水に浮かび物思う

カリフォルニアの海でカヤックに出会う。キャンプやハイキングの話も。

たまには外遊び以外のことも

2007年02月12日 | カテゴリー外
今日は土曜日。今週は雨が降り続いているので外で遊ぶのはやめて、彼女と二人でWalnut Creekへ買い物に出かけた。ぐるぐるといろんな服や靴の店を回り、何も買わず、けど一応これで週末の運動はしたことにしておく。

アウトドア、それもキャンプに夢中になるようになってからというもの、とんとファッションに無頓着になっている。服やかばんなんかを見ても、それは外遊びで使えるかどうか、という観点で見てしまうのだ。そんな風だから、バナリパやギャップに行っても何も買えない。そりゃ、買えない。和菓子やさんに行ってシュークリームを探しているようなものだ。もちろん、売ってない。

山や海もいいけれど、今日のように時々は彼女と一緒にドライブをして買い物にでも出かけるのっていいなと思った(何も買ってないけど)。そうやってギアチェンジをするのはいいことのように思う。いや、オイル交換、ワイパー交換かな。どの比喩も合ってないか。

帰りにバークレーにある地元のチョコレート屋さんへチョコレートを買いに行った。バレンタインデーが近いみたいだ。アメリカでは男の人が女の人へチョコレートをあげる仕組みになっている。日本と逆だ。ぼくが彼女にチョコレートをあげたほうがいいのか、彼女がくれるのを密かに待つのがいいのか、微妙なところである。そこで、ぼくと彼女は素直に相談して一緒にチョコレートを買うことに決めた。ただ二人ともチョコレートが大好きなだけなのだ、ほんとは。

折角いいチョコレートを買ったので、それを口実にワイン屋さんを覗いてみる。自分達へ一本と、明日会う約束をしている友人のために一本購入する。自分達のはサンタバーバラ産のシラー、友達へ渡すのがスペイン産のブレンドワイン。おいしいといいなぁ。

夕食のために鶏肉の赤ワイン煮を作った(ほんとは昨日作った)。みじん切りにした野菜をたっぷりにクラッシュドトマト、骨付きのもも肉とハーブなどをテキトーに入れたものを極めて弱い火力で煮込む。もちろん赤ワインも気が済むまでどぼどぼと注ぐ。ついでに調理中にも飲んでしまう、それがこの料理の罪なところである。大きく切ったパプリカとマッシュルームを途中で加え、塩で味を調えてさらに放置する。いい匂いがしてきたら火を止め、自然に冷ましておく。

夜。食事を終えたぼくと彼女は、ワインを飲みながら映画「カサブランカ」を観た。

カサブランカ。初めて観た。ぼくは無知の標本のような人なので、時代背景がよく分からず苦労しながら映画の筋を追った。しかし最後にうわーっと話が展開されてぼくも彼女も思わず身を乗り出してしまった。登場人物たちの強烈な個性が浮き彫りになり時間が加速されるような浮遊感がある。言葉が交わされるたびに鋭い緊張感が走る。君はやはりセンチメンタリストだな、リック、というセリフがあって、そうか彼みたいな人がセンチメンタリストなのだな、たしかにロマンチストではないよな、と不思議としっくりときた。くー、かっこいいぜ、リック。それにしても女性の美しさは時代を超える。イルザにたやすく魂もってかれました。君の瞳に、完敗。