「トア」でサターンを動かしたんだから、PSもやらないとな! てことでプレー。何たってふたりはライバルだもんな!!!
……だがそのプレー形態は全く違う。恐々と実機を動かさざるを得ないサターンに対し、PSソフトはPS3でも遊べる。
挙動に問題があるどころか、読み込み時間等が強化され、メモカは仮想で作るから強固になり、ワイヤレスコントローラーで快適プレー。
いやはや、これが勝ち負けハードの差というやつか。あの時の勝敗が、現在のプレーにまで露骨に影響するとはなぁ。
まぁこれはこれで味があるとも言える。比類なき大帝国を築いた初代PSの勢力が、今も生きている証拠だ。素晴らしい。
だが現在、PS帝国は……諸行無常盛者必衰……なのか? それは今から更に10年、15年後に判断するとしよう……。
90年代後半、SNKは格ゲーバブルを謳歌していた。そしてその後、バブルらしく弾けて消えていった。
バブルと言うと、80年代にあった比類なき日本最強最後の好景気が思い浮かぶが、小さなバブルは色んな時代色んな業種で発生している。
要するに、その集団に、身の丈に合ってない大金が回ってくる現象のことだろう。そして身の丈に合ってないから、遣い方を間違える。
今更語るまでもなく、90年代の対戦格闘ゲームブームは凄まじかった。その立役者たるSNKは、もう儲かって儲かって仕方がなかった。
それ自体はSNKの成果だから、褒め称えるしかない。もちろんその儲けたお金をどうするかもSNKの自由である。
そして自信を深めたSNKは、ごく自然に会社拡大の方針を取り、どんどん新規事業に手を出していった。
ネオジオワールド(遊園地)の設立、新たな自社ハードの開発(NGP、64)、そして格ゲー以外のジャンルのゲーム製作、等等。
これらが悉く失敗に終わり、負債に潰される形でSNKはその生涯を閉じた。勝手ながら、もう少し慎ましくやれなかったのか、と思う。
見方を変えれば、格ゲーブームがSNKを潰したとも言えるかもしれん。身の丈に合った経営を続けていればなぁ。
だがしかし、あの頃のSNK格ゲーの熱さ、面白さ、ついでに出鱈目さが本物だった事は、俺も経験者の一人として断言する。
あの頃のSNKゲーをプレーできて良かった。京や庵はカッコ良かった。ありがとうSNK。ザフューチャーイズナウSNK。
今は昔の物語。何もかもが懐かしい……。
ふぅ。
そうやって新規事業展開には失敗したSNKだが、その中では「他ジャンルソフトの開発」はかなり常識的な部類だと思う。
と言うより、やって当然だ。格ゲーブームは凄まじかったが、ブームはブーム、いつか必ず終わる時は来る。
それはいちプレーヤーの俺ですらビンビン感じてた事だから、当事者のSNKが危惧していなかったわけがない。
やがて格ゲーが下火になった時、新たな柱になるジャンル、シリーズが必要だ。それは今のうちに探しておかねばならない。
かつてはSNKも様々なタイプのゲームを作っていたが、良くも悪くも格ゲーに集中しすぎたあまり、それ以外のジャンルを作れなくなってしまった(?)。
資金に余裕ができたから、ここでもう一度他ジャンルを開拓しようということだろう。うむ、実に妥当な判断である。
てわけで、「ATHENA ~Awakening from the ordinary life~」である。糞長ったらしいんでアテナと呼称する。
当時のSNKが開発した格ゲー以外のソフトの一本である。ある意味SNKの試金石となった一本である。さて。
格ゲー以外の新規タイトルを手がけるにしても、格ゲーにおける絶大な人気と知名度を利用しないのは勿体無い。
なら格ゲーの人気キャラを主人公に据えたゲームにすればいいんじゃね!? ……とSNKは考えたのだろう。
そこで選ばれたキャラこそ、SNK格闘の中でも最も人気のあった「キング・オブ・ファイターズ」シリーズ皆勤の女性戦士、
更に言えば格ゲーを超えたSNKヒロインの元祖、歌って戦う超能力少女、麻宮アテナその人であった。
ただ、今作はKOFとは関係ない、パラレルの設定である。キャラや超能力は登場するが、麻宮アテナも別人と言えば別人である。
新たに練り直された世界で生まれ変わった麻宮アテナは、果たしてここでも輝けるのか。プレーを開始した。
……でも正直、俺には最初から間違ってるように思えるんだよな。
アテナは確かに魅力的なキャラさ。俺もサブのサブのサブくらいで使ってたさ。95の弱フェニックスアロー→超必 がイカスんだよな。
だが、アテナが魅力的なのは、あくまで格ゲーにおいて、である。ドット絵を脱却しても尚輝くとは俺には思えない。
これはアテナに限らず、格ゲーキャラの多くに共通する、意外と深刻な問題だと思う。
格ゲーは、キャラが多彩で細やかな動きを見せてくれるのが大きな魅力だ。多彩な技の数々にユーザーは見惚れるのである。
その多彩さは、他のゲームジャンルとは一線を画すほどだと思う。だからこそ格ゲーはキャラが立ち、キャラ人気が盛り上がった。
しかしこれは、あくまで格ゲー、更に言えば「平面的に見た」ドット絵での話である。彼らの世界は、非常に狭いのだ。
格ゲーキャラは、真横から見たアングルで技を繰り出せば、非常にカッコ良い。だがそこから先には広がり難いのである。
今まで様々なタイトルの格ゲーが、規模の大小はともかくアニメ化されたが、それに魅力を感じた人はいるだろうか?
