急に思い出しましたが、子どもの頃母のお針箱の中に「握りばさみ」がありました。この使い方が、子どもには難しく、刃と刃がうまく合わず糸が切れませんでした。母が「馬鹿と鋏は使いよう」と言って、一寸悪戯っぽく笑って見事切ってしまうのを、手品でもみるように尊敬したものでした。
「馬鹿」とは私のことを罵ったわけではないと思いますが、この言葉は記憶に残っています。覚えていませんが、上手くおだてて私に手伝いをさせたかもしれません。言葉は使いようですね。
昨日の日経新聞夕刊に「このルール違反どう叱る」と題して、親の気持ちをちゃんと伝えるコツが取り上げられていました。篠 真希さんの指導です。
◉ 1度に言うことを一つに絞る・・・10いえば8くらいは解ると思わないこと。「1言って1をきっちり伝える」。例えば帰宅した子が手を洗わない。靴下を脱ぎっぱなしにしている。そんな場合、まず手を洗わせる。靴下はここでは目をつぶっておく。
◉ 子どもが具体的に行動できるように伝える。・・・どうして欲しいか言葉にする。「だらしがないよ」では子供はどうしていいのか分からない。「脱いだ服はかごに入れよう」と具体的に言う。「どうしたら、片付くかな」と問いかけて考えさせるのもいい。
◉ 自分を主語にして伝える。・・・例えば子供が危険なところに立ち入っている時。
ママはあなたが落ちるんじゃあないかと心配よ。あなたが怪我をしたら、ママは悲しい。
あぶない!なんでそんなところでふざけるのよ!!・・・これでは伝わらない。
◉ 期待のハードルは低く・・・「今日は1回注意したらすぐ手を洗ったね。えらいね」とほめる。
「いっつも手を洗わないねえ」。反発を買うだけ。本人のやる気をそぐ。
◉ ほかの子に比べず、おやこの約束を基準に考える。例えば公園で5時の鐘が聞こえた場合。
「ほかのお友だちも帰るでしょう。だから帰るよ」はだめ。
「5時になったら帰るお約束だったね。帰りましょう」。親子の約束を守るように促す。
う~ん、反省しきり。ダメ母さんの見本みたいな私だった。子どもはもはや50も半ば。孫さえ、婆さんをたしなめるほど成長しました。今更ですが、書き留めました。