俗名・夕散歩
私の生まれ育った信州には、
「ずくなし」、という言葉がある。
怠け者、とかぐうたらの事を言うが、
私は昔から自分は「ずくなし」だと思っていた。
小さい頃、冬は炬燵に尻まで潜って、何時までも動かなかったり。
今なら、冷房の部屋からなかなか出ようとしない。
そんな人間ほど、一度に後れを取り戻すようなスイッチが入ることがある。
「お盆だから、仏様の掃除を。来客に部屋の片づけをして」
もろもろ、耳にタコができるほど言われている私に、
やる気スイッチが入った。
仏壇の掃除から。
父母の位牌を拭いていて、後ろを見たら、
俗名、として父母の名前が書かれている。
何か今の自分の名前が仮の名前の気がしてきた。
今日はそればかりではない、
トイレ2ヶ所の掃除、これは私専門で、
主として床と壁の拭き掃除。
仕上は重曹を染ませた雑巾の二度拭き。
最後は、最近信州へ行ってないので、
車の洗車を全然しなかった。
その洗車に。
汗が玉のように落ちる一日。
少しはカミさんの愚痴を言う余地を残せばよかったか。
そして夕散歩に。たまったものを済ませて、良い一日だった。
狭いと不満を持っていても、掃除し始めると十分な広さです。
当面カミさんの、体調のリカバリーを待ちつつ、孤軍奮闘です。
また「ずくなし」の深い休眠に入ります。
私なんぞ必要なことも全てやり過ごしています。
そのおかげで家の中も庭も車も汚れ放題、もう爺さんです。