俺にはどれも「何か違う」と感じるものばかりだった。そりゃそうだ、実際違うんだから。彼らは格ゲーでこそ輝くんだから。
昇龍拳も、大蛇薙も、あのアングルとエフェクトがあるからこそ超カッコ良い。ちょっとでもずれれば、多大な違和感が湧き起こる。
あれだけキャラ人気を誇ったが格ゲーだが、キャラが独立して人気を得ることが終ぞ無かったのは、これが原因だと俺は思う。
今作より前に、KOF最高の人気キャラだった草薙京のキャラゲーが発売されたが、やはり大して売れなかった。
もちろんゲームの出来云々もあるのだろうが、当時のKOFと京の人気を考えれば不自然と言えるほどの数字だったと記憶している。
それはやはり「何か違う」為だろう。あの絶頂期ですら、ユーザーは敏感にそれを感じ取っていた。
そして残念ながら、今作におけるアテナも、まんまそのパターンに陥っていると思う。
今作のアテナはドット絵ではなく、ポリゴンである。そしてハードは初代PSである。……そのポリレベルは、お察ししろと言うべきだ。
パッケージにこそかなり美しいアテナのCGが描かれているが、所謂表紙詐欺というやつで、本編アテナにフォトショの力は施されていない。
まぁハードの性能上ゲームシーンでそうなるのは仕方ないが、ムービーでも大して変わらないのはさすがに酷いと思った。
今作はかなりの頻度と時間でムービーが挟まれているが、99年というPSが使いこなされてきた時期を考慮すると、ハッキリ言って質が低い。
またグラフィックが汚いのに加え、アテナの挙動がもっさりしているので、「キャラを動かす快感」は皆無に等しい。寧ろストレスだ。
SNK格ゲーの大きな魅力の一つ・音声も、今作ではムービーで喋るだけで、通常イベントは文字のみ。華やかさがない。
どこから見ても格ゲーの良さの逆を行っており、キャラ人気を利用するどころか潰してしまっている。
ポリゴン化はしゃーないにしても、ムービーシーンはもう少し頑張れなかったのか。非常に「違う」と感じるゲームである。
今作は、ジャンル的には「アクションアドベンチャー」である。当時流行だったジャンルだな。
それはゲームが始まり、移動をしようとした時にすぐ実感できた。キーを入れてもアテナはくるくる回るだけ。上を入れると前に進む。
……バイオハザードのラジコン操作じゃねぇかこれ! いやホント、正直笑っちまった。あまりにも「当時らしい」操作系だったから。
ムービー重視、ラジコン操作、謎解き中心のゲーム性……あっはっはっは、「あの頃」のゲームである。実に。
家庭用新規タイトルを立ち上げるに辺り、当時の流行ジャンルを参考にしまくったSNKの思惑がありありと伝わってくる。
どうせなら品質も真似てほしかったが、これがSNKなりの精一杯だったんだろう。今だから微笑ましい。今だから。
あ、でも一つ、↓+ダッシュボタンで「180度ターン」が出来るのはちょっと感心した。
今作は99年3月発売、180度ターンを導入した「バイオハザード3」の発売がこの年9月、つまり今作の方が早い。
恐らく元祖ではないだろうが、本家に先駆けてターンを入れていたことは特筆すべきであろう。ホンの数文字だけ、な。
さて、今作はバイオ風アクションアドベンチャーである。まぁ雰囲気的には「パラサイトイヴ」の方が近いかもしれないな。
ムービー→謎解きアドベンチャー→戦闘モード の流れでゲームが進む。で、中心となるのは、謎解きアドベンチャーである。
これがもう、ある意味驚かされる密度だった。ゲームの7割は謎解きとフラグ立てに奔走してたと思う。そればっかり。
謎解きの内容は、ヒントを頼りに数字を入力する等、これまた実にバイオ的であった。まぁつまらなくはない。
ただ謎解きに絡むフラグ立てが多く、更にアテナの挙動が遅いので、謎解き自体はまだしもあちこち走り回るのが楽しいとは思えなかった。
また時間制限イベントがやけに多く、失敗したらセーブデータからやり直しなので、時間のロスはかなりのものとなる。
フラグ立てが非常に面倒臭いゲームなので、セーブは頻繁にしておくべきだろう。ちなみにセーブ回数に制限はない。
今作はゲームボリュームが薄く、4時間もあれば十分クリアーできる。これで謎解きの割合が大きいんだから、真っ直ぐやれば2時間程度か?
