「中島君、ほんと強くなったなぁ」
3回戦を終えた時に、為則九段がかけて下さった言葉です。
そして「読みに入ってない手を何度も打たれた」とも
おっしゃってました。
10年くらい前になるでしょうか、為則九段との初対戦は。
確か学生選手権だったと思います。
その試合以降、確か公式戦で為則九段には11連敗して
います。1996年に開催されたオールスター戦でようやく
勝つことが出来、その連敗は止まりましたが、それでも
引き続き全日本・名人戦では勝ったことがありません
でした。
昨年の全日本選手権では3連勝後に当たり、中盤でこちらの
読みに入っていなかった絶妙の一手を打たれ、そのまま
なす術なく敗北。その敗戦で張り詰めていたものが弾け、
ずるずると3連敗。3連勝した8人の中でただ1人のみが
味わう、3連勝3連敗によるシード権逃しという辱めを
受けたのでした。
そして今年、今度は3回戦で為則九段に当たることが出来ました。
試合内容は為則さんのブログで10回に分けて連載中ですので
ここでは詳細には触れませんが、中盤で3手程、普通は打たない
あり得なそうな手を放って互角のまま終盤戦に突入することが
できました。
終盤はややマイナスな形勢だったのですが、為則九段が
見落としていた妙手(に見える手)を打つことができ、
それによって為則九段の敗着を誘うことができました。
メジャー大会で為則九段に初勝利!
私の憧れであり、そして一度も超えることのできなかった
大きな壁である為則九段に勝てた。このゲームは、自分でも
ほんと、良く打ててたと思う。
そして為則さんから冒頭のお言葉。
私最近、試合前や試合後の興奮状態の時には、妙に涙が出やすく
なっています。実は為則さんにこの言葉を頂いた時にも涙が
出そうになってたのですが、まだ3試合も残した状況で泣いてる
場合じゃありません。そんなことしてたら気持ちが切れてしまい
ます。なんかこみあげてくるものをぐっとこらえ、「ありがとう
ございます!」と元気にお返事。
為則九段を倒して3連勝を決め、トーナメント戦的に言えば
準々決勝に進出。しかしこの時点ではほとんど優勝など
意識していない。何度も書いているように、実力的に二冠
などあり得ないと思っているから。
しかし3連勝の8名の名前がホワイトボードに書き出され、
八段以上が1人もいないことに気づく。これすなわち、
優勝者は必ず昇段するということ。七段が優勝すれば
八段に、六段以下が優勝すれば七段になるわけです。
春の名人戦で9年ぶりに昇段して七段になった自分としては、
同じ七段の人間に先に八段を取られるのも、他の六段以下の
選手に同じ七段に追いつかれるのも、正直どちらも面白い
ことではない。
この時、心の中で「自分が優勝してやる」、そう思いました。
3回戦を終えた時に、為則九段がかけて下さった言葉です。
そして「読みに入ってない手を何度も打たれた」とも
おっしゃってました。
10年くらい前になるでしょうか、為則九段との初対戦は。
確か学生選手権だったと思います。
その試合以降、確か公式戦で為則九段には11連敗して
います。1996年に開催されたオールスター戦でようやく
勝つことが出来、その連敗は止まりましたが、それでも
引き続き全日本・名人戦では勝ったことがありません
でした。
昨年の全日本選手権では3連勝後に当たり、中盤でこちらの
読みに入っていなかった絶妙の一手を打たれ、そのまま
なす術なく敗北。その敗戦で張り詰めていたものが弾け、
ずるずると3連敗。3連勝した8人の中でただ1人のみが
味わう、3連勝3連敗によるシード権逃しという辱めを
受けたのでした。
そして今年、今度は3回戦で為則九段に当たることが出来ました。
試合内容は為則さんのブログで10回に分けて連載中ですので
ここでは詳細には触れませんが、中盤で3手程、普通は打たない
あり得なそうな手を放って互角のまま終盤戦に突入することが
できました。
終盤はややマイナスな形勢だったのですが、為則九段が
見落としていた妙手(に見える手)を打つことができ、
それによって為則九段の敗着を誘うことができました。
メジャー大会で為則九段に初勝利!
私の憧れであり、そして一度も超えることのできなかった
大きな壁である為則九段に勝てた。このゲームは、自分でも
ほんと、良く打ててたと思う。
そして為則さんから冒頭のお言葉。
私最近、試合前や試合後の興奮状態の時には、妙に涙が出やすく
なっています。実は為則さんにこの言葉を頂いた時にも涙が
出そうになってたのですが、まだ3試合も残した状況で泣いてる
場合じゃありません。そんなことしてたら気持ちが切れてしまい
ます。なんかこみあげてくるものをぐっとこらえ、「ありがとう
ございます!」と元気にお返事。
為則九段を倒して3連勝を決め、トーナメント戦的に言えば
準々決勝に進出。しかしこの時点ではほとんど優勝など
意識していない。何度も書いているように、実力的に二冠
などあり得ないと思っているから。
しかし3連勝の8名の名前がホワイトボードに書き出され、
八段以上が1人もいないことに気づく。これすなわち、
優勝者は必ず昇段するということ。七段が優勝すれば
八段に、六段以下が優勝すれば七段になるわけです。
春の名人戦で9年ぶりに昇段して七段になった自分としては、
同じ七段の人間に先に八段を取られるのも、他の六段以下の
選手に同じ七段に追いつかれるのも、正直どちらも面白い
ことではない。
この時、心の中で「自分が優勝してやる」、そう思いました。
前回も結構ビッグなウェーブでしたけど、今回のはまたもっと大きい波です、ほんと。
確か当時の波は、名人戦回りで8大会中7大会優勝ってなもんだったんですが、勝率はそうそう高くなかったんですね。
んで今回の波、私、今年に入って15大会に参加、うち10回が優勝のようです。で、なんと勝率が9割以上!
ありえねー。
僭越ながら推察するにnakajiの場合初めて名人を取ったときに第一のビッグウエーブが来て、今回第二のビッグウエーブでしょう。その間に色々あっただけに、今回のビッグウエーブについては感無量と思います。
これからも大舞台に挑むことが続きます。無理に虚勢を張るのは疲れるので、自然体でやってくればいいでしょう。