臨床心理士の第一歩

2015年に臨床心理士(CP)試験に,2018年に公認心理師試験に合格しました。もうすぐ68歳。CP5年目の更新年です。

27年度臨床心理士1次試験が終わった!

2015-10-12 10:29:42 | 臨床心理士試験
や~っと終わった!
臨床心理士試験は,10月11日(日),東京ビッグサイトで行われた。
試験は全国で1カ所だから,遠い人たちは大変だったろうなー。


2時間半100問のマークシートと,1時間半1200字の小論文だった。

【マークシート】

今年のマークシートは,特別難しくもないような気がしたが,
1問目が私は全く勉強してない内容だったので,ウッ! と思いつつスタートした。

それは,Thomas & Chessの乳幼児の気質に関するもの。
不勉強ながら,全く知らなかった!!
けど,文脈からいってこうだろうと思うものを選択して,多分あっていると思う。

「乳児期における「気質」研究の動向」(武井・寺崎,2003)によると,
Thomas & Chess(1963)は,“「気質」と環境との相互作用の重要性を実証した研究”を行っている。

“.
彼らは1956年から,ニューヨーク縦断研究を実施し,140人以上の生後2,3 ヶ月の子どもの
詳細な行動特徴のデータを定期的に集め,乳児期初期における子どもの行動反応パターンに
はっきりした個人差がみられること,乳児期初期に見られた個人差が生後2年間はある程度
安定性を保っていることを報告している”


そうであり,この研究以降,心理社会的発達における気質の影響について多くの研究がなされてきたという。

発達心理学に関してかなり詳しく学ぶ大学でないと出てこない内容ではないかと思う。

今見ると,培風館の『心理臨床大事典』にはほとんど載っていないが,
有斐閣の『心理学』(無藤隆,森敏昭,遠藤由実,玉瀬耕治)には詳しく解説されていた。
『心理学』


当然ながら,DSM-Ⅳ-TRの問題はまったくなく,DSM-5に関しての問題,
また,WISCもⅢではなく,WISC-Ⅳが出題された。

DSM-5は変更箇所と,境界性パーソナリティ障害について,
自閉症スペクトラム症に関して,
「症」と「障害」の記述等についてだったかな。

WISC-Ⅳは指標得点のプロフィールが示され,対象者にどのような特徴があるかを問われた。
PRI(知覚推理指標)が最も高く,次にVCI(言語理解指標)
WMI(ワーキングメモリ)とPSI(処理速度)が同じくらいで低めだった。
ADHDによく見られるパターンではないかな?

心理査定は,もちろん例年通り,ロールシャッハ・テストが数問出された。
(昨年あたりから安定して)片口と包括システム両方のスコアが示され,
対象者の特徴が問われていた。
片口の限界吟味も聞かれていた。

乳幼児精神発達検査は,例年のようにちょっと詳しめに出題された。
今年は新版K式発達検査2001に関してが多かった。

P-FスタディのGCR(Group Conformity Rating;集団順応度)と,
ロールシャッハ・テストのP反応との関連。
モーズレイ性格検査(MPI)について,
風景構成法,家族描画法,
MMPIはプロフィールを示され,対象者がどういう状態かを○☓選択。
(プロフィールからいえること)
Shneidman作成の意識水準と心理検査の関係(だったような)
神経心理学的検査がいくつか。


精神保健福祉法では,任意入院,医療保険入院など,入院形態が問われた。

少年法は出題なし。
と思っていたけれど,思い出した。
少年法の根本精神のようなことが聞かれていた!!
大事なことなのに忘れるなんて。まったくー

少年法がどんどん厳罰化されていることに懸念を覚えている方々が
出題されたのではないだろうか。

あらためて考えると,少年法の目的は、
「少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行う」
ことにある。
よくマスコミでは,少年犯罪の増加凶悪化が叫ばれるけれど、
“日本は、先進諸国の中では例外的に少年凶悪犯罪が減少してきた国”であるそうだ。

私自身も,少年法の根本精神を大事にしたいと思う1人である。



統計は○☓選択の1問だけだったような気がする。
ホッとしたような,気が抜けたような。

基礎心理では,今までもいつもよく出ている脳波,
記憶がちょっと,
言語のサピアーウォーフ仮説(言語相対仮説),
認知心理学のストループ効果,
発達心理学では,最初に書いたThomas & Chessの気質の研究,
視覚的断崖が凝った聞き方をされていた!
舌出し模倣をする,新生児模倣,
ピアジェの発達段階説の一部,
エリクソンの社会的発達段階説の高齢者の部分,
視覚伝導路について,
セリエとラザルスのストレス関連
クレッチマーの類型論の一部
アンダーマイニング効果,
脳に関しては少なく,シナプス間隙でのドーパミンの動きみたいなもの。

心理療法は,幅広く出た。
精神分析,
箱庭療法,
認知行動療法,
家族療法のコミュニケーション学派(ベイトソン)。MRIを間違えたー!!
内観療法,
防衛機制など


特徴的だったのは,高齢者向け心理検査が多かったこと。
長谷川式認知症スケール(HDS-R)は,日時の見当識,
100から順に7を引いていくのは,「言葉の流暢性」を見るため等が問われた。
(もちろん,☓。流暢性を見るのは,野菜の名前)
など,かなり詳しく聞かれた。

認知症の診断用として開発された,
言語性と動作性の両方が入っているMMSE(Mini-Mental State Examination)も,問われた。
事例問題も高齢者が問われていた。

もう一つ特徴的だったのは,
DVと虐待関連の問題が多かったことだろうなあ。

スクールカウンセリングの事例はやはり多かったが,例年ほどではなかったような気がする。
事例問題はとても多かった。
例年,問題を読むだけで回答できるものも多々あったが,
今年は事例内容を読まないと回答できないものばかりだった。

覚えているのはこれくらい。


【小論文】

過去に出されたテーマを見ていたぐらいで何の準備もしていなかったので,
かなり緊張して,用紙が配布され,広げる時間までを待っていた。

テーマは,
「これまでの心理臨床実践(実習も可)において、あなたの学んだ心理臨床の基本的姿勢について。具体的な体験も挙げながら論じる」とかいうものだった。

A4用紙が1枚,下書き用として配布された。
テーマを見た時は,ちょっと書きやすいかもしれないという印象。

15分ほどキーワードをおおまかに書き出し,
それから実際の用紙に書き始めた。
こういう流れで述べたいと書きだし,
ほとんど書き直すことなく最後までいくことができたように思う。
1200字ピッタリで終わったが,論文の試験の時,よくそういうことが起こる。

1200字というとすぐにいっぱいになるので,
舌っ足らずな中途半端な感じで流れ,最後は無理やりまとめたような気がする。
端的に表現できなかった後悔はあるけど,仕方ないかな。

相当あやしい論文まがいではある!

1次試験の結果は,10月26日までには発送されるとのこと。

合格できるかどうかは全くわからん












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