薄いボリュームを謎解きで無理矢理増やそうとしたように思えてならない。誠実なゲーム作りとは言えないだろう。はぁ。
今作の特徴として、アテナの超能力システムがある。
アテナはゲーム開始当初こそ何の変哲もない普通の女の子だが、とあるきっかけにより超能力に目覚め、様々な能力を開花させていく。
当然それらの能力は、謎解き及び戦闘で使用される。おなじみサイコボールからテレパシーまで、種類は様々だ。
超能力はイベントで、いわゆる音ゲー的にタイミングよくボタンを押すことで習得でき、以後発動させることができる。
ボタン押しは高度(多分)な超能力では結構シビアで、コツを掴むまで何気に難しかった。音ゲーほど厳しいわけではないが。
ここでボタン押しをミスるとアテナは「精神力」を消耗し、これが一定値を下回ると、悲鳴を挙げて昏倒、ゲームオーバーとなる。
更に面白いのは、超能力は失敗はもちろん、入力に成功しても精神力をある程度消耗することだ。
従って、入力に慣れたからと言って気楽に使いまくるわけにはいかない。実際俺、テレパシーで相手の心盗み見しまくって死に掛けた。
この超能力と精神力の設定は、優れている……とまでは言わないが、なかなかどうして面白い調整だと思った。
入力をミスする時の効果音やアテナの苦しそうな表情がまた絶妙な不快感をもたらすのも、上手い演出と言えるだろう。うん。
超能力入力をミスらずとも精神力は消耗していき、また精神力が低くなるほど音ゲー入力がシビアになるので、回復は大事だ。
回復は全てアイテム、食べ物・飲み物を摂取することで行われる。腹が満ちれば精神力が回復、アテナは意外と食い意地の張った女子高生。
それはまぁ良いとしても、それら食べ物を「拾って入手する」のは、女子高生的に、ヒロイン的に大問題だと思った。
もうマジで文字通り、道端やらベンチに落ちてるポテチやお茶を拾い上げ、口に入れて精神を安定させるのである。
ハッキリ言って嫌すぎである。コジキじゃねーか超能力女子高生! もっとイメージってもんを考えろよSNK!
今作のアテナはKOFと違ってアイドル設定はないが、もしあったら一大スキャンダルになって速攻芸能界追放ものだろう。
ちなみにポテチやチョコだと効果は低いが、肉まんやさくらもちは大幅回復。拾い食いするくせに好みのうるさい女だ。
もしこのゲームが当時売れてたら、この拾い食いは延々ネタにされたであろう。喜んでいいんだか。はぁ。
そして謎解きモードが一段落すると、戦闘モードが始まる。
画面構成は変わらないがシステムが切り替わり、敵との会話や移動や攻撃を全てコマンドで決めるようになる。
基本的には移動で敵の攻撃を回避し、隙をついてサイコボールをブチ当てる、が攻略となる。殆ど全部これだった。
しかしこれが……なんちゅーか、非常にチャチなんだよな。グラフィック的にも、システム的にも。
前述したように今作のグラフィックはショボい。従ってアテナの放つ超能力のエフェクトもヘボヘボ。全然迫力がない。
敵キャラも同様に、バトルスーツに身を包んだ兵士や人型ロボなどの強そうな奴が登場するものの、絵がヘボ過ぎて全く怖くない。
挙動や攻撃エフェクトがまたショボいから、紙人形劇を見ているよう。時代を考慮してもちょっと見ていられなかった。
せめて動きはもう少し頑張れなかったのか。そもそも運動能力はごく一般人なアテナが、銃撃を走って避けるのがあり得ないが。
んで首尾よく敵の隙をつけたら、お待ちかねサイコボールアタックの時間だ。謎解きモードと同じく、音ゲーにて入力、発射する。
隙をつかないと上手く敵に当たらないので、闇雲に攻撃せずにまずは回避を頑張らねばならない。超能力も万能じゃないのさ。
戦闘モードでも、入力を成功しても精神力を消耗する。もちろんミスるとより多く消耗する。
場面的に戦闘モードの方が緊張するので、ミスする確率も高い。そして戦闘モードでは、当然ながら敵も攻撃してくるのである。
アテナは防御に関しては最強で、銃撃を食らおうと自動で「サイコシールド」を発動し、全てをガードする。
兵士のガトリングガンもロボのビームも、全部シールドで無効化。正直攻撃よりこっちの方がずっと凄まじかった。
だがこのシールドも、ただでは発生しない。発動することにより、例によって精神力を消耗するのである。
今作のアテナに体力の概念はなく、パラメータは精神力のみだ。つまり敵からの攻撃ダメージもまた、精神力に影響してくるのである。
HPが存在せず、自分の攻撃でも敵からの被弾でもMPを消費するということだ。
普通なら自キャラのHPとMPは分けられているものだが、今作はそれを統合し、しかも上手く消化している。
これは何気に面白いと思った。今作で唯一と言っていいセンスを感じたな。
終盤はシールドによる消耗の方が大きいので、攻撃より位置取りの方が重要になってくる。
……となると、どうにも絵的に間抜け極まりない戦闘になっちまうんだよなぁ。うーん、惜しい。
色々書いたが戦闘難度は別に高くなく、回復アイテムも割と潤沢に得られる(拾える)ので、クリアーは難しくない。
そもそもゲームボリュームが極小だから戦闘回数も少ないし。今ネタとして見れば笑えるが、当時これでは……辛いよなぁ。
物語は、他の要素に比べれば結構凝っていた。
まず、とある謎の組織が大昔の古代人遺跡を発見、古代人DNAを採取し、そこから古代人を基にしたバイオコンピュータを製作。
コンピュータはどんどん自我を拡大し知識を深め、やがて組織を牛耳るようになる。なんじゃそら、電源切れよ人間!!
