てくてくダイアリー

GISとか使ってました

ぎうぎうの地下鉄

2013-04-23 | いんど

デリーでは、地下鉄に乗ってNational Archivesまで出かけていた。通勤時間帯にあたるころは、もちろんぎうぎうに混んでいるが、東京でならガラガラだろうなーというような平日昼過ぎの電車でも、人が立っていないということはまずない。ぎうぎうが、ほどほど混んでいるぐらいに変わるぐらいである。

で、車内はぎうぎうに混んでいるけれど、なぜか降りる前からドア口に人が移動しようとするので、立っているとその都度よけたりつめたりしなければならない。「ドアの近くに立っている方はいっぺん降りて、降りる方を優先してください」なんてルールは、デリーには存在しないのである。

電車に乗っているのは圧倒的に男性が多い。女性が乗っている場合でも、女性何人かのグループか、男性とのカップルぐらいしか見かけない。一人で乗っている女性もまったくいないわけではないが、昼間であっても数はかなり少なかった。

そんなデリーの地下鉄にも、東京と同様に女性専用車が存在する。ためしにそちらにも乗ってみたが、本当に女性ばかりである(当たり前)。一般の車両と同じぐらい混んでいるので、女性ばかりが得をしている感はきわめて少ない。どっちかというと、そうでない車両は男性専用車的な男性集中度だったりもするので、一車両ぐらい女性専用車があってちょうどバランスが取れるぐらいの感覚だ。

ついでに、デリーの地下鉄には優先席も存在する。これも高齢者用かと思ったら、女性優先席なるものが存在するのである。そんなことも知らずにその席の付近に立っていたら、座っていた男性が席を譲ろうとしてくれて恐縮してしまった。

そんな風に非常に混んでいるデリーの地下鉄だが、不思議と東京で感じるようなぴりぴり感はなかった。

デリーではドア口に近寄るときにはお互い声を掛け合ってつめたり、よけたりする。人と密着するのは東京と同じようにきついが、人が動くことが東京ほどはつらくない。言葉が通じなくても、ちょいちょいと背中をつついて、そっちに動いていい?と聞いてくれる。車内でいきなりタックルしてくる人は記憶ではいなかったんじゃないだろうか。

さらには女性が乗っていると、体に触れないように非常に気を使ってくれる。本当にすんごく混んでいてみんな大変そうなのに、極力気を使ってくれるのがよくわかる。私が外国人だからということもあろうが、現地の人っぽい女性であってもそれは変わらなかったように思う。

基本的にあちらの男性は、そういう面で非常に女性に優しいし、気を使ってくれていると思う。もちろん家の中や、会社の中では別の顔があって別の側面があるのかもしれないけれど、少なくとも電車内ではぎうぎうに混んでいても、ほかの人や女性に対して気遣いを怠ることがない。デリーでは人口が本当に多いから、公共の場所では目配せや過剰でない程度の気配りをして、喧嘩にならないように自然となったのかな、とも思う。

それだけに最近よく報道される、女性が暴行を受ける事件を悲しく思う。みんなあんな優しかったのに、そのすぐそばで、何であんなことが起きちゃうんだろう。

きっと自分が見たものとは別の側面があるのだろう。私が何も知らないのだろう。
それでも、自分が見たものと起きた事件とのギャップには戸惑う。まったく、なんでなんだろうなぁ。


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