臨床心理士の第一歩

2015年に臨床心理士(CP)試験に,2018年に公認心理師試験に合格しました。もうすぐ68歳。CP5年目の更新年です。

女性の人権問題,普遍的な人権問題

2015-11-02 13:23:33 | 女性の人権
「慰安婦」問題で最も感じるのは,
もしも戦争になれば,
若いころの自分自身含め,
子どもや孫が同じ目に合うのではないかという,
リアルな想像が目の前に浮かぶことである。

その間接的な痛み(それでも苦しい)を,
直接的に心身に受けて生きざるを得なかった女性たち,
亡くなってしまった多くの女性たちが,
「慰安婦」とされた人々である。

その当事者の方々はもちろん,娘と生き別れになったご家族の方々の生涯は,
筆舌に尽くしがたいものであっただろう。
私個人としての一番の弱点は,子どもの生死に重大事が起こった時であることを,
私は自覚している。
多くの親が同様な気持ちを持っているのではないかと思う。

そういう認識のもとで,「慰安婦」問題に真摯に向き合うとき,
狭義の強制であって広義の強制性ではないとかで,
謝罪しようとしない日本政府の姿勢は,どうしても理解し難い。
朝日新聞が吉田さんという元軍人の証言は誤報だったと謝罪したが,
そのことで,すでに公文書で日本政府も認めている「慰安婦」そのものがなかった
というように言いつのるのは,
女性の活躍なんていう政府の方針にも合わないんじゃないだろうか。
女性の人権侵害を認めないで,女性の活躍って言われても,
そんなの見せかけとしか思えない。

吉見義明×申 惠丰×荻上チキ「慰安婦問題をめぐる国際的な議論を知る」2015.10.29

荻上チキさんのTBSラジオを聞くと,
そのあたりのおかしさがよくわかる。

「慰安婦」問題研究者として第一人者の吉見義明さん(中央大学)と,
国際法学者の申 惠丰(しんへぼん:青山大学)さんがわかりやすく話しているし,
荻上チキさんの聞き方もよく整理されている。

戦時下においてはいろいろな国において性暴力がある,
日本の研究が一番進んでおり,
いま世界の研究者たちも研究をしている。
普遍的な人権問題であるととらえるべきで,より議論を広げるべきだ

と話され,とてもよく理解できた。
なぜ政治家にはこういう理屈が通じないのかなあと,情けなくなる。

放送の中でも話されていたが,
大阪の教育委員会が,『「慰安婦」に関する補助教材』をつくったそうだ。
授業ではこれを使うこと,
授業をしたら教育委員会に報告することになっているという。
大阪府教育委が独自に作成「慰安婦に関する補助教材」

被害者の声も全く載っていないこんな一方的な教材が,
中高生にどのような影響を与えるだろうか。
先生方も大変だなあ。

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