やがてコンピュータは、古代人が持っていた超能力を自分も持ちたいと考え、人工超能力生命を部下に作らせるが、半端な出来にしかならなかった。
そんな時、完全な古代人DNAを引き継ぐ少女・アテナの存在を察知したコンピュータは、部下にアテナ拉致を命ずるのであった……。
……うーむ、チャチだな。まぁチャチだが、こんなもんだろ。なんで組織が機械如きに唯々諾々と従うのか分からん。
あとアテナの古代人DNA設定も、ただ語られるだけでそれ以上は何の説明もなかった。両親なんて名前すら出なかったし。
物語もゲーム部分と同じく、細かく詰めたりボリュームを増す努力が不足していると思う。荒っぽいなぁ。こんなもんか。
シナリオはアレだが、ゲームの雰囲気はいい感じに重く、理不尽な能力に振り回されるアテナの苦悩によく合っていた。
超能力で親友の危機を救うものの、その化け物染みた能力を親友に忌避される……というシーンは、ありがちながらグッと来た。
その親友・理香は一度組織に殺され、アテナが真の力に目覚めるきっかけを作るものの、EDで何故か瀕死状態だったことになり、超能力で復活、完。
理香が死んだ時は展開に驚いたが、まぁ今作にそんな度胸あるわけないよな。ご都合ご都合。はぁ。
今作には一応、KOFより「椎拳崇」もアテナの同級生として登場する。アテナへ片想いしているという設定も引き継いでいる。
アテナと違って超能力はないが、「ワイはアテナのナイトやで!」と方々で登場し、貴重な笑い役として活躍する。別に笑えないけど。
……が、ラスト付近で、実は拳崇にも超能力は秘められていて、アテナと同格で組織から注目されていたことが判明。
無防備状態でラスボスから攻撃を受け絶体絶命のアテナを、突然のサイコシールドで守るという大活躍を見せた。
うーん、今作の内容なら、拳崇は凡人の方が良かったと思うがなぁ。続編への伏線だろうか。
まぁそれでもアテナの心境に特に変化はなく、彼女が終始気にしていたのは親友・理香との仲だけであった。拳崇哀れ。
ラスト前に2つ、クリアーとは関係がないミニゲームが挿入され、これを突破するとED後に特別ムービーが観られるようになる。
んでこれの内容が明らかに続編を示唆しているもので、今作はシリーズ化を目論んでいたことが分かる。
……その後どうなったのかは言うまでもない。何せ会社がポシャったんだからゲームの続きなんか出るわけがない。
超能力戦士アテナの戦いはあの後どうなったのだろう。プレーヤーが想像するしかない。
ふぅ。
今作発売当時、アテナは今作の設定を踏襲したテレビドラマ化もされていたはず。多分。
俺は観てないが、ゲーム版の出来を考えればまぁそういう内容だろう。麻宮アテナ国民的アイドル化計画、脆くも失敗。
今作は一応、現在ゲームアーカイブスにて600円で配信されているらしいが、ハッキリ言って今更プレーするに値するゲームではない。
俺も辛うじて90年代の格ゲー、SNK全盛期に思いを馳せて乗り切った形だからな。はぁ。
もっとお金をかけて、時間をかけて、ゲーム性を練り込みドラマ性を上げボリュームを増やせば、売れたのだろうか。
少なくともハードの性能が全く足りてないのは間違いないから、PS2まで時代を待てば少しは改善されたと思う。
……でもそれだと、SNK自体がこの世から消滅しちまうんだよな。ああ虚しき歴史のIF。妄想すら許されない。
比類なき古代人のDNAを継ぐ超能力美少女戦士・麻宮アテナとてこればかりはどうしようもない。
何の用もないけど、久々に江坂に行ってこようかな。俺ん家から近いんだよ。当時はネオジオランドによくロケテ見に行ったよ。
サイコボール~が~~~光~~放ち~~~~~~…………。俺は95の長崎萌派かな。さとう玉緒はスゲー人選だったな。
ちなみに今作アテナは98以降定着した池澤春菜氏が担当している。格ゲーほどの存在感は感じられなかったが。
SNKはとっくに倒産したが、その資産はSNKプレイモアに引き継がれ、一応現在も格ゲー含めて色々と展開はしている。
アテナの本来の居場所・KOFも継続していて、現在は「KOF13」がプレーされている。……多分。
KOFは長年グラフィックの流用を続けていたが、「KOF12」にてついに完全刷新、全てのドット絵を新規に打ち直した。
しかしこの新規ドット絵が……確かに奇麗は奇麗だが、ハッキリ言ってKOFファンに受け入れられる方向性ではなかった。
俺も往年のファンとして「これは違うだろう」と言うしかなかった。何であんな風にしたのは未だに分からない。
そして我らがアテナも当然新規ドット絵で生まれ変わったわけだが……他キャラと同様、非常に違和感のある絵柄だ。
顔が妙にロリ臭いのがなぁ。森気楼氏の時代が懐かしい。
ただKOF13には結構興味があるので、廉価版発売を待っての参戦を微妙に考えている。京とK´を使ってみたい。
その時にはアテナの変貌も受け止めよう。80年代からセーラー服を着続けるサイコソルジャー、素敵じゃないか!
