自然文化研究科

NPO法人大阪府高齢者大学校 「自然文化研究科」の活動をアップします。

発酵食品を学ぶ

2014年01月08日 | 食物
1月7日

今年最初の授業は
    「発酵食品から学ぶ」
     
関西が造りあげた発酵食品
      〜その歴史と健康への効用〜
講義は 武庫川女子大学 生活環境部 食物栄養科 松井徳光教授にして頂きました。

パワーポイントによる講演の前に、講演により興味を持って貰うため、一昨年、『世界一受けたい授業』の食育のところで放映されました「今!日本人には善玉菌が足りない! ~良い菌を倍増させる!?最強の組み合わせ食~」のビデオを見せて頂きました。


『世界一受けたい授業』テレビ出演の松井教授

発酵食品
清酒、ビール、ワイン、味噌、醤油、納豆、チーズ、ヨーグルト、食酢、鰹節、甘酒、漬物などが有る
微生物の働き(発酵作用)で作られている。

○微生物とは 個体を肉眼で見ることができない生物たとえば、大腸菌などは1~3μm

○微生物の種類は 細菌 放射菌 酵母 カビ きのこ等が有る


微生物には
悪い微生物と良い微生物がいる。
○悪い微生物・・・悪玉菌   人に害を及ぼす   バイ菌・・・病気、食中毒、腐敗
○良い微生物・・・善玉菌   人に有益な働きをする 発酵食品、抗生物質・医薬品、
アミノ酸発酵・核酸発酵、環境浄化 など
ヨーグルト・・・乳酸菌(ビフィズス菌を含む)
糸引き納豆・・・納豆菌
漬物(ぬかみそ漬)・・・乳酸菌、酵母
味噌・・・こうじかび、乳酸菌、酵母
清酒・・・こうじかび、酵母
甘酒・・・こうじかび
食酢(米酢)・・・こうじかび、酵母、酢酸菌
醤油・・・こうじかび、乳酸菌、酵母
ビール・・・酵母
ワイン・・・酵母
チーズ(フレッシュタイプ)・・・乳酸菌
鰹節・・・こうじかび(青かびを含む)

代表的な発酵食品 ①清酒

清酒・・・日本の代表的な醸造酒  ”日本酒”

・精白米を蒸し、種こうじと水を加え清酒酵母で発酵
以前は 特級、一級、二級の等級分けが有ったが平成4年3月31日廃止
現在は
本醸造酒・・・精白歩合70%以下の白米と米麹、
        醸造用アルコール添加。(アルコール添加の目的は、酒質を安定させ、香りを良        くすること)
 吟醸酒・・・精白歩合60%以下。
        醸造用アルコール添加。
 大吟醸酒・・・精白歩合50%以下。
        醸造用アルコール添加。
 純米酒・・・白米と米麹のみでつくる

に分かれている。



清酒製造の変異
古代・・・ 魏志倭人伝に「歌舞飲酒」の記述があるが、米の酒なのか、また、液体か粥状のものか、他の穀類、果実から造られた酒なのかについては不明。
奈良時代(710-794年)米麹による醸造法
律令制度が確立し造酒司(さけのつか)[役所]が出来、醸造体制が整えられる。又酒は朝廷の為に製造された。
平安時代(794-1192年米、米麹、水で酒を仕込む方法、この頃お寺の僧が作る“僧坊酒”が登場
鎌倉・室町時代(1192-1573年)朝廷の酒造組織にかわって寺院、神社が酒を造る。
京都を中心に造り酒屋が隆盛し始める    

酒の製法としては、米麹と蒸米と水を 2回に分けて加える二段仕込みの方法が確立。
それによって、今日の清酒造りの完全な原型ができる。

江戸時代(1603-1867年)新酒(しんしゅ)、間酒(あいざけ)、寒前酒(かんまえざけ)寒酒(かんざけ)、春酒(はるざけ)1年間に計5回仕込まれていた。
冬季における寒酒をつくる「寒造り」が、最も優れていることが明らかとなった。
又 保存性を高めるための火入れ法(低温殺菌法)の技術を開発。
天保年間
灘の宮水の発見など酒造用水の水質の重要性が広く知られるようになり、鉄分が少なく、有効ミネラルに富んだ水が酒造りにいかに重要であるかを実証した。

