、そのまま止まっている私の自転車めがけて真正面からぶつかってきた。相手は倒れなかったが、私は自転車ごと転ぶ。どうにか起き上がってみると、自転車に取り付けた器具で固定してあった私の新しいお気に入りの和柄の晴雨兼用の傘が曲がっているではないか。

衝突した相手の、空き缶を集めて売って生計を立てる、もしくはお小遣いを稼いでおられるらしい男の人は「大丈夫ですか？」と聞いておられる。もちろんそれは私の身体は大丈夫かということなのであろうが、私は曲がった傘を直しながら「大丈夫ではないです」と答えた。

自転車の前カゴもなんかよくわからない多角形に変形している。男の人は一生懸命その前カゴを手でおさえて直そうとしておられる。幾つくらいの方なのかよくわからないのだが力が入ってない。幸い傘はほぼ元通りになった。私の身体の方はあっちこっちに擦り傷はあるが出血はしていない。こっちは止まってたもんな。

で、「もう、いいです」と言ったのだが、実はちっともよくないことに気づく。約３０秒後にだが。

見たところ何ともないような状態の私の自転車だったのだが、前カゴをほぼ元通りの形に直し（私はさっきの男の人より力持ちなのだな）、走り出そうとするとまったく動かないのだ。よく見ると、恐ろしいことに前輪が歪んでいる。思い切り壊れていたのだ。衝突した相手はとっくに走り去ってしまった後だ。相手の自転車は無事だったようだ。

仕方なく自転車をずるずると引きずり、時々立ち寄るバイト先の近くの自転車屋さんに向かう。今頃になって身体のあちこちが痛い。前輪はやはりもうダメで、取り替えるのに古い自転車の前輪を使ったとしても４０００円以上はするという。自転車屋さんのご主人が二階にちょうどいいサイズの前輪を探しに行かれる。でも前カゴももうダメだな。

見ると店頭に中古自転車が並んでいる。もう少しお金を足せば買える金額だ。手持ちが少ししかないので、自転車の代車を貸してもらってお金を下ろしてくる。２６インチの紺色の自転車。前カゴは初めからついていたので買わずにすむ。後カゴは前の自転車からはずして付け直してもらった。ついでに傘を取り付ける器具も新しいのにしてもらう。あ～あ。自転車屋さんに「ぶつかった相手が悪かったね」と言われる。

夫と二男に正面衝突の話をしたが、２人とも私の身体のことはこっちからふるまで聞いてくれなかった。やはり見るからに丈夫そうだからだろうか。ちぇっ。