2次元キャラの特権だ。いつまでも若く美しい。麻宮アテナさん、これからも素敵なサイコボールで俺を楽しませて下さい。
……プレーヤーは、いつまでも若く情熱に溢れるというわけにはいかないけどな。
あー格ゲーいちから始めるの超大変だぁ~技もシステムも複雑すぎて覚えられねーよこんなんユーザー離れて当然じゃあ~~。
はぁ……。
拍手を送る
……だがそのプレー形態は全く違う。恐々と実機を動かさざるを得ないサターンに対し、PSソフトはPS3でも遊べる。
挙動に問題があるどころか、読み込み時間等が強化され、メモカは仮想で作るから強固になり、ワイヤレスコントローラーで快適プレー。
いやはや、これが勝ち負けハードの差というやつか。あの時の勝敗が、現在のプレーにまで露骨に影響するとはなぁ。
まぁこれはこれで味があるとも言える。比類なき大帝国を築いた初代PSの勢力が、今も生きている証拠だ。素晴らしい。
だが現在、PS帝国は……諸行無常盛者必衰……なのか? それは今から更に10年、15年後に判断するとしよう……。
90年代後半、SNKは格ゲーバブルを謳歌していた。そしてその後、バブルらしく弾けて消えていった。
バブルと言うと、80年代にあった比類なき日本最強最後の好景気が思い浮かぶが、小さなバブルは色んな時代色んな業種で発生している。
要するに、その集団に、身の丈に合ってない大金が回ってくる現象のことだろう。そして身の丈に合ってないから、遣い方を間違える。
今更語るまでもなく、90年代の対戦格闘ゲームブームは凄まじかった。その立役者たるSNKは、もう儲かって儲かって仕方がなかった。
それ自体はSNKの成果だから、褒め称えるしかない。もちろんその儲けたお金をどうするかもSNKの自由である。
そして自信を深めたSNKは、ごく自然に会社拡大の方針を取り、どんどん新規事業に手を出していった。
ネオジオワールド(遊園地)の設立、新たな自社ハードの開発(NGP、64)、そして格ゲー以外のジャンルのゲーム製作、等等。
これらが悉く失敗に終わり、負債に潰される形でSNKはその生涯を閉じた。勝手ながら、もう少し慎ましくやれなかったのか、と思う。
見方を変えれば、格ゲーブームがSNKを潰したとも言えるかもしれん。身の丈に合った経営を続けていればなぁ。
だがしかし、あの頃のSNK格ゲーの熱さ、面白さ、ついでに出鱈目さが本物だった事は、俺も経験者の一人として断言する。
あの頃のSNKゲーをプレーできて良かった。京や庵はカッコ良かった。ありがとうSNK。ザフューチャーイズナウSNK。
今は昔の物語。何もかもが懐かしい……。
ふぅ。
そうやって新規事業展開には失敗したSNKだが、その中では「他ジャンルソフトの開発」はかなり常識的な部類だと思う。
と言うより、やって当然だ。格ゲーブームは凄まじかったが、ブームはブーム、いつか必ず終わる時は来る。
それはいちプレーヤーの俺ですらビンビン感じてた事だから、当事者のSNKが危惧していなかったわけがない。
やがて格ゲーが下火になった時、新たな柱になるジャンル、シリーズが必要だ。それは今のうちに探しておかねばならない。
かつてはSNKも様々なタイプのゲームを作っていたが、良くも悪くも格ゲーに集中しすぎたあまり、それ以外のジャンルを作れなくなってしまった(?)。
資金に余裕ができたから、ここでもう一度他ジャンルを開拓しようということだろう。うむ、実に妥当な判断である。
てわけで、「ATHENA ~Awakening from the ordinary life~」である。糞長ったらしいんでアテナと呼称する。
当時のSNKが開発した格ゲー以外のソフトの一本である。ある意味SNKの試金石となった一本である。さて。
格ゲー以外の新規タイトルを手がけるにしても、格ゲーにおける絶大な人気と知名度を利用しないのは勿体無い。
なら格ゲーの人気キャラを主人公に据えたゲームにすればいいんじゃね!? ……とSNKは考えたのだろう。
そこで選ばれたキャラこそ、SNK格闘の中でも最も人気のあった「キング・オブ・ファイターズ」シリーズ皆勤の女性戦士、
更に言えば格ゲーを超えたSNKヒロインの元祖、歌って戦う超能力少女、麻宮アテナその人であった。
ただ、今作はKOFとは関係ない、パラレルの設定である。キャラや超能力は登場するが、麻宮アテナも別人と言えば別人である。
新たに練り直された世界で生まれ変わった麻宮アテナは、果たしてここでも輝けるのか。プレーを開始した。
……でも正直、俺には最初から間違ってるように思えるんだよな。
アテナは確かに魅力的なキャラさ。俺もサブのサブのサブくらいで使ってたさ。95の弱フェニックスアロー→超必 がイカスんだよな。
だが、アテナが魅力的なのは、あくまで格ゲーにおいて、である。ドット絵を脱却しても尚輝くとは俺には思えない。
これはアテナに限らず、格ゲーキャラの多くに共通する、意外と深刻な問題だと思う。
格ゲーは、キャラが多彩で細やかな動きを見せてくれるのが大きな魅力だ。多彩な技の数々にユーザーは見惚れるのである。
その多彩さは、他のゲームジャンルとは一線を画すほどだと思う。だからこそ格ゲーはキャラが立ち、キャラ人気が盛り上がった。
しかしこれは、あくまで格ゲー、更に言えば「平面的に見た」ドット絵での話である。彼らの世界は、非常に狭いのだ。
格ゲーキャラは、真横から見たアングルで技を繰り出せば、非常にカッコ良い。だがそこから先には広がり難いのである。
今まで様々なタイトルの格ゲーが、規模の大小はともかくアニメ化されたが、それに魅力を感じた人はいるだろうか?
