人生ラベリント

人生は迷路!! 芸術と日常、たまにミスコン・ネタも紹介しちゃうブログ。
最近はバレエ・ネタに執着中😅💦

作品研究(2)

2009年03月18日 | 美術
先日、キューバ人画家、カルロスの作品を紹介したこのコーナーで、今日は図々しくも、自分の作品を分析してみようかと思う。

作品のレベル的なことは置いといて貰って、何故こういう表現をしたかに付いて、その経過を紹介したい。


今から遡ること2年数ヶ月前、当時は現代アートというものが、どうにか少し分かりかけて来た頃で、とは言っても、(今もそうだけど)自分のテーマを見つけに右往左往していた時期だった。

丁度、体調を壊して1年半休学し復学した後で、硝酸やシンナー等の揮発性劇薬への汚染対策として、防毒マスクやゴム手袋等を日本から持参して、体調管理に注意しつつ銅版画工房に通っていた。

その学期が正に終わろうとしていたある日、銅版画の実習クラスでエバルエーションが行われた。
この工房の先生を中心に、我々各自がこの学期中に制作した版画作品を、我々自身も参加して評価しあうシステムだ。

休学後、参加したこの学年は、1学年下に当たる。
学校の方針で、この学年から急に生徒数が増え、版画専攻の生徒も当然ながら増えたので、多分その性だと思うが、生徒の技術レベルも数段落ちる結果となっていた。

元々、思ったことをストレートに言ってしまう性格の自分が、それ等の作品を見て、黙っている訳が無い。
つい、感じた本当のことを言ってしまったのだ。(汗)


メキシコ人の性格って、一般的に、凄く独特で複雑だ。
優越感と劣等感がごちゃ混ぜになっている。
そして、彼等の気持ちの中で、人種によって優劣を付けているところがある。

例え、一般的にアメリカは嫌いだと言っても、人種的には一目置く立場にあり、ヨーロッパのイギリスやフランス、ドイツ、そしてスペイン等の白人には一目も二目も置いているのが常だ。
その証拠に、どう見てもインディオの血が濃過ぎる~と思われる人達でも、自分はフランスとスペインの血が半分ずつだとかを自信満々に平気で言うのに反して、まかり間違っても、自分にはインディオの血が半分入っている等とは決して言わない。

その彼等が自分達の血筋よりも下に置きたがる人種に、アフリカ系の黒人と、黄色人種のアジア人がいる。
例え、日本という国に一目置いているとは言え、気持ちの何処かで、自分達よりも下に置きたがっているので、その日本人から指摘されたら、自分の立場が無くなってしまうのか、頭に来るのだろう。


この日、彫刻専攻の同級生が、家でパーティをするからと、工房に来て我々を誘ったので、自分も重い腰を起こして参加することにした。

初めて行く家だし、日本的習慣で、途中で多少質の良いラム酒を買ってその家に向かったのだが、着いてみてビックリした!!
食べ物も飲み物も、ナン~~~にも無いし、居間自体も、別にパーティをする様にセットもされていない。

小1時間もしただろうか。
その内にドンドン人が集まって来たかと思ったら、皆から少しずつ(って、多分、4~500円くらい)カンパをし始め、近所で飲み物や食べ物を買って来たのだ。
豚の皮を揚げたものだとか、トルティージャにナンだったか、自分は食べたことが無い様なものを(多分、凄く安いんだと思う)買って来て、アッと言う間に宴会が始まった。

例の如く、音楽をガンガンかけて、酒をバンバンあおって、ぎゃーぎゃー大声で話し笑い、みんな、神経というモノをドッカに置き忘れて来た様相だ。(って、自分も然りだった??)

その内に、同じ工房の、チョッとしょぼい『ドン・キホーテ』みたいなのが、酔った勢いで踊り始めたのは良いが、本人の鼻に指を当てて、グッと上に引き上げながら『ひょっとこ踊り』を踊り始めた。
この本人と一緒にいたチョッと歳の行った女性二人は大喜びだ。
ゲラゲラ笑う渦の中で、この『ドン・キホーテ』は増々調子に乗って、指を鼻に押し当てて踊り狂っている。

・・・この光景は、自分の目の前で行われていた・・・。

この本人の難しい性格は、以前から感じていたので、何故、ソイツが鼻に指を押し当てていたのか、否応無しに理解出来た。
勿論、自分への嫌がらせだからだ。
非常に不愉快だった・・・・・。

我々日本人は、モンゴロイドの血を引いている。
勿論、日本人の中にも鼻筋の通った人は多くいる。
でも、残念ながら自分の場合、鼻筋だけは父親に似ず、母親にも似ず、鼻筋が通っているとは言いがたい。

その日は、早々に、気分を害したまま引き上げた。
その数日後には日本に一時帰国をして、あの気分の悪さを精神の何処かに残したまま、『現代アート』的なドンな作品が考えられるかなぁと、漠然と考えていたある日、フト、この『人種差別』的なイメージが脳裏に浮かび、自分の恥も芸術の内と、紙の前に向かって描き上げたものが、この作品『人相アメーバ』だ。(このタイトル、良く無いので、変えるかもしれない。)


アクリル絵の具と色鉛筆を使用。
この作品は、1本線で描かれていて、終わりが無い。ズッと線を追って行けば、また元の場所に戻るのだ。

テーマは、『鼻と、そして鼻くそ』だ。
そう言えば、何となく分かるかもしれない。

部分をアップにすると、こんな感じ・・。




この『鼻と鼻くそ』をテーマにした作品では、銅版画で3部作『磔刑/鼻』ナンてのも制作したケド、ここでは省略する。

それから暫く時が経過したこの頃、余りにも作品を制作していなかったので、こりゃあマズい!!と感じて、チョコチョコッと!!(って、ホントにチョコッと)制作したのが、この間紹介した次の作品だ。


(『我が美術潮流(3)』(2月20日付)を参照願います。)

実は、この作品も、同じコンセプト、『鼻と鼻くそ』を継承している。
左上の『待ち針』みたいなのが鼻くそで(って、鼻毛が一本付いた鼻くそと思えば良いかもしれない。でも実際のアイデアは、鼻くそが鼻の穴から飛んで出て行っている構図)、その周りを太い習字の筆で描いた様な曲線が『鼻』だ。

今、このテーマで、少しシリーズ??ものを描いてみようかと思っているところだ。

(あと、『無気力シリーズ』だとか、『迷路(ラベリント)シリーズ』とか、(実際に版画で制作済み)色々考えられるけど、制作した作品は、何故か明るいテーマが無いなぁ。)

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