それでも生きるために

「生きづらい」人びとのためにいくらかでも役に立つ情報を提供したり、共に生きるための提案や呼びかけをしたいと考えています。

ひとり暮らしで迎える老後

2015-08-19 | いろいろ
 一人暮らしの高齢者が増えています。結婚することなく、子どももいないままで老後を迎える方も増えていくでしょう。
ひとり暮らしで体が弱ってくると、さまざまな困りごとが生じてきます。足が弱ったり痛んだりして歩きにくくなると、買い物、家事、入浴、トイレなど生活の基本的な部分が困難になります。車椅子を使わないと移動できなくなった時、一人で自宅で生活を続けられる方がどれくらいいるでしょうか。現状でも、介護保険で受けられるサービスには限度がありますので、ひとり暮らしで安心と満足を感じられる介護を受けるのはかなり難しい思います。
 高齢になると、家庭内での事故も多くなります。転んで頭を打ったり、入浴中に心不全を起こして亡くなる方も多いのです。ひとり暮らしで脳卒中や心筋梗塞などの急病になると、助けを求めることも難しいでしょう。
 認知症になると、さらに深刻な状況になります。病気を自覚できないために、介護保険の申請ができない方やヘルパーの訪問を拒否する方もいます。お金や薬の管理ができない、悪質商法の被害を受けやすいといった生活上の問題がたくさん生じます。外出したまま自宅に帰ることができないで、「行方不明」になる認知症高齢者も増えています。私が仕事をしていた施設の中でも、転倒のリスクをかかえながら立ち歩く方、自分の居室がどこにあるのかわからなくなる方がおられました。
 ひとり暮らしで老後を迎えることは「生きづらさ」の要因のひとつになりそうです。老後、だれに助けてもらいながらどこで暮らすのかが大きな課題になると思います。


コメントを投稿