俺にはどれも「何か違う」と感じるものばかりだった。そりゃそうだ、実際違うんだから。彼らは格ゲーでこそ輝くんだから。
昇龍拳も、大蛇薙も、あのアングルとエフェクトがあるからこそ超カッコ良い。ちょっとでもずれれば、多大な違和感が湧き起こる。
あれだけキャラ人気を誇ったが格ゲーだが、キャラが独立して人気を得ることが終ぞ無かったのは、これが原因だと俺は思う。
今作より前に、KOF最高の人気キャラだった草薙京のキャラゲーが発売されたが、やはり大して売れなかった。
もちろんゲームの出来云々もあるのだろうが、当時のKOFと京の人気を考えれば不自然と言えるほどの数字だったと記憶している。
それはやはり「何か違う」為だろう。あの絶頂期ですら、ユーザーは敏感にそれを感じ取っていた。
そして残念ながら、今作におけるアテナも、まんまそのパターンに陥っていると思う。
今作のアテナはドット絵ではなく、ポリゴンである。そしてハードは初代PSである。……そのポリレベルは、お察ししろと言うべきだ。
パッケージにこそかなり美しいアテナのCGが描かれているが、所謂表紙詐欺というやつで、本編アテナにフォトショの力は施されていない。
まぁハードの性能上ゲームシーンでそうなるのは仕方ないが、ムービーでも大して変わらないのはさすがに酷いと思った。
今作はかなりの頻度と時間でムービーが挟まれているが、99年というPSが使いこなされてきた時期を考慮すると、ハッキリ言って質が低い。
またグラフィックが汚いのに加え、アテナの挙動がもっさりしているので、「キャラを動かす快感」は皆無に等しい。寧ろストレスだ。
SNK格ゲーの大きな魅力の一つ・音声も、今作ではムービーで喋るだけで、通常イベントは文字のみ。華やかさがない。
どこから見ても格ゲーの良さの逆を行っており、キャラ人気を利用するどころか潰してしまっている。
ポリゴン化はしゃーないにしても、ムービーシーンはもう少し頑張れなかったのか。非常に「違う」と感じるゲームである。
今作は、ジャンル的には「アクションアドベンチャー」である。当時流行だったジャンルだな。
それはゲームが始まり、移動をしようとした時にすぐ実感できた。キーを入れてもアテナはくるくる回るだけ。上を入れると前に進む。
……バイオハザードのラジコン操作じゃねぇかこれ! いやホント、正直笑っちまった。あまりにも「当時らしい」操作系だったから。
ムービー重視、ラジコン操作、謎解き中心のゲーム性……あっはっはっは、「あの頃」のゲームである。実に。
家庭用新規タイトルを立ち上げるに辺り、当時の流行ジャンルを参考にしまくったSNKの思惑がありありと伝わってくる。
どうせなら品質も真似てほしかったが、これがSNKなりの精一杯だったんだろう。今だから微笑ましい。今だから。
あ、でも一つ、↓+ダッシュボタンで「180度ターン」が出来るのはちょっと感心した。
今作は99年3月発売、180度ターンを導入した「バイオハザード3」の発売がこの年9月、つまり今作の方が早い。
恐らく元祖ではないだろうが、本家に先駆けてターンを入れていたことは特筆すべきであろう。ホンの数文字だけ、な。
さて、今作はバイオ風アクションアドベンチャーである。まぁ雰囲気的には「パラサイトイヴ」の方が近いかもしれないな。
ムービー→謎解きアドベンチャー→戦闘モード の流れでゲームが進む。で、中心となるのは、謎解きアドベンチャーである。
これがもう、ある意味驚かされる密度だった。ゲームの7割は謎解きとフラグ立てに奔走してたと思う。そればっかり。
謎解きの内容は、ヒントを頼りに数字を入力する等、これまた実にバイオ的であった。まぁつまらなくはない。
ただ謎解きに絡むフラグ立てが多く、更にアテナの挙動が遅いので、謎解き自体はまだしもあちこち走り回るのが楽しいとは思えなかった。
また時間制限イベントがやけに多く、失敗したらセーブデータからやり直しなので、時間のロスはかなりのものとなる。
フラグ立てが非常に面倒臭いゲームなので、セーブは頻繁にしておくべきだろう。ちなみにセーブ回数に制限はない。
今作はゲームボリュームが薄く、4時間もあれば十分クリアーできる。これで謎解きの割合が大きいんだから、真っ直ぐやれば2時間程度か?
