[小さな出会い コゲラ(4)]
5月17日。「早くしないと出ちゃうよ!」
カミさんの言うとおり、何時巣立ちしてもおかしくないなと思い、
午前9時過ぎからずっとここに立ち尽くしている。
道路は狭く、すぐ脇を人が歩いていても、
空き地の私に気づく人は誰もいない。
この近所で、ここでコゲラが子育てしているなんて
知っている人は私たちしか居ないはずだ。
こんな貴重な出会いを大切にしないわけがない。
とは思いつつ、急いで出て来たので、
水もう一杯飲んできたかったな。トイレにも行ってきたかったな。
振り返れば家の玄関が見える。鍵もかけてこなかった。
コーラス練習のカミさんがお昼までなので、
昼まではと三時間近く粘ったのですが、
雛は出てきません。お昼で切り上げることにしました。
この日、夕方「まだ居る」、とカミさん。
翌日の朝も居るという。夕方は確認しなかった。
翌々日朝早く行けば良かったのだが、
出遅れて10時頃になってしまった。
巣は空になっていた。
あれほど命のドラマがあった木の穴は
ただの枯れ木の穴に変わっていた。
ちょっとさびしく、立ち会えなくて残念。
でも思い出に残る出会いでした。(終わり)
頭の大きさは子供の方が大きいように見えます。
愛は惜しみなく奪わなくっちゃ。
以前遠くでコゲラの巣穴を見つけて、雛が顔出していたので、今出るかと必死に構えた時がありました。
今回連続三時間立ち会ってみて、見かけで判断できないなと思いました。
でもこちらが気を抜くのを見透かしたように巣立つとは。
次回にこの教訓を生かします。