江戸時代中期からは海運の発達や問屋組織の確立と共に、酒造りが「地の酒」を超越して、 巨大な産業へと発展。最も台頭してきたのが灘の酒。
灘の酒は樽廻船に積み込み江戸へ運ばれ、庶民の絶大な人気を誇るようになった。

明治・大正時代 明治時代に入ると酒税額が国税収入の35.5%を占めるまでになった、又、大正時代は「富国強兵」の時代で有ったが、酒税額が軍事費を上回るほどの生産量に増加した。

一方大蔵省醸造試験所が設立され、日本酒造りの工程を科学的に分析、酒を腐らないで造る
マニュアルをつくるまでに発展した。


清酒の効用
「酒は百薬の長」「生命の水」
酒は人に感動を与え、不安や心の束縛を解放し、自由の天地をのぞかせる「情緒的栄養素」である。

灘酒造業発展の要因
(1)酒造技術の進歩
(2)幕府酒造政策の転換
(3)在方資本の成長
(4)江戸輸送への有利な条件

灘酒造技術の進歩
(1)水車精米の導入
   精米工程の生産力の向上
(2)仕込み技術の改善
   寒造りへの集中化

最後に
清酒関西が造り、関西が造った清酒は、近代日本の繁栄を支え、今日の先進国日本を築き
 あげた。

その他
代表的な発酵食品 ②食酢

代表的な発酵食品 ③漬物

代表的な発酵食品 ④納豆

代表的な発酵食品 ⑤味噌

代表的な発酵食品 ⑥醤油
代表的な発酵食品 ⑦塩麹

については順次UPします




大阪高齢者大学 「高大祭」

2013年12月12日 | 高大祭
12月3日

予告でお伝えしました 「高大祭」の本番が開催されました。
五十数クラスの展示と2000人を超える来場者で、開催場所である吹田メイプラザは、熱気で溢れていました。

「高大祭」会場吹田メイプラザ

午前10時 大ホールで開会式

「自然文化研究科」の展示ブースから紹介します(開会後は混雑するた開会前に撮影した為、準備中のものもあります。)

1班:自然物工作  木の実・木の葉などでかわいらしい作品が沢山登場です

2班:大阪の伝統野菜 大阪しろな・こつまなんきん・きんときニンジンなど、珍しい野菜の展示が有り、いつの時代から有るかなど興味深い.展示でした。

3班:わが町の花と木 大阪市、吹田市 守口市 茨木市 等々各町のシンボルフラワー、名所などが冊子に上手く収められていました。

4班:巨樹探訪 班テーマの経緯、目的・活動報告・纏め・Q&Aと盛り沢山でした。

5班:大阪のダシ文化 ウルサイ大阪人のだしの取り方からの歴史がパネルに纏められていました。又ダシノ試飲も噂通り有りましたが、撮影が準備期間でしたので有りませんが後ほど、試飲させてもらったら、昆布のだしがシッカリ出ていて、.このままうどんにカケタラと思いました。

各ブースの様子。

中には戦国武将の隊列も。オミゴト

12/3日をもって、自然文化研究科は冬眠に入ります。今年の入学式以来ご愛読ありがとうございました。来年3月まで拙いBlogですが、暇なときには又お立ち寄りください。良いお年を。







「巨樹探訪」 平野区 大念仏寺 杭全神社(くまたじんじゃ)

2013年12月05日 | 校外活動
12月3日

高大祭準備が午前中に終わりましたので、班員8名で平野区の巨樹を訪ねました。

夏休み番外編で、8月22日に平野近辺を紹介しましたのでダブル部分もありますが、今回は班テーマ「巨樹探訪」の活動として平野区加美で昼食をとり 大念仏寺のクス 杭全神社のクスと大イチョウを訪ねました。

融通念佛宗総本山、大源山(通称 大念仏寺)。
創建は大治2年(1127)   
日本最古の念仏道場。
本堂の木造建築は大阪府下最大。
敷地面積約7300坪、30余りの諸堂がある。

本堂


クスの外周を手で繋いでみたら7人で繋がりました。


大阪市の保存樹に指定されています。指定されたのが昭和43年(1986年)なので27年間でもう少し大きくなっているはずですね。


杭全神社(くまたじんじゃ)
創建 平安初期 貞観4年(882)
平野郷の氏神として祀られる。
全国で唯一連歌所が残っている。
総面積 約3800坪


拝殿 (今夏撮ったものです)