薄いボリュームを謎解きで無理矢理増やそうとしたように思えてならない。誠実なゲーム作りとは言えないだろう。はぁ。
今作の特徴として、アテナの超能力システムがある。
アテナはゲーム開始当初こそ何の変哲もない普通の女の子だが、とあるきっかけにより超能力に目覚め、様々な能力を開花させていく。
当然それらの能力は、謎解き及び戦闘で使用される。おなじみサイコボールからテレパシーまで、種類は様々だ。
超能力はイベントで、いわゆる音ゲー的にタイミングよくボタンを押すことで習得でき、以後発動させることができる。
ボタン押しは高度(多分)な超能力では結構シビアで、コツを掴むまで何気に難しかった。音ゲーほど厳しいわけではないが。
ここでボタン押しをミスるとアテナは「精神力」を消耗し、これが一定値を下回ると、悲鳴を挙げて昏倒、ゲームオーバーとなる。
更に面白いのは、超能力は失敗はもちろん、入力に成功しても精神力をある程度消耗することだ。
従って、入力に慣れたからと言って気楽に使いまくるわけにはいかない。実際俺、テレパシーで相手の心盗み見しまくって死に掛けた。
この超能力と精神力の設定は、優れている……とまでは言わないが、なかなかどうして面白い調整だと思った。
入力をミスする時の効果音やアテナの苦しそうな表情がまた絶妙な不快感をもたらすのも、上手い演出と言えるだろう。うん。
超能力入力をミスらずとも精神力は消耗していき、また精神力が低くなるほど音ゲー入力がシビアになるので、回復は大事だ。
回復は全てアイテム、食べ物・飲み物を摂取することで行われる。腹が満ちれば精神力が回復、アテナは意外と食い意地の張った女子高生。
それはまぁ良いとしても、それら食べ物を「拾って入手する」のは、女子高生的に、ヒロイン的に大問題だと思った。
もうマジで文字通り、道端やらベンチに落ちてるポテチやお茶を拾い上げ、口に入れて精神を安定させるのである。
ハッキリ言って嫌すぎである。コジキじゃねーか超能力女子高生! もっとイメージってもんを考えろよSNK!
今作のアテナはKOFと違ってアイドル設定はないが、もしあったら一大スキャンダルになって速攻芸能界追放ものだろう。
ちなみにポテチやチョコだと効果は低いが、肉まんやさくらもちは大幅回復。拾い食いするくせに好みのうるさい女だ。
もしこのゲームが当時売れてたら、この拾い食いは延々ネタにされたであろう。喜んでいいんだか。はぁ。
そして謎解きモードが一段落すると、戦闘モードが始まる。
画面構成は変わらないがシステムが切り替わり、敵との会話や移動や攻撃を全てコマンドで決めるようになる。
基本的には移動で敵の攻撃を回避し、隙をついてサイコボールをブチ当てる、が攻略となる。殆ど全部これだった。
しかしこれが……なんちゅーか、非常にチャチなんだよな。グラフィック的にも、システム的にも。
前述したように今作のグラフィックはショボい。従ってアテナの放つ超能力のエフェクトもヘボヘボ。全然迫力がない。
敵キャラも同様に、バトルスーツに身を包んだ兵士や人型ロボなどの強そうな奴が登場するものの、絵がヘボ過ぎて全く怖くない。
挙動や攻撃エフェクトがまたショボいから、紙人形劇を見ているよう。時代を考慮してもちょっと見ていられなかった。
せめて動きはもう少し頑張れなかったのか。そもそも運動能力はごく一般人なアテナが、銃撃を走って避けるのがあり得ないが。
んで首尾よく敵の隙をつけたら、お待ちかねサイコボールアタックの時間だ。謎解きモードと同じく、音ゲーにて入力、発射する。
隙をつかないと上手く敵に当たらないので、闇雲に攻撃せずにまずは回避を頑張らねばならない。超能力も万能じゃないのさ。
戦闘モードでも、入力を成功しても精神力を消耗する。もちろんミスるとより多く消耗する。
場面的に戦闘モードの方が緊張するので、ミスする確率も高い。そして戦闘モードでは、当然ながら敵も攻撃してくるのである。
アテナは防御に関しては最強で、銃撃を食らおうと自動で「サイコシールド」を発動し、全てをガードする。
兵士のガトリングガンもロボのビームも、全部シールドで無効化。正直攻撃よりこっちの方がずっと凄まじかった。
だがこのシールドも、ただでは発生しない。発動することにより、例によって精神力を消耗するのである。
今作のアテナに体力の概念はなく、パラメータは精神力のみだ。つまり敵からの攻撃ダメージもまた、精神力に影響してくるのである。
HPが存在せず、自分の攻撃でも敵からの被弾でもMPを消費するということだ。
普通なら自キャラのHPとMPは分けられているものだが、今作はそれを統合し、しかも上手く消化している。
これは何気に面白いと思った。今作で唯一と言っていいセンスを感じたな。
終盤はシールドによる消耗の方が大きいので、攻撃より位置取りの方が重要になってくる。
……となると、どうにも絵的に間抜け極まりない戦闘になっちまうんだよなぁ。うーん、惜しい。
色々書いたが戦闘難度は別に高くなく、回復アイテムも割と潤沢に得られる(拾える)ので、クリアーは難しくない。
そもそもゲームボリュームが極小だから戦闘回数も少ないし。今ネタとして見れば笑えるが、当時これでは……辛いよなぁ。
物語は、他の要素に比べれば結構凝っていた。
まず、とある謎の組織が大昔の古代人遺跡を発見、古代人DNAを採取し、そこから古代人を基にしたバイオコンピュータを製作。
コンピュータはどんどん自我を拡大し知識を深め、やがて組織を牛耳るようになる。なんじゃそら、電源切れよ人間!!
やがてコンピュータは、古代人が持っていた超能力を自分も持ちたいと考え、人工超能力生命を部下に作らせるが、半端な出来にしかならなかった。
そんな時、完全な古代人DNAを引き継ぐ少女・アテナの存在を察知したコンピュータは、部下にアテナ拉致を命ずるのであった……。
……うーむ、チャチだな。まぁチャチだが、こんなもんだろ。なんで組織が機械如きに唯々諾々と従うのか分からん。
あとアテナの古代人DNA設定も、ただ語られるだけでそれ以上は何の説明もなかった。両親なんて名前すら出なかったし。
物語もゲーム部分と同じく、細かく詰めたりボリュームを増す努力が不足していると思う。荒っぽいなぁ。こんなもんか。
シナリオはアレだが、ゲームの雰囲気はいい感じに重く、理不尽な能力に振り回されるアテナの苦悩によく合っていた。
超能力で親友の危機を救うものの、その化け物染みた能力を親友に忌避される……というシーンは、ありがちながらグッと来た。
その親友・理香は一度組織に殺され、アテナが真の力に目覚めるきっかけを作るものの、EDで何故か瀕死状態だったことになり、超能力で復活、完。
理香が死んだ時は展開に驚いたが、まぁ今作にそんな度胸あるわけないよな。ご都合ご都合。はぁ。
今作には一応、KOFより「椎拳崇」もアテナの同級生として登場する。アテナへ片想いしているという設定も引き継いでいる。
アテナと違って超能力はないが、「ワイはアテナのナイトやで!」と方々で登場し、貴重な笑い役として活躍する。別に笑えないけど。
……が、ラスト付近で、実は拳崇にも超能力は秘められていて、アテナと同格で組織から注目されていたことが判明。
無防備状態でラスボスから攻撃を受け絶体絶命のアテナを、突然のサイコシールドで守るという大活躍を見せた。
うーん、今作の内容なら、拳崇は凡人の方が良かったと思うがなぁ。続編への伏線だろうか。
まぁそれでもアテナの心境に特に変化はなく、彼女が終始気にしていたのは親友・理香との仲だけであった。拳崇哀れ。
ラスト前に2つ、クリアーとは関係がないミニゲームが挿入され、これを突破するとED後に特別ムービーが観られるようになる。
んでこれの内容が明らかに続編を示唆しているもので、今作はシリーズ化を目論んでいたことが分かる。
……その後どうなったのかは言うまでもない。何せ会社がポシャったんだからゲームの続きなんか出るわけがない。
超能力戦士アテナの戦いはあの後どうなったのだろう。プレーヤーが想像するしかない。
ふぅ。
今作発売当時、アテナは今作の設定を踏襲したテレビドラマ化もされていたはず。多分。
俺は観てないが、ゲーム版の出来を考えればまぁそういう内容だろう。麻宮アテナ国民的アイドル化計画、脆くも失敗。
今作は一応、現在ゲームアーカイブスにて600円で配信されているらしいが、ハッキリ言って今更プレーするに値するゲームではない。
俺も辛うじて90年代の格ゲー、SNK全盛期に思いを馳せて乗り切った形だからな。はぁ。
もっとお金をかけて、時間をかけて、ゲーム性を練り込みドラマ性を上げボリュームを増やせば、売れたのだろうか。
少なくともハードの性能が全く足りてないのは間違いないから、PS2まで時代を待てば少しは改善されたと思う。
……でもそれだと、SNK自体がこの世から消滅しちまうんだよな。ああ虚しき歴史のIF。妄想すら許されない。
比類なき古代人のDNAを継ぐ超能力美少女戦士・麻宮アテナとてこればかりはどうしようもない。
何の用もないけど、久々に江坂に行ってこようかな。俺ん家から近いんだよ。当時はネオジオランドによくロケテ見に行ったよ。
サイコボール~が~~~光~~放ち~~~~~~…………。俺は95の長崎萌派かな。さとう玉緒はスゲー人選だったな。
ちなみに今作アテナは98以降定着した池澤春菜氏が担当している。格ゲーほどの存在感は感じられなかったが。
SNKはとっくに倒産したが、その資産はSNKプレイモアに引き継がれ、一応現在も格ゲー含めて色々と展開はしている。
アテナの本来の居場所・KOFも継続していて、現在は「KOF13」がプレーされている。……多分。
KOFは長年グラフィックの流用を続けていたが、「KOF12」にてついに完全刷新、全てのドット絵を新規に打ち直した。
しかしこの新規ドット絵が……確かに奇麗は奇麗だが、ハッキリ言ってKOFファンに受け入れられる方向性ではなかった。
俺も往年のファンとして「これは違うだろう」と言うしかなかった。何であんな風にしたのは未だに分からない。
そして我らがアテナも当然新規ドット絵で生まれ変わったわけだが……他キャラと同様、非常に違和感のある絵柄だ。
顔が妙にロリ臭いのがなぁ。森気楼氏の時代が懐かしい。
ただKOF13には結構興味があるので、廉価版発売を待っての参戦を微妙に考えている。京とK´を使ってみたい。
その時にはアテナの変貌も受け止めよう。80年代からセーラー服を着続けるサイコソルジャー、素敵じゃないか!
2次元キャラの特権だ。いつまでも若く美しい。麻宮アテナさん、これからも素敵なサイコボールで俺を楽しませて下さい。
……プレーヤーは、いつまでも若く情熱に溢れるというわけにはいかないけどな。
あー格ゲーいちから始めるの超大変だぁ~技もシステムも複雑すぎて覚えられねーよこんなんユーザー離れて当然じゃあ~~。
はぁ……。
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