御神木の楠。山門を入ってすぐ左.に有ります。樹齢 800~1000年 樹高 16.5M 幹周 9.42M 天然記念物に成っています。



大イチョウ 此れも大阪市の保存樹に成っています。


このイチョウは、垂乳根公孫樹(たらちねいちょう)といわれ、昔から「おちち」の神様として信仰を集めてきました。樹齢約500年のこの大きな銀杏の樹に祈念すると、母乳の出がよくなったり、乳の病が治るといわれています。





高大祭 準備活動

2013年12月04日 | 高大祭
12月3日

今日は12月10日の「高大祭」の準備を各班のテーマに沿って作成しました。

各班の高大祭テーマ

1班:自然物工作    
2班:大阪の伝統野菜 
  
3班:わが町の花と木 
   
4班:巨樹探訪 
   
5班:大阪のダシ文化 

製作風景をUPしますが、各班の作品は当日でないとはっきりと解らないので、12/10日「高大祭」本番以降に掲載します。


1班:自然物工作 木の実などで、どの様な作品が展示されるかな? 7月14日掲載の作品も登場するのかな?


2班:大阪の伝統野菜 最近の話題に時々「大阪伝統野菜」の放送が有ったりしますが、どの様な野菜が有るのでしょね。


3班:わが町の花と木 3班の生徒が住んでる町々のシンボルフラワー又はシンボルツリーは何なんでしょうか、検討中みたいですね。 


4班:巨樹探訪 森の絵、写真、日本地図、文字もイッパイ、どの様な巨樹を訪ねたのでしょうね。


5班:大阪のダシ文化 大阪人は食べる物にはウルサイ、特にダシにはウルサイ、何のダシが出て来るのかな、うわさではダシの試飲も出来るとか???

高大祭」本番をお楽しみに
  

「里山保全体験」

2013年11月27日 | 校外授業
11月26日

本日の授業は「里山保全体験」を箕面市民活動センターに於いて。、
NPO法人 みのお山麓保全委員会理事で、森林インストラクターで有り、森林セラピストを務めていらっしゃる中瀬重幸氏に午前は里山に就いてのお話を伺い、午後は「池の谷緑地」(通称しおんじ山)森林管理計画地で、里山を守るための体験をさせて頂きました。

午前の授業では
<里山とは>
里地里山とは、原生的な自然と都市との中間に位置し、集落とそれを取り巻く二次林、それらと混在する農地、ため池、草原などで構成される地域です。
此れに限ると決まった定義はない。


里山は人為的に植物の遷移を極相林前で抑えられ、人の手の入った森
<植生分布>
植生は降雨量によって決まる

日本の植生分布

関西の植生

<里山管理と植生調査>

上記のような里山調査を行い、課題や方向性を考え、その地に合った里山保全を行う。

<里山保全>



体験で除伐する生徒、左側にいらっしゃるのが中瀬理事


植生調査の方法

<森林の公益的機能>
その他、森林の公益的機能として、森林法による保安林指定17種、森林セラピーなどのお話が有りましたが、かつあいします。

午後の授業
「池の谷緑地」(通称しおんじ山)森林管理計画地で、里山を守るための体験をしました


池の谷緑地の案内板


里山を皆でエッチラ・コッチラと老体に鞭打って登りました。



樹高測定棒(右側の黄色い棒)を使用して、樹高測定。
測定方法は三人一組で一人は測定棒を伸ばし、もう一人は樹木の先端が水平に見えるところに上がり、棒の先端と、樹木の先端が合う位置で棒伸ばしを止め、棒を持った人が測定棒の目盛りを読み取る、もう一人は測定結果を記録する。

除伐 除伐とは間伐と違い、その場所に必要のない木を、若木の内に切り倒す。

まず女性の方が、細い木を中瀬さんの指導のもと切り倒す。



次は男性が少し太めの木を切り倒す、まず倒す方向に約半分水平に切り、上部から45度に切れ目を入れ、反対側から手で倒せるくらいまで、水平に切れ目を入れ手で倒す。


切り倒した木を枝打ちし、木は約2m位に切り、自然に早く返せるよう、葉を一番下その上に切った木をかぶせ後片付けは終了しました。